第23話 役割分担
お陰様で一万PVを達成しました。
今後も、おい異世界!商売舐めるなよ!をよろしくお願いします。
感想、評価お待ちしております。
受け入れメンバーの自己紹介が終わると、丁度イリム達が帰ってきた。
もう首輪はない。ちゃんと戻ってきてくれて嬉しく思う。
「丁度いいかな。さっき話したイリム、アテナ、リリスだ。これからチーム分けをして上司になる存在だ」
「獣人のイリムです。主にレジ接客を担当しております」
「僕はアラクネのアテナだよ。衣類は僕の管轄だからよろしくね」
「ダークエルフのリリスだ。薬品を担当している」
「さて、君達を受け入れる訳だが当然ウチもタダで引き受ける訳にはいかない。国王様はなにかおっしゃっていたか?」
受け入れメンバーは顔をみあわせている。
「国王様には今王都で勢いのある商家で働いてもらうとしか……ダンジョンなどきいていませんでした」
デュラハンのミッシェルが答える。そりゃ口止めしてるからな、まだ言えないだろ。
「おらぁ鍛治をさせてくれるってんで来たんだか違うのか?難しい事はよくわからねぇ」
ドワーフのゴードンは気にしないようだ。
「国に害するダンジョンなのか?」
リザードマンのゲッコーは国思いか?
「我等をダンジョンの餌にする為明かしたのか?」
ラミアのアスラが物騒な事を言う。
「まてまて、質問に答えよう。ウチがダンジョンなのは国王様も知っておられる。国に害するつもりは一切ない。君を餌とかありえない。ゴードン。勿論鍛治をしてもらう。ご覧の通りウチは商家だ。」
商家だ。と言ったら皆んな顔を歪めてる。あれ?普通じゃないの?
「トール様お言葉ですが、この様な多階層の建物に様々な商品を扱う店など他に類を見ません」
あ、そうか。そんなもんか。
「まぁまぁとりあえず商家に違いはないんだよ。だから皆んなにも手伝いをして欲しいんだ。勿論、業務の成果に見合った給金を約束しよう」
給金の話したら皆んなの顔が明るくなった。
「そうだな。とりあえず銀貨20枚は大丈夫だと思う。予想よりも多く利益が出れば特別給金も支払う!」
歓声が湧き上がる。
「ご主人様、銀貨20枚って普通に多いからね。更に特別給金って……」
え?手取り20万って高いの?……若干高めだけどアテナ達よりかなり少ないよ?人増えたから計算し直して更に気持ち少なめなんだけど?20人で銀貨25枚の計算だったからちょっと下げた。
「ん〜まぁ儲かればね。で、それぞれに担当を任せたい。
先ずドワーフの男衆!三階、武器防具屋の商品製作をお願いする。思う存分鍛治をしてくれ。
次にドワーフの女性達はアテナの元で裁縫をして欲しい。二階、衣類、繊維売り場を商品製作だ。
ラミア達はリリスの指導で調薬に挑戦してくれ。仕上げはリリスだろうが、他の作業は分担出来るはず。
シルキー達にはここフードコートと社員の大食堂をお願いする。細かいことはサリアにお願いする。3人だけで大変だろうが頑張ってほしい。
リザードマンは四階、家電、雑貨売り場の開発と搬送だ。大きい商品も多いから頼むよ。
ミノタウルスは地下で畑仕事だ。リュアスと協力して薬草の種類を増やし、フードコートの野菜類もお願いしたい。
獣人達は各階のレジ、接客、清楚要員だ。フードコートを除く各階に2名づつ。イリムを隊長に訓練を受けてくれ。
ミッシェルは、警護員だ。後で警務室を作るからそこが仕事場だ。
以上だが質問はあるか?」
「好きな物を好きなだけ作ってもいいのか⁉︎」
ロードンが質問してきた。
「基本的にはそれで構わないが、売れなきゃ給金はでないぞ?俺としては剣、槍、弓などメジャーな武器や皮から鉄、ミスリルなど鎧、盾など種類を増やして、さらにそれらも下級、中級、上級ななものを揃えてほしい。お客様って言うのは選びたいもんだ。冒険者だって身の丈に合わない武器を持たせたって意味ないだろ?身の丈に合った武器を選んでやるのも武器防具屋の仕事じゃないかな?ただ、一点物の最上級品用意したりオーダーメイドを受けるのは構わない。後で話すがその為のシステムも考えてある」
「分かった。金が無けりゃ酒も飲めねー」
「あれ?言ってなかったか?趣向品はダメだが基本的な衣食住はウチが出す。晩酌一杯程度なら許容するよ。それ以上は自腹でどうぞ」
「よいのか主人殿?」
「アテナもだけど俺はもう主人じゃないんだ。名前か店長と呼んでくれ。衣食住はもともとそうしてたじゃないか」
「あれは私達が奴隷で主人…トール殿の持ち物だったからだろう…」
あれ?またやらかした?いやまぁ持ちすぎかも知れないけど、それでも余裕あるんだよね。お客様満足度も大切だけど、経営者としては従業員満足度も大切だと思うんだ。
「酒が飲めるなら文句はねぇ!」
さすがドワーフだ。
「他にはないか?」
皆んな首を振る。
「では、次の話しをしよう。先ほどロードンに言った特別な品の準備だ。コレを各班に配る」
背面にリンゴマークの書かれたスマホ擬きを配る。
「これはダミーコア。この店のダンジョンコアであるイヴのコピーだ。で、このダミーコアで何が出来るかって言うと……魔道具が作れる!」
周りがザワザワする
「それは魔剣を作れるって事か⁉︎」
ゴードンが発言する。鍛治師としては気になるよね。
「そうだ。ただし付与出来るのは雷、時空間、無属性だけ。どんな事が出来るかはダミーコアに聞いてくれ。あと魔道具作成には魔石とDPと呼ばれるポイントが必要だ。これは各ダミーコアに毎月1000ポイントと魔石一つを各班に配布する。すぐ作るもよし、貯めて凄いの作るのも、魔道具を作らず備品を作るのもいい。好きにしてくれ。
各班が競って成果に繋げてくれればいい。家電班だけは、DPがないと商品が作れないので、定番商品の補充には別途ポイントを支給する。衣類班…魔道具な服って魅力的じゃないか?
