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おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
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第59話 黒い猫


商人ギルドは発足に時間がかかる為、仕方ないので店内に求人チラシとレオさんに頼んで文官やら騎士の募集ついでにウチの求人もしてもらう事にした。


国に仕えるための求人のついでで、どれほど反響があるかは微妙だが、何もしないよりはいいだろう。


そんなんで今は店の外にもチラシを貼っている。あまり貼りすぎるのは見た目が悪いから嫌いだが、気付かれなくては意味がないので、なるべく目立つ様に数枚貼っている。


チラシを貼っていると物陰に動く影が見えた気がした。近づいてみると黒い猫がいた。


吸い込まれそうな美しい漆黒の猫………モフりたい……


俺はゆっくり腰を落とし近く。


野良猫は警戒心が強い。餌でも持っていなければ近くにはきてくれない。立ち上がり距離を詰めようものなら一目散に逃げてしまうだろう。


あいにく今は餌になるような物は持っていない。アイテムポーチも置いてきた。あの中になら生肉は入っていたのだが…


猫と目が合う。しかし、猫は動かない。俺は片手を地面につけ軽く動かす。猫の目線は変わらず俺を見据えている。


若い猫ではないようだ。若い猫なら手の動きに反応して視線が動く。


うーん。無理に触ろうとするのは無理かも知れない。


諦めて戻ろうとした時………



「先輩なにやってるんすか?」



ヒビキがきた。



「ヒビキ、猫が食べそうな物持ってないか?」


「へ?ソーセージならあるっすけど?」



何故持ってる?聞いた俺も俺だが。そう言えば仕事中でも飴とかスナックとかなんかしら持ってたな。子供にあげるようとか言ってたっけ。取り敢えず今は……



「ヒビキそれくれ。あとで代わりやるから」


「ほいっす」



ヒビキからソーセージを受け取り猫の方に向かう。猫がゆっくりと近づいてきてソーセージを俺の手から食べる。


うん、可愛いな。



「先輩……ケモナーも大概にするっすよ」



別にいいじゃねぇか。猫が増えれば街のネズミ駆除に一役買ってゆくゆくは疫病予防や穀物保護に繋がるってなんかで読んだ気がするぞ?街では知らないが船で猫を飼うのは常識だったみたいだしな。


猫は食べ終わると俺の足にすり寄ってきた。やべー可愛い。


俺は猫を連れて一階バックヤードへ向かう。この猫を飼うとしよう、そうしよう。


一階バックヤードにはリリスとクーロンがいた。クーロンは人型で今はシロだな。白髪の大人しそうな青年の姿だ。ガタイはいいのに。



「ま、マスター?そ、それは……」



シロが猫を見てビビっている?



「店の前にいたんだ。可愛いだろ?」


「トール殿……そいつは……」



リリスも心なしか警戒しているようだ。どうしたんだ?


クーロンが輝き出し髪が金髪になる。ライだ。


ライは猫に向かって雷撃を放つ!


なっ!なんで⁈


しかし、猫は雷撃を爪で切り裂き、一瞬で間合いを詰めてライを吹き飛ばす!


はっ?なにが起きているんだ?


吹っ飛んだライにトドメを刺さんとする猫を何処から来たのがシルヴァが止める。



「シルヴァの旦那……助かりました」



ライがシルヴァに礼を言う。



「オン!」


「何がどうなってんだ?」



誰か教えてくれ。猫はシルヴァから離れ俺の足にすり寄ってくる。



「トール殿…その猫はブラック…Sランクの魔獣だ」


「へ?」



この猫がSランク?普通に街にいましたよ?



「見たものに不幸をもたらすとされる漆黒の猫…見た奴が大半死んでしまう為に目撃者は殆どいない。私も初めて見た。シルヴァ殿に勝らずとも劣らない魔力を感じれなければ気づけなかっただろう」



リリスが教えてくれた。


ブラックって黒と不幸(ぶラック)とか言う駄洒落じゃないだろうな?おい名付け勇者!こんな可愛い、しかもSランクの魔獣になんつう名前つけるんだ!


ってかクーロンぶっとんだな………こんな可愛いのに……


俺は足元にいる黒猫の首に手をやりゴロゴロする。



「トール殿………」


「先輩……あれ見た後にぱねぇっす」


「俺の目には止まらなかったのだよ」



えぇ、早すぎて見えませんでした。



「オン!」



シルヴァがゆっくり近づいてくるが、黒猫は動こうとしない。と言うか気にしてない。最初に俺が慎重にしてた意味ってあったのかな?



「オン!」


「ニャー!」


「会話が分からん」



これ話出来てるのか?



「シルヴァの旦那がブラックに何しに来たかを聞いて、ブラックは美味い餌を食べれるみたいだから来たと言ってます」



ライが教えてくれた。いや、イヴでも分かったと思うんだけど、狼と猫でも会話出来るのか疑問だったんだよね。ってかヘビも大丈夫なんだな。



「ここに住むか?」



俺は黒猫に問いかける。



「せ、先輩⁉︎」


「トール殿?不幸を呼ぶ猫だぞ?」


「この世界では知らないが黒猫は確かに不吉の象徴とされ狩られた時期が俺の世界にもあった。ただし!事、俺のいた国では古来黒猫は商売繁盛の魔除けとし『福猫』なんて呼ばれてた時もあるんだ。この世界だと大方Sランクの魔獣と気付かないか気付いても自分が倒されてしまうから、気付けば不幸を呼ぶなんて言われてるんじゃないか?ウチにとっては有難いセキュリティじゃないか。これから何があるか分からないし、戦力はあった方がいい。ただし、ウチの従業員及びお客様を襲うのはやめてもらうけど」



対帝国ように隠し戦力は必要だったんだ。願ったりかなったりだろ。可愛いし。あ、でも全力でモフッたら嫌がるかな?夜イリムに頼もう。


シルヴァ?いや、流石に全力は恐れ多い。イリムなら喜んでくれるからOKなのだ。



「ニャー」


「了承したとっていいかな?」



頷く黒猫。



「マスター、ブラックのテイムに成功しました。名前をつけて下さい」



あぁネーミングセンスないのに毎回辛い。クロ?普通すぎだ。コク?既にいる。ヤマト?……付けてはいけない気がする。ジ○………いや、ダメでしょ。


もう一度黒猫をよく見てみる。漆黒の毛に金に輝く瞳。うん、綺麗だ。そういやオス?メス?


ブラックを抱きかかえて見る。艶々してて素晴らしい毛並みだ。気持ちいい。うん。メスだな。



「ヒトミでどうだ?」



金に輝く瞳が綺麗だからな。



「ニャー」



ヒトミが輝きだし、身体が大きくなっていく!


ふへ⁉︎な、なんで?


輝きが収まると、そこには妖美な黒髪金眼猫耳の女性がいた。


俺に抱きかかえられて………


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