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おい異世界!商売舐めるなよ!  作者: クロアリ
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第15話 国王レオパルド


「こ、国王様が何故この様な場所に」


「なんだ?いちゃ悪いのか?」


「いえ、その様な事は……」


「じゃあなんだ?」


「………」



おぅ。横柄だった男が何も言えなくなってる。マジ国王なのレオさん?



「だいたいさっきから聞いてりゃお前何様だ?王様か?ならちょっと変わってくれよ。王様ってつまんねぇんだよ」


「いえ、恐れ多くてとても…」


「ちっ、根性ねぇなぁ。ってもお前みたいなのが国王やったらあっと言う間に国が傾くだろうがな」


「………」



苦虫を噛んだみたいな顔している。おいおい国王の前だよ。



「お言葉ですが国王様…これは私とこの者との話です。国王様には関係ないかと」



おおー国王相手に言い切った!バカここに極めたり!



「バカだろお前?民が害を被りそうならそれを助けるのは王の務めだ」


「害などとは心外な。私はこの者の持つ物を有効に使ってやろうと言っているのですよ」


「それが害だって言ってんだろバカが」


「まぁまぁ国王様。この辺で結構ですよ」



俺がレオさんを制止する。



「……いいのか?不敬罪で引っ張れるぞ?」



男達が顔を歪める。



「まぁ大丈夫ですよ。そちらの方、私の入手ルートは渡せませんが、店頭にある商品は誰が買われても同じ値段ですよ。買い占めてもらっても構いませんよ」


「………今回はそれで手を打ってやる」


「分かってませんね。これで手を打ってあげるのは私達ですよ?今回貴方は私達を暴力で脅そうとした。それを国王様に見られている。もし今後、私達に危害が加われば真っ先に疑われるのは貴方ですよ?」


「おぅ。実際やってようがなかろうが引っ張って牢屋にぶち込んでやるぜ」



レオさんが吠える。


男達は青ざめている。



「ご理解いただけましたか?今後私達に危害が及ばぬよう必死に他の商会を抑えて下さいね。で、それではあまりに酷いのでアラクネの服を売ってあげますよって事です」


「……分かった……」


「これに懲りたら暴力とかに頼らないように。商売舐めないで頂きたい」



こうして男達は店頭にあるアテナ製の服とローブを買い占めて行った。しめて金貨12枚と銀貨60枚である。こうしてみると白金貨って異常だな。



「よかったのか?在庫なくなって」



レオさんが心配してくれている。ありがたい事だ。



「ご心配には及びません。店頭商品を買い占めて良いと言いましたが、誰もアレで在庫が全てとは言ってません。イリム、アテナとリリスで手分けして補充してくれ」


「畏まりました」



颯爽と仕事へ向かうイリム。サリアはレジがまだあるので残ってもらう。



「お前さんも腹黒いな……」


「何がです?私は嘘言ってませんよ?」


「これじゃ彼奴の買って行った服は売れないだろう……」


「知りませんよ。彼の方が欲しいと言ったので売って差し上げただけですから」


「おぉ〜怖」


「レオさんのお陰でもう武力行使に来ることもないでしょうから安心ですね」


「そうそれ!俺がいなかったらどうするつもりだったんだ?」


「企業秘密です」


「……なぁ腹割って話さないか?場合によっちゃ他商会より先に騎士団と国が相手になるぞ?」



いつもの常連、レオさんとは打って変わって一国の王として威圧してくる。


ふぅ腹芸とか苦手なんだよ。誤魔化したりしないで真摯にお客様に向き合うのがポリシーなんだよ俺は。なお、客じゃない奴は除くもよう。



「アラクネの服やポーションは技術者を囲ってるんだろ?そんなのはどうでもいいんだよ。あの会計する箱はなんだ?あと魔道具でもない不思議な道具の数々…はっきり言って脅威だぜ」