価格設定も基本的に任せるが、最大で原価の10倍+制作時間1時間×銀貨一枚とする。原価が銅貨一枚、制作時間10分なら銀貨1枚と銅貨1枚鉄貨6枚が最大だ。原価がかかってないなら銅貨1枚と鉄貨6枚になる。1分もかかってないなら一律銅貨一枚だ。DPは1ポイント銅貨1枚の原価扱いにしてくれ。
アテナの服だけは最低銀貨一枚からだ。下がりすぎてこれ以上は供給が間に合わない。多少なら上げて構わない。
ポーション類は畑班の薬草制作時間が加算されるが、7日で薬草100個だったら7日×営業時間×銀貨一枚÷個数で銅貨5枚石貨6枚加算の計算になる。
あくまでお客様から利益を頂きすぎない処置だからそれ以下なら原価を割らなきゃ構わない。安すぎて供給が間に合わないとかはやめてほしいが。
あと、商品にはバーコードと言うものを貼って管理しているんだけど、コレを出すときに価格設定が必要になるんだ。出し方、登録方法はダミーコアに聞けば分かるから各階の獣人達にお願いするよ。フードコートはまた別な生産方法だね」
最大値段でも十分安いだろう。ウチは卸しや輸送費がないからかなり特別だ。
「しかし、それでは時間をかけて作ればドンドン値が上がってしまうのでは?」
獣人、サクラが質問する
「いい着眼点だ。その通り、良いものは時間をかけて作ってくれて構わない。が、なんでもそれだけになっては売れない。売れなきゃ給金が払えない。先ほどロードンにも言ったろ?下級から上級まで商品を揃えて欲しいんだ」
良い商品。元の世界でも高級ブランドとはしっかりとした素材で作りもしっかりしている。ブランドがブランドである為には、そう言う細部にこだわらなきゃいけない。それで高くなるのは仕方ない。それだけ手間暇かけて作りあげるのだから。
しかし、それだけでは幅広いお客様のニーズには答えられない。ニーズは需要って意味ね。今だけ使いたい。間に合わせでいいってお客様もいる。俺は幅広く提供したい。ブランドの誇りはあっても奢りはいらない。安い商品を置くには効率化が優先される。工場大量生産なんかが上げられるが、ここじゃ在庫を余してしまうので、移送手段が確立してからでいい。
「最後に集客のプランだ。毎月第3星曜日に屋上でなんかしらのイベントをやろうと思う。劇団を招いてもよし、大道芸でも、各階の死に筋商品の処分セールでもいい。それらはイリム、サリアを中心に接客班、フードコート班に任せる。屋台村とかでもいいぞ」
いわゆるシャワー効果を狙う戦略だ。デパートの屋上でイベントをやり、集まったお客様が徐々に下の階を見て帰ると言い手法。今はあまりやられていないが異世界なら新鮮だろう。
今はデパ地下なんかがメジャーだろう。前者がシャワーと呼ばれるのに対して後者は噴水効果と言う。初めは考えたけど、肉や魚、乳製品、寧ろ野菜類以外が集められないから断念した。いずれ入手出来るならやろう。
「畏まりました。精一杯務めさせて頂きます」
「うん、イリム頼んだよ」
「さて、あとはないかな?」
「あの〜私はどうすれば……」
デュラハンのミッシェルが申し訳なさそうに訪ねてくる。
「ミッシェルはこの後で俺と来てくれ。他の物はイリム達と自分たち持ち場を確認後、作業に入ったり訓練を始めてくれ!一週間後には改装オープンするので、それまでに売り場を埋めるようお願いする」
声をかければ皆んな一斉に動きだした。うん。いい感じだ。
俺はミッシェルと地下一階に来ている。畑は地下二階に広くあり、ここはそのうちデパ地下をやるためのブースだ。
地下一階の壁に部屋を作る。更に各階に監視カメラを設置し、その部屋をモニターで埋め尽くす。
「ミッシェルの仕事は基本的にここで見張りをする事だ。ただし、見張るのはなにも外部から来る人だけじゃない」
「え?」
ミッシェルが変な声を出す。
「勿論、万引きや強盗、揉め事なんかを見張る役割はある。あと、スタッフの不正も見張って欲しい」
「な、なんで…」
「人が増えれば良くない事を考えてしまう人もいるって事だ。どんないい人でも魔がさす事もある。レジから金を抜く、商品の横流し、備品の横領などが主かな?嫌な役割だと思うが大切な事なんだ。不正をさせない為に見張るのは、その人の為でもある」
不正は疑われるのも嫌だが疑うのも嫌な仕事だ。それに起こってしまったら取り返しがつかない。軽い不正でも職場に居づらくなって辞めてしまうだろう……同じ職場にいる仲間として、そんな事はさせてはいけない。だから見張るのは大切なんだ。する奴を捕まえる為じゃない。させない為の見張りだ。
「分かりました。頑張ります」
「あまり、気張らないでくれ。精神的に疲れる仕事だから。休みたい時は休むんだ。画像は二週間録画で見返せるからな」
元の世界法律じゃ保存義務が確か一週間あったはず。二週間もあればなんとかなるだろ。
コレで全員に仕事を振り終えた。
しかし、俺にはまだやる事がある。




