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循環の理  作者: 生クリーム王子
第一章 辺境の少年

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第3話 流行り病

 翌朝、村の中心にある集会所に、村人たちが集まっていた。

 ギデオン村長が招集をかけたのだ。急な呼びかけだったが、村長の言葉には重みがある。みんな、真剣な顔で集まってきた。

 僕も、両親と一緒に集会所に来ていた。

「みんな、集まってくれてありがとう」

 村長が、前に立って話し始めた。

「今日集まってもらったのは、大切な話があるからだ。近々、この村に疫病が流行る可能性がある」

 ざわめきが広がった。

「疫病だと?」

「本当か、ギデオン殿?」

「どこから、そんな情報が?」

 村長は、手を上げて静めた。

「確かな情報ではない。だが、用心に越したことはない。今から言う対策を、全員に守ってもらいたい」

 彼は、昨夜読んでいた古い本を開いた。

「まず、井戸水は必ず煮沸してから使うこと。食事の前には手を洗うこと。病人が出た場合は、すぐに隔離し、看病する者も最小限にすること」

 村人たちは、真剣に聞いていた。

「それから、家の中を清潔に保つこと。特に、寝具は日光に当てて干すこと。これらは基本的な衛生管理だが、疫病を防ぐには効果的だ」

「ギデオン殿、しかし——」

 村の年配の男性が、手を上げた。

「井戸水を全部煮沸するとなると、薪がいくらあっても足りませんぞ」

「その通りだ。だから、村の若い者たちで森に薪を取りに行く。今日から三日間、総出で薪を集める。女たちは、家の掃除と寝具の手入れを頼む」

 村長は、一つ一つ指示を出していく。

 組織的で、効率的だ。さすがは元冒険者。こういう時の指揮には慣れているのだろう。

「それと——」

 村長は、僕の方を見た。

「これらの対策を教えてくれたのは、エリオだ」

 え?

