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その後
「終わったんだね。」
「うん、終わったね。無くなっちゃったね。」
辺りを見回して、ハッキリと感じる。
ここに、あの秘密基地は、もう無い。
そこに漂う、空気と言うのか、何かが、違う。
それで、ハッキリ分かった。
美優は、鮫川さんの方を見た。
一点を見つめ、呆然と、立ち尽くしている。
「琴乃ちゃん、大丈夫?」
そう言うと、そっと背中を支え、近くのベンチに座らせた。
「私、お茶買ってくる。」
そう言うと、近くの自販機まで、走って行った。
美優は、鮫川さんの隣に、腰掛けた。
特に、何かを、話す訳でもなく、ボーッとして、時折涙を流す、鮫川さんが落ち着くのを待っていた。
10分程して、晴風が戻って来ると、美優とは反対側の、鮫川さんの隣に、座って、お茶を手渡した。
「はい、飲んで。いっぱい泣いたから、熱中症になっちゃうよ。」
「ありがとう。」
鼻声の鮫川さんが、晴風からお茶を受け取り、ゴクゴクっと飲んだ。
そして、ふーっと息を吐き、話し始めた。




