天才魔法使いエリックは語る
現代と魔法の入り混じったような世界があったらいいなーという妄想、好きな作品を真似てエッセイ風にやってみました。
突発なので続きはありません。
第1回
みなさんこんにちは!
たぶんだけれども、この週刊誌、『魔導とともに生きる』の読者たちは、これをきっと朝か昼ごろに読んでいるんじゃないかなと思っているので、最初の挨拶はこんな風にしてみた。こんばんはと言うのはちょっと違和感があるからね。
なにせ本誌『魔導とともに生きる』のコーナーをひと通り読ませてもらったときの感想として、あまりにも華やかで楽しげというか、キラキラして太陽みたいなものだとボクは強く感じたからだ。
水、風、草魔法のエキスパートであるアリスさんの『魔法でかんたんガーデニング』だったり、実力と人気の両方を兼ね備えた、有名インフルエンサーであるコナーさんの『今話題のトレンド魔法』だったり。
全てのコーナーでの共通点みたいなものを作ろうとするならば、魔法を使える人たちが、いかにそれを活用して日常を前向きで豊かなものにするか。そんな感じになるだろう。
だからこそ、ただ魔法でドンパチやるくらいしかできることのない戦闘魔法使い(自分でいうのもなんだか変だが)であるボクがここで文章を載せるようなことになったのは、なかなか不思議な縁もあるんだなと考えさせられる。
「戦闘魔法についてのことを協会に所属する本人から面白おかしく語ることで、界隈の更なる人気に繋がる!」
なんて出版社の人からは言われているが、そもそもかなり人気の職業でもあるし、強い魔法使いというのは多くでは憧れの対象でもあるというのがボクの持論だ。
魔法を用いた戦闘に興味のある人とない人、それぞれで棲み分けができている今の状態は理想に近くて、人気が出過ぎるのもなんだかな〜と考えていたりしている。
いきなり専門的な話なんてしだしたらボクだって違和感をもつから、一旦自己紹介に入ろうか。
エリック・ガードナー、魔法戦闘協会でBランクに位置する魔法使いで、得意な魔法は風と水、固有魔法もいくつか持っている。
まず中には協会について詳しく知らない人も多いだろうから、今回はそれについて簡単に説明しておく。
各国にはそれぞれで最も強い魔法使いである大魔導士が存在していて、このデザール国では《純白の大魔導士》であるシノンさんがその役割だ。この人はさすがにみんな知っているはず。
もう結構お年だろうに、"純白"なんて名前に違和感がないのホントすごいよね、まだボクと同じ20代くらいに見えるよ。
で、その大魔導士がず〜っと死ぬまでそのままというわけではなく、毎年一度だけ、入れ替わり戦というものがある。
強さに応じてA、B、Cの3グループに分けられた中でも、Aでその年のランキング1位をとった魔法使いが、大魔導士に挑戦する権利を得るのだ。
彼女がその立場に長年いるということは、ひたすらそれに勝ち続けているということ。デザールの協会魔法使いなんてとんでもない化け物揃いなわけだけれども、その中でも突出してヤバいやつがシノンさんだ。たぶんあの人が世界で1番強いんじゃないかな〜
で、そんな中でも下のBランクにいて、そこでAにいけるかCに落ちるかと四苦八苦しているのがこのボク。
ちなみに今年は降格しないけれど昇格もない形だ、なんとも言えない。
これからはボクたちが魔法を極めるため常日頃から行なっている、魔法戦闘のあれこれや、平日や休日なにをしているかなんかを伝えることによって、野蛮だ(否定はしない)と言われているボクたちに対するちょっとばかしの偏見をとり除ければいいなと思っている。
場違いな内容だとは思うが、気分が向けばぜひ読んでほしい。
そしてもっと気が向けば、協会の魔法使いの戦闘をテレビやスタジアムで見てくれたらいいな、なんて。
相手を排除するためだけに振るわれる魔法というものをいくら嫌おうと、何かに必死な人たちの姿というのは、案外魅力に満ちているはずだ。
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著者紹介
エリック・ガードナー
魔法戦闘協会所属、ランクBの魔法使い。
〇〇〇〇年、デザール国カンム地方生まれの22歳。
歴代最年少で協会入りし、その記録はまだ破られていない。主に水と風の魔法を使いこなした攻めっ気のある戦法を扱う。無類のスイーツ好きとして人気を博している。
実績
⬜︎⬜︎年、王国杯ベスト8
⬜︎〇年、世界ジュニアトーナメント優勝
〇〇年、史上最年少にして固有魔法を会得
〇〇年、カンム大会準優勝
読んでくれて嬉しいです、評価や感想、批評もアドバイスもお待ちしてます。