「国に害しようとは思いませんのでご安心を。害するつもりならば売らずに秘匿しますよ」


「お前さんの事はこの一週間見ていてそんな奴じゃない事は分かってる。これでも一国の王だ。人を見る目はあるつもりだ。でも国を預かる身として、真実が知りたい」



はぁ憂鬱だ……国に目をつけられるとか面倒な事は避けたかったんだが……



「…レオさんの心だけに留めて置けますか?」


「…内容による」


「広まるようなら国を出ます」



街じゃない。国を出る。



「待て待て!それは敵になるって事か⁉︎」


「状況によってはそうなる可能性があるという事です。私としても軌道に乗った店を手放すのは不本意ですし、サリアとの約束を果たせないのも心苦しいので避けたいのですが……」


「分かった。約束する。俺だけの秘密にしよう」


「ご理解感謝いたします。ではイヴ」


「はいマスター」



ポケットからイヴを取り出す。



「それは……なんだ?」



レオさんが驚いた顔をしている。



「ダンジョンコアのイヴと申します」



イヴが自己紹介する。



「ダンジョンコア⁉︎」


「はい、ダンジョンコアです」


「マスターは…トールなのか?」


「はい、私がマスターですね。ついでに私は異世界人です」


「ちょちょっと待て……異世界人でダンジョンマスター?…勇者なのか?」


「いえいえ、召喚された訳ではなく気付いたらこの世界にいた感じですね。私のいた世界では魔法がなく、代わりに科学と言うものが発達しておりました。ウチの雑貨はその科学を用いた品々なのですよ。私自身はあちらの世界でなんの変哲も無い一般人でしたから、軍事に用いる様な知識はありませんよ」


「そうなのか…?いや、代々の勇者達はそれでも様々知識で戦況を好転させていた。何が脅威になるか分からんぞ」


「はぁ〜しかし、私は商売で生活が出来れば良いので出来ればほっておいて欲しいのですが……もし、この国が何らかの脅威に見舞われるような協力しますから」


「それならば大丈夫だろ。家臣達にもこの店に手出しする事を禁じ、この店に手出ししようとする者がいれば罰しよう。代わりに勝手にこの国から出る事を禁じる」


「信用出来る方のみにして下さいね。大抵の事は此方で処理出来ると思いますので。勝手にじゃなければ出てもいいでしょうか?仕入れとかの都合で出なくてはいけないこともあると思うのです。拠点を変えるつもりはないのでご安心を」


「そのくらいならば構わない。騎士団にでも報告してくれれば外出は許可しよう」


「ありがとうございます。呉々も内密にお願いしますね」


「言えないだろこれ。混乱で街がきえるぞ」


「そこまでですか?」


「希望の象徴が災厄の象徴として街に出現したって言ったら通じるか?」


「よく分かりませんね。私はそんな強くありませんし」


「はぁ〜心臓に悪い」


「聞きたいって言ったのレオさんですよ?」


「ここまでの事だなんて思わなかったは!多少色々な知識を持った凄腕錬金術師とかそんなんだと思ったのに…ダンジョン産の異世界商品なんて…」


「お疲れ様です」


「誰のせいだ!」


「レオさんのせいですかね?」


「突いた藪が悪かったか…あぁさっき俺だけって言ったけど妻達と子供達、あと宰相にだけ話したい」


「信頼していいんですか?」


「悪いようにはしない。信じてくれ」


「はぁわかりました。広まって害が出たら私も強行手段にでますよ」


「絶対にならないから安心して欲しい」


「信じてますよ。明日もいらっしゃるので?」


「ダメか?」


「いえ、用事は済んだからもういらっしゃらないのかと思いまして。レオさんが来てくれるのは私も嬉しいですよ。何か買ってくれるともっと嬉しいですが」


「はっはぁ。国王相手でも変わらんか」


「私にとってお客様は皆神様ですよ。今後もご贔屓にお願いします」


「あぁよろしく頼む」



こんなトラブルがあったが、今日もスクランブルは平常運転。何があってもお客様に損をさせないのも商人の矜持だと思っている。


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