 突然名前を呼ばれて、僕は驚いた。周囲の視線が、一斉に僕に集まる。

「エリオが、予知夢を見たと言ってきた。村に疫病が来る、と。私はそれを完全に信じたわけではないが、備えあれば憂いなし。少年の警告を無駄にはしたくない」

 村人たちが、ざわめいた。

 中には、懐疑的な目で僕を見る者もいる。当然だ。子供の夢の話など、普通は信じられない。

 でも——

「エリオは、昨日魔法を使えるようになった。一日で、だ。それだけの才能があるなら、予知夢を見ることもあるかもしれん」

 村長の言葉に、ざわめきが変わった。

「一日で魔法を?」

「本当か、それは?」

「ああ、私も見た。リーシャの家で、鹿の傷を治していた」

 リーシャの父、ガルスさんが証言してくれた。

「本物だ。あれは確かに、治癒魔法だった」

 村人たちの目が、少しずつ変わっていく。

 懐疑から、興味へ。そして、期待へ。

「まあ、エリオちゃんが魔法使いに?」

「すごいじゃないか!」

「うちの息子も、魔法使いになれるかしら?」

 話が逸れていく。村長が、もう一度手を上げた。

「とにかく、今は疫病対策だ。エリオの予知夢が当たるかどうかは分からんが、準備をしておこう。いいな?」

「はい!」

 村人たちが、一斉に答えた。


 集会が終わると、何人もの村人が僕のところに来た。

「エリオ、本当に予知夢を見たのかい?」

「どんな夢だったんだ?」

「私たちは、大丈夫かね?」

 質問攻めに遭って、僕は困惑した。

「あの、その……夢の内容は、はっきりとは覚えてなくて……」

「でも、疫病が来るって分かったんだろう?」

「は、はい……」

 どう答えていいか分からない。嘘をついているという罪悪感が、胸を締め付ける。

「みなさん、エリオを困らせないでください」

 リーシャが、割って入ってくれた。

「予知夢って、曖昧なものなんでしょう? 細かいことを聞いても、分からないと思いますよ」

「そうだな、すまないエリオ」

「いや、こっちこそ……」

 村人たちは、それぞれの持ち場に散っていった。

 薪を集める組、家を掃除する組、井戸の管理をする組。みんな、真剣に動いている。

 僕の一言が、村全体を動かした。

 その重さに、改めて気づいた。

「エリオ、大丈夫?」

 リーシャが、心配そうに僕を見ている。

「うん……ちょっと、驚いただけ」

「そうだよね。急に注目されちゃって」

 彼女は、僕の手を取った。

「でも、エリオは正しいことをしてるよ。もし本当に病気が来たら、みんなを救えるんだから」

「もし、来なかったら?」

「それでも、村がきれいになるし、衛生的になるんだから、いいことだよ」

 リーシャは、いつも前向きだ。

 その明るさに、何度救われただろう。

 六年前も——いや、六年後の記憶でも。

「ありがとう、リーシャ」

「ん? 何が?」

「いつも、支えてくれて」

「……なにそれ、急に」

 リーシャが、顔を赤くした。

「変なこと言わないでよ。私たち、ずっと一緒じゃん」

「そうだね」

 ずっと一緒。

 その言葉が、胸に染みた。

 僕は、この子を守りたい。

 何度でも、そう思う。


 それから三日間、村は慌ただしかった。

 男たちは森で薪を集め、女たちは家の掃除と洗濯に追われた。子供たちも、自分の寝具を干したり、家の手伝いをした。

 僕も、薪集めを手伝った。

 父さんと一緒に森に入り、倒木や枯れ枝を集める。十二歳の体では、重い丸太は運べないが、小さな枝を集めることはできる。

「エリオ、無理するなよ」

「大丈夫だよ、父さん」

 父さんは、汗を拭いながら笑った。

「お前が予知夢を見たって聞いて、驚いたよ。うちの息子は、やっぱり特別なんだな」

「そんなことないよ……」

「謙遜するな。ギデオン殿も、お前の才能を認めてる。きっと、立派な魔法使いになれるさ」

 父さんは、僕の頭を撫でた。

 大きな、温かい手。

 この手が、六年後——戦争で失われる。

 そうさせないために、僕は今、ここにいる。

「父さん」

「ん?」

「僕、父さんとお母さんを守りたい」

 父さんは、少し驚いた顔をした。

「急にどうした?」

「ただ……そう思っただけ」

「はは、守られるのは俺たちの方だろう。まだまだ、お前は子供なんだから」

 父さんは、また笑った。

 でも、僕は子供じゃない。

 少なくとも、心は。

 十二歳と十八歳。両方の自分が、この体の中にいる。

 それが、どれだけ奇妙なことか。

 でも、それを誰にも言えない。

「さあ、もう少し集めたら帰ろう。お母さんが、夕飯を作って待ってるぞ」

「うん」

 僕は、また枝を拾い始めた。


 四日目。

 村の準備は、ほぼ完了していた。

 薪は各家に十分な量が配られ、井戸水の煮沸も習慣化され始めた。家々は掃除され、寝具は清潔になった。

 村長の指示のもと、村全体が一つになって動いた結果だ。

 そして——五日目の朝。

 それは、起きた。

「ギデオン殿! 大変です!」

 早朝、村の若者が村長の家に駆け込んできた。

 僕も、たまたまその場にいた。朝の魔法の練習のために、村長の家を訪れていたのだ。

「どうした、トム?」

「東の農家で、三人が高熱を出しています! 昨夜から急に!」

 村長の顔が、引き締まった。

「……来たか」

 彼は、すぐに立ち上がった。

「トム、他の家も回って確認しろ。発熱している者がいないか。エリオ、お前もついてこい」

「はい!」

 僕たちは、村を駆け回った。

