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おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
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第4話 ギフト


噂をしたら影…なんて言葉があるがタイミング良すぎだろ…



「グォー!」



馬車の外には口元や手足を血に濡らしたグリズリーがいた。あぁ盗賊達は喰われたみたいだ…悪党だけどグリズリーを連れて来たのは俺だし…

再びちょっと罪悪感に襲われる。



「主人殿は気にするな。お陰で私達は助かったのだ。それよりも目の前の奴を何とかするのが先だろう」



リリスが察して話してくる。


うん。そうだね。イリム達を助けたと思う事にしよう。それより今はグリズリーだ。



「グォー!」



グリズリーが雄叫びを上げ突っ込んでくる。熊は時速40㎞ほどだけど、それより早いんじゃないか?流石魔物。あの質量でこの速度は洒落にならない。車にはねられるようなもんだ。


しかし、そうはならなかった。突っ込んで来たグリズリーは突然真っ二つになり死んでしまった。


何が起こったんだ?俺が困惑してるとアテナが空中を指差している。よく見ると空中に血が付いている。あれは…糸?



「アラクネのトラップだよ。細くても強靭な糸は並大抵の事じゃ切れないのさ!グリズリーが真っ二つになったのはグリズリー自身の突貫力があってだけどね。本来は足止めくらいにかならないんだけど……僕もビックリさ!」



ワイヤートラップなんだろうけど本当にビックリだ。いくら糸が頑丈でもあんな綺麗に真っ二つにならないでしょ普通。固定した木の方が抜けたりしないのか?それだけアテナの糸が切断出来るほど細く鋭利で頑丈だったってことか。



「いくらアテナの糸でも少し変じゃないか?」


「僕の事だけど、僕もそう思うよ」


「トール様のギフトでしょうか?」



ギフト?贈り物?



「ギフトってなにかなイリム」


「稀に特殊な力を持って生まれてくる人がいるのですが、その力を総称してギフトと呼んでいます。神からの贈り物と言う意味ですね。異世界からこられたトール様なら持っていても可笑しくないかと」



成る程、スキルみたいな物かな?



「レベルとかもあったりする?」


「レベル?なんですかそれは?」



レベルはないのか?



「はいはい!僕知ってる!前に色々な物や詳細が分かるギフトを持ってる人が言ってたよ。人の強さが分かる数字だって」



鑑定があるのか、イリムが知らないならあまりいないんだろうな。



「ギフト持ちはどれくらいいるのかな?あと、どんなギフトか調べる手段はある

?」


「だいたい100人に1人くらいでしょうか?街に10〜20人いたらいいほうだと思います。調べる手段はありませんね。子供のうちに気づく人もいれば、多分死ぬまで気付かない人もいると思います」



おぉ優しくないなこの世界。街の人数はだいたい1000〜2000人って事かな?

因みに王都は5万人くらいいるそうだ。首都が田舎の市レベルか〜そんなもんか



「アテナの糸が強化されたのが俺のギフトだったとして、イリムやリリスは何か変わった事ないか?」


「そうですね……」



イリムが考えてる脇で、リリスが街道の方を向き小声でなにか言ってる。



「クラック」



リリスが何か唱えると街道にヒビが入った!



「なにそれ⁉︎」


「衝撃を与える魔法なんだが、本来地面にヒビを入れるほど威力はないんだ。木の板を割るくらいなら出来るが……」


「威力が可笑しいと?」


「そうだな。魔力の消費具合も変わらないのに…」



次はイリムがユックリ動き始めた。なにしてるんだろうと思ったら…イリムが2人になった!



「それも魔法なの⁉︎」


「いえ、ただ早く動いているだけですよ」



いやいや、簡単にリアル残像拳とか使わないでよ!



「そうですね、普段よりも体が軽いですかね」


「俺が言うのもなんだけど三人ともなんで奴隷商なんかに捕まったの?」



見た感じ簡単に撃退できたんじゃないだろうか?



「我等にこれ程の力はなかったよ主人殿。やはり主人殿のギフトの力だろう」



ん〜その割に本人たちが驚いていない気がするんだけど…アテナである程度予測してたのかな?元が分からないからアレだけど、そうなのかな?


しかし、これだけじゃギフトの力が分からないなぁ。俺の周囲の人の力を底上げする力?それならグリズリーも強化されてたか…俺の奴隷を強化する力?奴隷しかサンプルがないからまだ確定じゃないな…



「それじゃ仮に眷属強化って呼ぼうか」



今の所分かっているのは俺の奴隷の身体能力、魔力、生み出す物の強化。俺自身はよく分からない。魔法使えたらいいな〜



「さぁ遅くなったけど出発しよう。王都にはどれくらいかかりそう?」


「徒歩で5時間くらいでしょうか、今から行けば日が出てる内に着きそうです」


「なら少し急ごう」



俺たちは王都に向かい出発した。途中生えていた草をリリスが摘んでアイテムポーチに入れてくる。



「この薬草でポーションが作れるんだ。今後、資金集めは必要になるのだろう?給金が貰えると聞けば頑張らせて貰うよ」



うん、やる気があるのは良い事だ。しかし、取り敢えずで人の街に向かっているけど今後どうしようかな?オタクな後輩から言わせると冒険者がテンプレっすよ!って言ってたけど。俺はそんな危険に身を置きたくないし、まだ冒険者がいるかもわからない。


そんなオタクな後輩に散々話を聞かされたから異世界テンプレ知識はそれなりにある。その後輩は一月前に蒸発しちまった…彼奴の所為で俺の休みが削れちまったが、もう関係ないな。


俺は元の世界じゃしがない店の店員だ。店長ではない。俺に出来る事って言ったら商売くらいしかないな。アテナの糸で作った服やタオル、リリスのポーション類、イリムは丁寧だから売り子やって貰って……おっ?以外にいけるんじゃないか?


問題は店舗かな?金はあるから買えると思うけど…立地とか下調べが必要だな。法律はどうだろう?商業組合、商人ギルドの様なものはあるだろうか?


俺が異世界商売に夢を膨らませていると目の前にバスケットボールくらいの黒い球体が浮いていた。


大切な事だから二度言う。


浮いていた!



「ダンジョンコア⁉︎」



リリスが叫ぶ。


なにそれ?

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