第39話 デパ地下オープン
「ところで、シルヴァ様はどうしてトール様の従魔になられたのですか?」
イリムさん、そこ聞いちゃいますか?ぶっちゃけ怖くて聞けなかったんだよね。
「オン、オン!」
「なんだって?」
怖いけど、気にはなる。
「はい、理由は3つあると」
「オン!」
「まず、我が暇だった事」
暇だと従魔になっちゃうの?
「ワウ!」
「2つ目は、汝が我に畏怖せず、興味を惹かれた事」
あの場でモフモフ考える奴なんて普通いないよな〜。我ながら可笑しい奴だ。
「オン、オン!」
「3つ目は、人族の生活に興味があったからだ。文明とは何か、何故街を作るのか」
随分哲学的な事を言うんだな。
「それは簡単だな。人は1人じゃ生きて行けないんだ。人は助け合って生きている。家を建てる人、服を作る人、作物を育てる人。様々な人達が協力して生活している。街や村はその人達が集まり出来た場所。問題が起きないよう、外敵から人達を守るよう、領主や王が生まれる訳だ。人と獣の違いは自分たちが環境に合わせるか、環境を自分たちに合わせるかの違いだろ」
「ワン!」
「では、何故、上に立つものは身勝手な振る舞いをし、他者を迫害する?」
「どの世界でもバカはいるもんだ。国によっては血筋で後継を決める事がある。そうして世襲した奴は一番大切な事を分かってない場合がある。民あっての国なんだよ。俺だって皆んながいなかったら店なんて出来なかったよ。人は宝だ」
人材は人財とも言う。従業員はもっとも大切な会社の財産だ。
「たが、俺もまだまだだから俺とは違う解釈をした人もいるかも知れない。まずはこの街の人達を見て回るといい」
「オン」
シルヴァをブラッシングしながら語りかける。
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一ヶ月後
二週間前に無事デパ地下をオープンした。
ウィンナーやハム、野菜類に魚介類、食品の売り上げは好調である。
海がない王国では魚介類は大絶賛。まぁ焼き魚が主流らしいが、炊事組に余裕があるならフライも広めよう。
ワイルドボアの肉も好評だ。魔物肉が安定供給される事は異例らしい。
ワイルドボアや魚介類達は繁殖して、ここ一ヶ月で倍にもなっている。ダンジョン恐るべし。結局未だにワイルドカウは捕まえられていない。
野菜類は種類が少ないのでそれ程でもないが、良質な為、売れない事はない。
チーズや牛乳、卵などもこの世界に元々あったので普通の売れ行きだ。これもお惣菜コーナー設立に期待しよう。
あとは、醤油味噌だが、未知の調味料はあまり受け入れられていない。美味いんだけどなぁ。実演販売も検討中だ。そのうち納豆も作ろうか?ウケ狙いで。
そんな訳でデパ地下だけで月に金貨15枚分の売り上げになった。来客数が増え、スクランブル全体では白金貨1枚と金貨50枚だ。
色々経費がかかる様になったから経常利益は落ちたが金貨50枚は出ている。
順調順調。
まぁそんな時に問題が起こるのが異世界テンプレですよね!
「スクランブル店主!出て来い‼︎」
馬鹿が団体さんでご来店だ。




