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狐の末社  作者: 坪原 衣音


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幸せへの願い

「珍しいね。連絡も無しに、急に来るなんて。どーしたの?」

学校から帰ったらばかりの晴風は、部屋着のパーカーに着替えて、お菓子を頬張りながら、出てきた。

その間の抜けた晴風を見て、少し冷静になた。

晴風の反応が、こうなのは、納得できる。

いつも、連絡を取って、約束をしてから、遊びに行くのが、当たり前だった。

突然、ピンポンを押すことは、滅多にない。

ピンポンを押すことすら、殆どなくて、家の前に着くと、LINEで"着いたよ"とか、送って、出てくるのを待つのが、いつもだった。

だから、お菓子を持ったまま、飛び出してくるほどなのも、分かる。

自転車で、猛スピードで来たからか、息が上がっている。深呼吸をして、息を整え、美優は話した。

「急にごめんね。鮫川さんから、手紙届いてて。

ウチのポストに。晴風宛のも入ってた。すぐに渡したくて。」

「えっ!」

ポケットから、晴風の名前の書かれた封筒を、取り出して、渡した。

「ありがとう。」

晴風は、右手でお菓子を持ったまま、左手で手紙を受け取った。

右手のお菓子を口の中に放り込み、モグモグしながら、手紙を開けた。

そこには、美優の手紙に書かれていたことと、同じことが書かれているのと、晴風にした事への謝罪が書かれていた。

そして、もう一通、鮫川さんのお母さんからの手紙が、同封されていた。

そこには、娘のした事への謝罪と、一生罪を償わせながら生きていくこと、彼女を救ってくれたことへの、感謝がしたためられていた。

晴風は、玄関の階段に座り、時折、笑みを浮かべ、頷きながら、真剣に手紙を読んでいる。

その横に美優も腰掛け、自分宛の手紙を読み返した。

一通り読み終えると、晴風が口を開いた。

「なんか…うん。一区切り、着けられそう。」

「そっか。」

「勿論、きっと生きていく間に、どこかで思い出して、苦しくなることがあると思うし、許せなく思う日もあるも思うけど。

とりあえず…うん、大丈夫そう。」

「そっか。良かった。琴乃ちゃんも、新しい環境で、元気にやっていって欲しいね。」

「そうだね。頑張って欲しいね。」

「今頃、もう飛行機の中なのかな。」

「そうかもね〜。海外いいなぁ。」

そんな会話をしながら、空を眺め、これからの彼女の幸せを願った。

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