 そして——分かった。

 村の東側で、十人以上が発熱していた。症状は、記憶の通りだ。高熱、倦怠感、咳。

 流行り病が、来た。

 僕の予知夢が、現実になった。


村長は、すぐに対策本部を立ち上げた。

 集会所が、病人の隔離所になった。発熱した村人たちは、そこに集められ、看病する者も交代制で決められた。

「みんな、落ち着いて聞いてくれ」

 村長が、集まった村人たちに向かって言った。

「エリオの予知夢は、本当だった。しかし、我々は準備をしてきた。だから、この疫病を乗り越えられる」

 彼の声には、力があった。

「煮沸した水を飲ませること。患者には近づきすぎないこと。看病した後は、必ず手を洗うこと。これを守れば、感染は最小限に抑えられる」

 村人たちは、頷いた。

 不安そうな顔をしている者もいたが、パニックにはなっていない。準備をしていたことが、心の余裕を生んでいた。

「エリオ、お前は治癒魔法が使えるな?」

「はい、少しだけですが」

「患者を診てやってくれ。完全に治せなくても、症状を和らげることができれば、それだけで助かる命がある」

「分かりました」

 僕は、隔離所に入った。

 そこには、十数人の患者が横たわっていた。

 知っている顔ばかりだ。

 向こうにいるのは、農夫のミラーさん。いつも冗談を言って、僕を笑わせてくれる人だ。

 あそこにいるのは、クレアさん。優しい、村のお母さん的存在。

 記憶の中では、クレアさんは——この病気で、亡くなった。

「クレアさん」

 僕は、彼女のベッドに近づいた。

「あら……エリオちゃん……」

 彼女は、か細い声で答えた。顔色が悪く、額には汗が浮いている。

「大丈夫ですか?」

「ええ……大丈夫よ……ちょっと熱があるだけ……」

 強がっている。でも、体は正直だ。

 僕は、彼女の手を取った。

「治癒魔法を使ってみます。少しでも、楽になれば……」

「まあ、エリオちゃんが魔法を? すごいわね……」

 彼女は、弱々しく微笑んだ。

 僕は、目を閉じた。

 深く呼吸をして、魔力を集中させる。

 体の中を流れる暖かい川を感じ、それを手のひらに集める。

 そして、クレアさんの体に流し込む。

 生命の循環。

 病に侵された体が、回復しようとしている。その力を、ほんの少しだけ後押しする。

 手のひらが、温かくなる。

 魔力が、流れていく。

 でも——

 すぐに、限界が来た。

 魔力が、底をついた。

「っ……」

 僕は、手を離した。

 クレアさんの顔色が、少しだけ良くなった気がする。でも、完全に治ったわけじゃない。

「ありがとう、エリオちゃん……少し、楽になったわ……」

「すみません……もっと、ちゃんと治せたら……」

「いいのよ。十二歳の子が、ここまでできるだけで十分すごいわ」

 クレアさんは、僕の頭を撫でた。

「ありがとうね」

 僕は、次の患者のところへ行った。

 一人ずつ、治癒魔法をかけていく。

 でも、魔力はすぐに尽きる。十二歳の体では、魔力の総量が少なすぎる。

 三人目で、もう限界だった。

 くらくらする頭を抱えて、僕は集会所の外に出た。

「エリオ! 大丈夫?」

 リーシャが、駆け寄ってきた。

「魔力を使いすぎたんだ……ちょっと休めば、大丈夫……」

「無理しないでよ! 倒れたら、意味ないんだから!」

 リーシャは、僕を木陰のベンチに座らせた。

「はい、水」

 彼女が差し出した水筒から、水を飲む。

 冷たい水が、喉を潤す。

 少しずつ、頭がはっきりしてきた。

「エリオは、すごいよ。みんなのために、がんばってる」

「でも……全然足りない。僕の魔力じゃ、三人しか治せない」

「三人でも、すごいことだよ。誰も責めてないよ」

 リーシャは、僕の隣に座った。

「私も、何かできることないかな」

「リーシャは、看病を手伝ってるじゃないか」

「でも、もっと……」

 彼女は、悔しそうに拳を握った。

「魔法が使えたら、エリオみたいに人を助けられるのに」

「リーシャにも、才能はあると思うよ。訓練すれば——」

「でも、今じゃないでしょ? 今、病気で苦しんでる人がいるのに」

 彼女の言葉が、胸に刺さった。

 そうだ。

 今なんだ。

 今、助けなければいけない。

 でも、僕には力が足りない。

 十二歳の体では、限界がある。

 くそ——

「エリオ」

 村長の声がした。

 振り向くと、彼が立っていた。

「無理をするな。お前は、よくやっている」

「でも、もっと——」

「お前一人で、村を救えるわけじゃない。みんなで協力するんだ」

 村長は、僕の肩に手を置いた。

「お前の予知夢のおかげで、我々は準備ができた。それだけで、十分に村を救っている」

「……本当に、そうでしょうか」

「ああ。もし準備がなければ、もっと多くの人が感染していただろう。もっと多くの人が、重症化していただろう」

 村長は、隔離所の方を見た。

「お前は、すでに多くの命を救っているんだ、エリオ」

 その言葉が、少しだけ、僕の心を軽くした。


 それから一週間。

 村は、病気との戦いを続けた。

 患者は、最終的に三十人を超えた。村の十分の一だ。

 しかし、準備をしていたおかげで、感染の拡大は抑えられた。隔離、煮沸、衛生管理——全てが効果を発揮した。

 僕も、毎日隔離所に通った。

 魔力が回復したら、また治癒魔法をかける。一日に三人、多くて五人。それが限界だった。

 でも、それでも——やらないよりはマシだった。

 そして、十日目。

 最初の患者が、回復した。

