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おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
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第17話 魔法を覚えたい!


「なぁリリス。俺にも魔法って使えるかな?」



せっかく異世界に来たんだから異世界っぽい事してみたいじゃないか。オタクだった後輩程じゃないが、現実になってしまったなら多少期待はしている。



「魔力があるなら使えると思うが。適正は…分からないな。冒険者ギルドに調べに行こうか」


「適正って?」


「人によって適正属性があるんだ。属性は雷、火、水、風、土の五大属性に無属性。あと回復魔法が使える神聖属性がある。私は水、風、無属性が使えるな。人によっては複数使えたりするが、大抵2〜3属性の適正でその中でも得意、不得意があるな。種族によって得意な傾向もあるな。例えばエルフなら風と神聖属性とか獣人は魔法に向かないから無属性しか使えなかったりする。人族は結構まばらだな」


「時空間や重力は無属性は?」


「時空間…失われた属性だな。昔はあったらしい。重力と言うのは聞いた事がないな」



重力の概念がないのか?使えたら便利だと思うんだけどな…しかし…



「時空間がない?アイテムポーチとか誰が作ったんだ?」


「大半がダンジョンで見つかる秘宝(アーティファクト)だな。あとは大昔の賢者が作ったとされる」



ダンジョン産か。イヴも材料さえあれば魔道具も作れるって言ってたな。今度聞いてみよう。


今イヴには収支計算書を任せていてポケットにはいない。スマホの姿でどうやるのかって言ったらケーブルでPCと繋げてるのだ。ちなみに空中に浮けるので一人?一台でも移動可能だ。


さっそく冒険者ギルドに行ってみる。こう言う時近いと便利だ。何かと依頼する事もあるし。


中に入ると厳ついオッサン達が壁にかかってる依頼書見たり、テーブルについて酒を飲んだりしている。女性は少ない。ビキニアーマーとか着ている人は皆無だ。


アレって魔法とかで防御するんだろうけど裸で着る意味が分からない。恥ずかしいなら下に何か着ればいいのに。今ならウチのアテナの服をお勧めする。防御力もあるからピッタリだ。もし、ビキニアーマーを着ている人がいたら、それは露出狂の人だと思う。


それは置いといて、魔法適正を調べる為、受付カウンターの女性に話しかける。



「こんにちは」


「こんにちはトール様、いらっしゃいませ。本日はご依頼ですか?」



魔物討伐依頼を何度も出しているので冒険者ギルドでもそれなり顔なじみの職員さんがいる。今いる受付嬢さんもその一人だ。いつもリリスに任せっぱなしじゃないんだよ。大概任せるけど。



「いえ、今日は魔法適正を調べたくて来ました」


「適正ですか?だいたいの方は幼少の頃に調べるものだと思っていましたが」


「田舎育ちなもので、お恥ずかしい限り今まで調べてなかったのですよ」


「そうでしたか、では魔法適正を調べるのは銅貨一枚です。冒険者登録と一緒にするなら適正を調べるのは無料になるます。代わりに登録料が銀貨一枚かかりますがどうされますか?」


