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おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
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第40話 抗議デモ


「おらぁ!出て来いダンジョンマスター!」


「お客様、店内で大声を出されては他のお客様のご迷惑になります」



さくらが普通に対応する。全くもって迷惑だ。営業妨害だぞ。騎士団よんだろか?さくらも、そいつら客じゃないからそんな対応しなくてもいいよ?



「なんだ?この店は客に意見するのか?」


「意見だなんて……私は他のお客様のご迷惑になると…」


「意見してんじゃねぇか!舐めてんじゃねぇぞ!」


「「そうだ、そうだ!」」



あーーイライラする。クレーマー共め。


クレーマーとは、店の不備を指摘するお客様の事ではない。寧ろご指摘頂ける事は店をよりよくする為にありがたい事だ。


クレーマーとは理不尽な文句を言って理不尽な請求をしてくる頭のおかしい連中の事だ。


バックヤードから出て行き、さくらの肩を叩き下がらせる。後は任せろ。



「これはこれは、商店の皆様お揃いで、本日はどの様なご用件でしょうか?」



そう、こいつらは王都に店を構える商店の店主達だ。



「どうしたもこうしたもあるか!テメェの店の所為で俺の店に客が来ねえ!どうしてくれんだ⁉︎」



バカだ。



「それは当店では責任を持てませんね」


「責任持てませんね。じゃねぇ!店たたんでどっかいけや!」



理不尽極まりない。



「私に利益がありませんね」


「テメェになくても俺たちにあるんだよ!」


「自分が理不尽な事言ってる自覚ありますか?」


「うるせぇ!出て行かないと……店で暴れてやる」


「ほぅ………シルヴァ、おいで」


「ウォン!」



転移陣からシルヴァが出てくる。



「フェ、フェンリルなんて卑怯だぞ!」


「ウチの店で暴れるんですよね?勿論、同じ事をされる覚悟がお有りになると思いましたが?」


「くっ!」


「まぁもっとも、ウチは不壊のダンジョンですから壊れませんが、皆様のお店にシルヴァが行けば塵も残りませんよ」


「ぬ………」


「だいたい客が減ったってのに説得力がないんだよ。ウチが出来る前と今とで具体的に何人減ったんだ?人数が分からなくても売上高くらい分かるんじゃないのか?」


「……………」


「お客様の顔見てるのか?俺はここにいる面子の店には最低月一回は顔出してるぞ?覚えある奴いるのか?」


「……………」


「だからダメなんだよ。文句を言う前にお客様と真摯に向き合えや!商売舐めんじゃねぇぞ!」


「だが……」


「だがなんだよ?自分の努力が足りないのを人のせいにしてんじゃねぇよ。だいたい、ウチと商品が被ってて売上に影響がありそうな、服屋や武器屋の旦那がいねぇじゃねぇか!」


「あ、あいつらは………」


「参加を断られたんだろ?分かるよ。旦那達は真摯にお客様と向き合えてたからな。ウチに出来ない事を伝えてあるから堅実に利益だしてるだろうよ」



服屋の旦那は真面目でいつもお客様を見ていた。俺にも直ぐに気づいた。その時、アラクネの服をあの価格で出されてはって話になったんだが、ウチはウチでアラクネの糸は普通の染料じゃ染められなくて服のバリエーションが出せない事を伝えた。


服屋の旦那は真面目人だ。直ぐにカラフルな衣類を揃えだした。他にもウチは目利きが出来ないから古着はやらないとか、小物を作ってる余裕がないし、バリエーションがないかトータルコーディネートはやらないとか話をした。その後、鞄屋や靴屋と組んでディスプレイを始めた。ディスプレイの話はその時してなかったから自分で行き着いた事に当時驚いたな。


ダンジョンだった事が公表されてからは異世界の服の様式についても多少教えたりした。向上心があり技術もある。非常に好感が持てる。


武器屋の旦那も結構初期から意気投合していた。ウチにドワーフの鍛治師が来た事を教えた時に青ざめてたっけ。だけどウチは目利きが出来ないから中古をやらない事、あとダンジョン魔道具と言っても雷と無属性の物しか作れない事を話すと、雷以外の属性を持った武器の買取額を上げていた。あと鞭とか投げナイフなども多めにしてたようだ。ちゃんと対策して考えてる。


なんでそんな事をしてるかって?何となくだ。別に俺は商店を潰したい訳じゃないし。寧ろ頑張ってる店は仲間として応援したくなるもんだ。他店は敵ではない。共に競い向上する為の競合店であっても敵ではない。俺も市場調査とかはするけれどもそれは、まず目の前のお客様をしっかり見据えてから始まる事だ。だいたい他店気にする余裕なんて利益が出てなきゃ普通ないんだけどな。



「で、まだなんかあるか?」



俺は商店の連中に問う。



「俺たちは……どうすれば……」


「知らねぇよ。まずどうしたいかだろ?で、どうしたらそれが出来るか考えろ」


「……………」


「思考停止するなよ。言われた事だけやるならガキでも出来るぞ。考えろ」



どうしりゃ良いのかなんて先に言ってるし。真摯にお客様に向き合えばいいだけだ。お客様は何も望んで店に来ているのか?何を求めているのか?


お客様から見て、店は綺麗か?


お客様から見て、商品は満足できる物なのか?量は?質は?価格は?


お客様から見て、接客対応は適切だろうか?挨拶してるか?商品の説明は十分か?おじいちゃんとか使い方分からないとかあるぞ?クレームになる前に説明してあげるのが親切だ。



「分ったならお帰り願おう。今回は迷惑料だの騎士団への報告なんかはしないでやる。次があったら店ごと消し炭にするぞ?」


「ウォーーーン!」



シルヴァが一吠えすると震えながら退散して行った。


が、1人残った。


見た所、獣人の青年だが………こんな子、店やってたかな?



「すまない。先ほど全ての店に顔を出してると言ったが、君の顔に見覚えがない。まず、誇張表現だった事を謝るので教えて欲しい」


「いえ、トールさんが見覚えがないのは当たり前です。僕はまだ店を持ってませんから………」


「では何故この場にいたんだ?」


「僕はエドガー様の商会で働いているのですが、エドガー様に言われ事の顛末を見に来ました。エドガー様には勉強になるからと言われまして…」



エドガーのとこの青年だったか。あれ?あいつのとこ獣人なんていたっけ?



「エドガー殿のとこに君のような獣人がいた記憶もないのだが?」


「トール様がエドガー様との契約を終えてから雇って頂きました。最初は小間使いだったのですが、今は大事な仕事も任せて頂いてます」


「なんかあいつも変わったんだな」



バカ1号事エドガーは随分真人間になったみたいだ。



「トール様のお陰だとおっしゃっておりました」


「気恥ずかしいな。しかし、仲間が増えるのは喜ばしい。青年、ゆっくり店を見てくといいよ」


「ありがとうございます」



良い商人が増えるのは嬉しい。それだけ笑顔が広がるからな。そのうちまた、エドガーに卸してもいいかもな。


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