 ミラーさんだ。

「おお、エリオ! すっかり元気になったぞ!」

 彼は、ベッドから起き上がって、僕に手を振った。

「良かった……本当に、良かった……」

「お前の魔法のおかげだ。ありがとうな」

「いえ、僕なんて大したことは……」

「謙遜するな。お前は、英雄だ」

 英雄——

 そんな大げさな。

 でも、ミラーさんだけじゃない。他の患者たちも、次々と回復していった。

 二週間後には、ほとんどの患者が退院できた。

 そして——

 死者は、一人も出なかった。

 クレアさんも、無事に回復した。

 記憶の中では、彼女は死んだはずだった。

 でも、今回は——生きている。

「エリオちゃん、本当にありがとう」

 退院する日、クレアさんが僕を抱きしめた。

「あなたのおかげで、私は生きていられる」

「いえ、僕は……」

「いいえ、あなたよ。あなたの予知夢が、村を救ったのよ」

 彼女の目には、涙が浮かんでいた。

 僕も——泣きそうになった。

 変えられた。

 未来を、変えられたんだ。


 その夜、僕は一人で村の外れの丘に座っていた。

 ここからは、村全体が見渡せる。

 家々の明かりが、夜空に浮かんでいる。

 平和な光景。

 二週間前まで、僕は不安だった。

 本当に未来を変えられるのか。

 自分の行動に意味があるのか。

 でも——今、答えが出た。

 変えられる。

 未来は、変えられるんだ。

 クレアさんは生きている。他の村人も、みんな無事だ。

 記憶の中の未来とは、違う結果になった。

「やった……やったぞ……」

 小さく、呟いた。

 涙が、頬を伝った。

 嬉しさと、安堵と、そして——少しの恐怖。

 もし未来を変えられるなら、責任も大きい。

 これから何をするか、どう選択するかで、多くの人の運命が変わる。

 それは、重い。

 でも——

「エリオ」

 声がして、振り返った。

 リーシャが立っていた。

「やっぱり、ここにいたんだ」

「リーシャ……どうして?」

「なんとなく。エリオ、最近よくここに来るから」

 彼女は、僕の隣に座った。

「村、無事だったね」

「うん」

「エリオのおかげだよ」

「みんなのおかげだよ。村長も、みんなも、協力してくれたから」

「でも、始まりはエリオだった」

 リーシャは、夜空を見上げた。

「ねえ、エリオ。予知夢って、また見るの?」

「……分からない」

 本当は、見ていない。僕は、未来の記憶を持っているだけだ。

 でも、それは言えない。

「もし、また見たら教えてね」

「どうして?」

「だって、私も手伝いたいから。エリオ一人に、全部背負わせたくない」

 リーシャは、僕の方を向いた。

「私たち、友達でしょ? 友達なら、一緒に戦うものだよ」

 一緒に戦う——

 その言葉が、温かかった。

 そうだ。

 僕は、一人じゃない。

 リーシャがいる。村長がいる。父さんも、母さんも、村のみんなもいる。

 一人で全部背負う必要はない。

「ありがとう、リーシャ」

「ん。どういたしまして」

 彼女は、笑った。

 その笑顔を見て、僕は改めて思った。

 この笑顔を、絶対に守る。

 六年後の戦争まで、まだ時間がある。

 その間に、できるだけのことをしよう。

 力をつけて、準備をして、そして——戦争そのものを、止めてみせる。

 それが、二度目の人生を生きる、僕の使命だ。


 翌朝。

 村は、祝祭ムードだった。

 疫病を乗り越えたことを祝う、小さな宴が開かれた。

 集会所に、村人たちが集まる。

 簡素だが、心のこもった料理が並ぶ。

「さあ、みんな! 乾杯だ!」

 村長が、杯を掲げた。

「この疫病を乗り越えられたのは、村全体の協力のおかげだ。そして——エリオの予知夢のおかげだ!」

 みんなの視線が、僕に集まった。

「エリオ、前に出なさい」

 村長に促されて、僕は前に出た。

 緊張で、足が震える。

「この少年が、村を救った。十二歳にして、予知夢を見、治癒魔法を使い、我々に警告をくれた。村の英雄だ!」

 拍手が起こった。

 大きな、温かい拍手。

 恥ずかしくて、顔が熱くなった。

「エリオ、何か一言」

「え、えっと……」

 何を言えばいいのか、分からない。

 でも——

「僕は、ただ……みんなに、生きていてほしかっただけです」

 正直な気持ちを、口にした。

「この村が好きで、みんなが好きで。だから、守りたかった。それだけです」

 拍手が、また起こった。

 村長が、僕の肩を叩いた。

「良い心がけだ。その気持ちを、忘れるな」

「はい」

 宴は、夜遅くまで続いた。

 久しぶりに、村全体が笑顔に包まれた。

 僕も、リーシャや他の子供たちと一緒に、楽しんだ。

 でも、心の片隅には——まだ、不安があった。

 これから、どうなるんだろう。

 流行り病は防げた。

 でも、六年後の戦争は?

 そして、僕がまた死んだら——また、12歳に戻るのか?

 それとも、今度は違う結果になるのか?

 分からないことだらけだ。

 でも——今は、考えないようにしよう。

 今は、この幸せを噛みしめよう。

 未来のことは、未来の自分が考えればいい。

 今の僕は——ただ、この瞬間を生きる。

 リーシャの笑顔を見て、村人たちの笑い声を聞いて、温かい料理を食べて。

 それだけで、十分だ。

 少なくとも、今は。

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