「魔法適正だけで結構ですよ」



そういって銅貨一枚を受付嬢さんに差し出す。スクランブルで利益がでているんだ。無理に危険な事をするつもりはない。異世界無双にも興味はない。



「畏まりました。少々お待ち下さい」



そう言って奥から水晶玉を持ってくる受付嬢さん。



「お待たせしました。此方に手を当てて下さい」



言われるままに水晶玉に手を当てる。すると水晶が淡い黄色の光を出している。



「トール様は雷と無属性をお持ちのようですね。適正検査は以上になります」


「ありがとうございます。ところで、受付嬢さんウチで働く気はありませんか?貴方ほど接客が出来るなら是非ウチに来て欲しいのですが」


「お誘いをありがとうございます。ですが私も此処の仕事が好きですから」


「いやいや、素敵な方だ。給与は悪くないので、その気になったら是非」


「ありがとうございます」



ニッコリ笑って俺の勧誘を受け流す受付嬢さん。う〜ん、出来る。この人欲しいんだけどな…



「おいおいトール。ウチのを誘惑するんじゃねーよ」



後ろから声を掛けられる。そこに居たのは冒険者ギルドのギルドマスターだ。


ギルドマスターは小柄で長い顎髭を携えている。ドワーフだ。ハンマーが似合いそう。


「はは、いつでも優秀な人材を求めるは当たり前の事ですよ」


「しれっとしやがって。はたから見たらナンパしてるようにしか見えねえぞ?お前の場合は純粋な勧誘だろうがな」



おぅ!ナンパなんか恥ずかしくてやってられるか!仕事の事以外だと上手く喋れないんだよ俺は。



「まぁそうですね。商人ですから変な噂が立つのは避けたいですね。ただ私は独り身ですからまだいいかもしれませんね」


「幼女趣味よりはマシか」


「サリアは娘みたいなものですよ」


「名前が出たなら自覚あるだな?」


「いえいえ、私は色気がある女性が好みですよ。可愛い系の女性は微笑ましくなりますが、どうもそっちは考えられないですね」


「ドワーフの女をバカにするのか?」


「もうそんな事いってないじゃないですか…」



ドワーフの女性は幾つ歳をとっても見た目が可愛らしく小柄で、はたからみたら幼女に見えなくもない。



「お二人とも何の話をしているのですか?仕事の邪魔です」


「「はい」」



受付嬢さんに怒られてしまった。退散し、ギルドマスターと別れ店に帰る。


リリスの作業場に向かい改めて魔法について聞く。



「雷と無属性か。雷はなかなか居ないのだぞ?」



そうなのか?まぁ電気を使う概念がないから馴染みがないのかも知れないなぁ。そういうのも関係あるのだろうか?



「では、少し練習しようか。魔法は三段階で発動する。詠唱で魔力を循環させて、魔法名でイメージを整え、発動する順番だ。魔力循環が上手くなれば詠唱はいらなくなるし、イメージと発動が上手く出来れば魔法名もいらない。詠唱破棄と無詠唱と言われるな。先ずは魔力を感じてみてくれ」



そう言って俺の背中に手を当てるリリス。ボンヤリ背中が暖かい。肌の温もりじゃなく、なんかヒーターであっためられてる感じ。



「どうだ?分かるか主人殿」


「なんとなく」


「ではそれを体内で循環させてみてくれ」



いや、循環させてくれってそれ詠唱でやる作業じゃないの?教え方下手なのか?


まぁ詠唱とか覚えるの大変そうだから固定概念がつく前に無詠唱を覚えてしまおうか。すんなり行くとは思えないが詠唱破棄くらいは……


循環……体内で循環……血液のイメージ?この暖かいのがゆっくり全身を巡るイメージ……


身体がほんのり暖かくなるのが分かる。これが循環かな?



「主人殿!ストップ!ストップだ!」



へ?いい感じだと思ったんだけどなんかまずかった?



「魔力が多すぎる。それで魔法をつかったら作業場が壊れてしまうだろ」



おろ?多すぎたの?俺、魔力チート系?



「そんな全身に循環させなくても掌だけでいい。そんな事したらすぐ魔力枯渇になってしまうぞ」



あっ、そんな感じか。チートでもなんでもないのね。ちょっと期待しちゃったじゃないか。


言われた通りに掌のみに魔力循環をする。



「そう、そのまま魔法名を唱えれば魔法が発動する。……と言うか詠唱破棄できてるじゃないか!」



知らなねえよ?詠唱習ってないじゃん。ってか魔法名も知らないよ?適当に電気っぽいの言ったら発動するかな?でも、あまり派手な名前だと危なそうだから……



「スタンガン」



俺の指の間を電撃が走る。


おー出来た出来た。やれば出来るもんだな。



「なん……だと…」



リリスが驚いている。何かしたか俺?ってかそれ知ってるの?俺は知らないよ元ネタ。



「主人殿……今貴方が何をしたか理解しているのか?」


「全然。何かまずかった?」


「主人殿は今、魔法を作ったのだぞ⁉︎」


「へ?魔法ってこんな簡単に作れるの?」


「そんな訳あるか!熟練の魔導師が更に何年、何十年かけて研究してやっと一つ出来るか出来ないかだ!新しい魔法が出来れば歴史に名前が残る偉業だぞ⁉︎」


「マジすか⁉︎」



俺…偉業達成しちゃったよ……


まぁ冗談はさて置き、この世界の魔法はイメージが大事なのだろう。魔法名は発動のきっかけとイメージの固定化にしか過ぎない。詠唱だって魔力循環の補助だって分かってるんだから別に不思議じゃないんじゃないかな?


それをリリスに伝えて実践させると



「私が今まで読み漁ってきた魔導書はなんだったんだ……」



だって。知らねぇよ?出来たんだからいいじゃないか。すぐ出来るリリスも凄いんだと思うよ?


そんなリリスの教え下手のお陰で、詠唱破棄と無詠唱、更に魔法作成が出来るようになりました。異世界ファンタジーっぽくていい日だった。明日は仕事しよう。

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