第34話 俺は冒険したい訳じゃない②
昨日、また大幅にPVが過去最高値を超えました。
なんでしょう、大変嬉しいのですが、突然しぎてビックリします。
今後も、おい異世界!商売舐めるなよ!を、よろしくお願いします。
感想、評価お待ちしておりまし。
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誤字、脱字ご指摘もありがとうございます。大変助かります。
「あれは……無理っす……」
目の前には恐ろしい威圧感を放つ白銀の巨大な狼。
参ったな俺は冒険したい訳じゃないのに……
「Sランクで神獣と呼ばれる存在っす。Aランク以上は全てSランクっすから幅は広いっすけど、フェンリルは間違いなく上位の存在っすよ……」
あぁそうだろう。強さに鈍感な俺でも、その威圧感を感じている。絶体絶命……そんなピンチなのに俺は恐れ多くも思ってしまった………
モフりたい。
いや、イリムに頼んでモフる事もあるんだが、あの滑らかな白銀の毛並み。巨大な体躯で俺が全力でモフっても応えてくれそうだ。
モフりたい。
フェンリルはゆっくりと此方に歩み始める。ヒビキは畏怖で動けない。俺は好奇心で動けない。
「先輩、レールガンは?」
「あれは充電に30分必要だ。俺の奥の手だからな。それに撃てたとして当たると思えん」
魔石の充電に時間がかかるのが難点のレールガン。魔力を注ぎ充電する事も可能だが、それでも5分はかかる。そして、撃てたとしても撃ちたくない俺がいる。
フェンリルは歩みを止めない。手を伸ばせば届きそうだ。
もうダメか……と思われたが、目の前でフェンリルは座り、こうべを垂れる。
触ってもいいかな?
俺は手を伸ばす。
「先輩‼︎」
ヒビキの制止する声が聞こえたが、もう遅い。俺はフェンリルの頭を撫でる。
「フェンリルのテイムに成功しました」
へ、イヴ?なんて?テイム成功?
「イヴさん、居たんすか?」
「失礼な勇者(笑)ですね。私が居ないでどうやって魔物を従える気だったのですか?」
「うぉっふ」
「それよりイヴ、テイムってどう言う事だ?」
「はいマスター。フェンリルから従魔要請がありましたので受諾しました」
「そうなのか?」
俺はフェンリルに話しかける。
「わふぅ」
「それはモフって良いと言うことか?」
「ワン!」
「それより、先に名前を付けて欲しいそうです」
「名前を付ければモフって良いと?」
「先輩、ケモナーだったっす?」
「ワン、ワン!」
「それで構わないそうです」
「そうか……名前か……」
白銀の巨大な狼。大地を揺らす者と呼ばれるフェンリル。北欧神話ではテュールの片腕を喰らい最高神オーディンを丸呑みにしたフェンリル。異端の神ロキの子供。北欧神話最強の存在だろう。
フェン?リル?安直過ぎるか?フェル?リフェ?変わってないな。白銀の毛並み……プラチナ?シルバー?シルヴァ?
シルヴァはどうだろう?
「シルヴァってどうだ?」
「わふぅ!」
「気に入ったようです」
「そうか!今日からお前はシルヴァだ。よろしくな!」
「ワン!」
「それじゃさっそく……」
フェンリル改めシルヴァに抱きつきモフる。モフる。モフりまくる!
思った通り最高の毛並みだ。幸せだ。
「フェンリルを従えるなんて……先輩…ダンジョンマスターと言い変な星の下に生まれたんじゃないっすか?」
「勇者(笑)が何を言ってますか。マスターはマスターだからフェンリルを従える事が出来たんですよ」
「ちょ、イヴさん俺に酷くないっすか⁉︎」
なんか、イヴとヒビキが漫才してるが気にしない。俺はジルヴァをモフる。
あれ?なんか忘れてる?
「そうだ!食肉魔物探しにきたんだった!」
「わふぅ!」
「シルヴァ?力貸してくれるのか?」
「ワン!」
その後シルヴァの力を借りて、ワイルドボアを乱獲する。シルヴァの力にビビったボア達は列を作り転移魔法陣に入っていく。
「これでいいんすか?」
これでいいんだ。何度も言うが俺は冒険しに来た訳じゃない。魔物で畜産して、デパ地下を作りたいだけだ。
レオさんに言ってた戦力はシルヴァだけでも十分だろう。これで帝国との戦争は回避できるし万々歳だ。
あ!卵まだだった。
「シルヴァ、コカトリスとバジリスクも行けるか?」
彼奴らはセットじゃなきゃ繁殖しないからな。
「ウォン!」
付いて来いと言いたげだったので付いていくと……
九つの頭を持つ巨大なトカゲがいた。
ヒュドラ。先程のオルトロスやケルベロスのご兄弟じゃありませんか……
「シャーー!」
ヒュドラがこっちを威嚇している。
「オン!」
シルヴァが大地を踏み抜くと周囲に振動が伝わり軽く地面が揺れた!
流石大地を揺らす者……
「シャ、シャーー……」
ヒュドラがひれ伏している。怖かったんだね。ヒュドラのランクはオルトロスと同じBクラス。因みにこの世界Bクラスは冒険者Bクラスが5人で討伐できるかな〜?ってレベルらしい。Aクラス冒険者でやっと単独突破出来るみたいだ。
あぁ〜さっきのオルトロス、ケルベロスコンビはマジヤバかったんだね。今もシルヴァが敵ならヤバかったけどさ。
ヒュドラがシルヴァに脅され、眷属のコカトリス、バジリスクを複数連れて来て、一緒に転移魔法陣に入っていった。
あれ?ヒュドラも付いてくる感じ?まぁ安全に卵とれるならいいかな?
俺たちも一緒にスクランブルへ戻る事にした。
「お帰りなさいませ、トール様」
イリムが迎えてくれる。
「ただいま。困った事はなかったかな?」
「はい、特には。それで、そちらは………」
イリムは少し考えた後に片膝をつきこうべを垂れる。
「フェンリル様とお見受け致します。この度はどの様な御用でしょうか」
「オン!」
「なんと!トール様の従者になられたのですか⁉︎」
「オン、オン!」
「私にも気遣って頂けるなんて至極光悦の至りでございます」
「オン」
「し、しかし……」
「ワン!」
「畏まりました。ではその様に……」
「どうしたんだイリム?ってかシルヴァと話せるの?」
「はい、犬系獣人にとってフェンリル……シルヴァ様は神に等しい存在なので、そのお言葉は神託と同義です」
おぉ獣人に系統あったんだ。いや猫耳、狐耳とかあるけど一括りに獣人って呼ばれてるからないのかと思ってたよ。
「シルヴァ様が今は同じ従者なのだからそんな腫れ物さわるみたいな対応するなと……」
まぁ神にそんな事言われたら困惑するよなー。
「シルヴァ、皆んなも慣れるのに時間がかかると思うから大目に見てやって欲しい」
「オン」
「ありがとう」
何となく今のは『分かった』と言ったのだろう。
その晩、大食堂でシルヴァを紹介すると犬系獣人が揃って五体盆地で崇めていた。宗教開けるんじゃね?やらないけど。




