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おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
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第31話 経営理念


イベントが終わり、孤児達とサリアは屋上の遊具で思い思いに楽しんでいる。


子供達の笑顔は癒される。


ふっと、何かが降りてきた。


俺は、この笑顔が見たいから元の世界で販売員の道を選んだんだ。


お客様が、スタッフが喜んでくれる。楽しんでくれる。それが俺の喜びだ。


そう思ったら、それを形にしたくなった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その晩の夕食、大食堂にて



「皆んな、今日はお疲れ様!お陰で今日は大成功、売り上げも過去最高になった!」



過去最高って言ってもまだ半年も経ってないけどね。


皆んなから拍手される。



「それで、今日は経営理念を発表したいと思う」


「経営理念ですか?」



イリムが質問してきた。



「会社……店を運営する上での根元になる考え方かな。皆んなにも常時意識して欲しいんだ」


「「「はい!」」」


「それでは発表する。スクランブルの経営理念は《笑顔の為に》だ」


「笑顔の為に?」



アテナが疑問系だ。



「あぁ《笑顔の為に》だ。俺は人の喜ぶ顔が好きだ。だから商売をしている。直にお客様やスタッフの顔が見れるからね」


「お客様は分かるが私達もか?」


「俺の持論だけど、笑顔は伝染するんだ。スタッフが嬉しそうならお客様も嬉しそうになるもんさ。だが、逆もある。憂鬱な顔してたらお客様も憂鬱な気分になるもんだ。まぁ俺が皆んなの笑顔を見ていたいってのもある」


「先輩らしいっす。前の会社でも先輩だけ経営理念無視して持論で独走してたから店長になれなかったんすよね。そのくせ実績出してるから会社も無下にできなくて、問題児だったっすね〜」


「誤解を招く発言をするなヒビキ。俺は+αで持論を遂行していただけだ。会社の方針に歯向かっちゃいないぞ」



チームワークは大切だ。仲が悪くて実績を落とした例を数多く知っている。皆んなで一つの目標に向かって進む事は大切仲が事だ。


俺は別に会社の方針に背いちゃいない。他のスタッフにも強要したりしていない。俺の行動が会社の方針よりも他のスタッフに重要視されていようとも、それは俺の責任ではない。実績だしてるし、お客様は満足してくれた。それで何が悪いと?


だが、今は俺がトップだ。全ての責任は俺にある。だから、俺の想いを皆んなに共有して貰いたい。だから、以前からあった俺の根本にあるものを形にする。フィロソフィーだっけか?かの偉大な先人達も自分の考え方を社員で共有していたはずだ。



「まぁいいや。それで、皆んなにもこの理念を共有して貰いたい。経営理念《笑顔の為に》《一つ、従業員の笑顔の為に》《一つ、お客様の笑顔の為に》《一つ、地域の笑顔の為に》以上を周知徹底してくれ!」


「「「はい!」」」


「スクランブルの目標は《一番人の笑顔が見れる店》だ。勿論、売り上げも大事だ。皆んなの給料や国の活動資金はここから出ている。だが、売り上げより優先する事項もある事を覚えていて欲しい。売り上げはお客様の満足度、支持率だけど、売り上げの数字だけが全てじゃないんだ。心からの笑顔は親切心からしか生まれないと思う。人に優しく、会社に厳しく、皆んなが楽しんで仕事してくれる環境を目指したい。そしてそれが会社の為になるはずだ!」



情けは人の為ならず。情けをかける事はその人の為にならないからやめなさいよって諺では無い。情けは人の為じゃなく、巡り巡って自分の為になるから情けをかけなさいよって諺だ。


俺は自己流で《徳を積む》っと言っている。修行僧じゃないが、いい事をすると運が良くなった気がするのだ。


それは自分がいい気分で、それが周りに伝染し、周りも良い気分になり、その笑顔が俺の幸せなだけなんだが、因果応報って良い意味でも言えるよな。



「イヴ、経営理念と今から言う事を纏めておいてくれ」


「畏まりました」


「こんな話の後で悪いんだが、給与体制を見直そうと思う」



今の給与体制ではイリム達と受け入れ組の差がありすぎる。それに出来高で給与を上げていては月々で差が出てしまうから安定しない。って言うかあんまり下げる事はしたくないんだ。


だからこそ、一回リセットしてちゃんとした給与体制にしたい。これから増えるであろう人員の為にもちゃんとしておきたい。



「イリム達には悪いが、今回だけ皆んなにあわせて変更させてくれ」


「私達は構いませんよ。元々使い切れるような額じゃありませんでしたから」


「そうだね〜」


「なんなら返還しようかトール殿?」


「リリス、返還はいいよ。それはもう君達の物だから自由に使ってくれ。いや、むしろ本当にこんな事になってすまない」



イリム達に向かって頭を下げる。



「そんな謝らないでおじちゃん!」


「私………使ってもない………」


「しかし、サリア達に損害を与える行為だ。謝らせてくれ。申し訳ない」


「それで、どう変更するのですか?」


「それなんだが、ボーナスを導入する事にした」


「ボーナス?」



アテナがナスに棒をさして、古典的なギャグをしている。ってか、今の一瞬でどこから取り出した⁉︎



「ボーナスとは業績次第で支払われる賃金の事だよ。月々の給料はリーダー達が銀貨30枚、リーダー以外は銀貨25枚で、業績がよければ全員に6月と12月にボーナスを支給する。だいたい一人金貨一枚くらいになる予定だが、業績次第で上下するからそのつもりでな。業績が悪ければボーナスなしもあり得る。逆に良ければ、金貨10枚もあるかもしれない」



半期計算で人件比率が30%になるようにボーナスで調節しようと思う。



「部署や、店が増えればリーダーも増えるから昇給チャンスもあるぞ。差し当たって、魔物家畜を始めようと思うから、食品コーナーと飼育員が必要だな。あと経理の人員も欲しい。部署が変わらなくても、部署自体の業績がよければ昇給を考えるよ」



接客班は担当している部署の業績で評価しよう。



「以上になるが、何か質問はあるか?」


「今は特に………いえ、私はどうなるのでしょうか?」



ミッシェルが質問してきた。



「ミッシェルは警備班リーダーだな。班員はヒビキだ。あとシルキー達とサリアの家事は別途給与を支払うよ。それに食事代は今まで通りだ」


「ワシらは特に問題ない」


「むしろ高待遇に恐縮しますね」


「此れからもよろしくお願いします」


「あぁ此方こそよろしく。では皆んな《笑顔の為に》だ」


「「「《笑顔の為に》」」」



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