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Ⅰ
しろいへや。
しろいみち。
しろいひと。
しろのなかにいる、いろ。
イロがあるのは、ぼくたちだけだった。
イロがあるけど、みんな’’シロ‘‘になっていっちゃった。
’’シロ‘‘になるのはびょうきだっていわれた。
いつ’’シロ‘‘になるのかな。
こわかった。
あるひ、ぼくのまえにキンイロがいた。
キンイロといたら、むねがホカホカした。
こんなこと、なかったから
すこしこわかった。
でも、あのホカホカをもっとほしくなった。
だから、ずっとキンイロといたかった。
おはなしできないけど、キンイロといたかった。
「ふぃおね‥‥」
キンイロをふぃおねとよんだら、おはなししてくれるかも。
だからずっと、ふぃおねをよぶ。
そしたら、ギンイロがでてきた。
ギンイロは、ぼくとおはなししてくれた。
ホカホカがふえた。
だけど、
せんせえはギンイロと会っちゃダメっていった。
ギンイロといたらびょうきなおらないって。
「れび‥‥あいたいな」
でも、ギンイロとはあえない。
これが、サビシイってこと?
「れび‥‥‥れび‥」
ぼくは‥‥
しにたくないよ‥‥‥。