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狐の末社  作者: 坪原 衣音


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不安

家に着くと、鍵を開けて、玄関の扉を開いた。

誰もいない家は、静まり返っている。

急いで、2階の自分の部屋に入った。

部屋のドアを閉めると、気が抜けたように、ペタンと座り込んでしまった。

スマホを鞄から取り出し、画面を見ると、晴風からメッセージが来ていた。

⦅今日、お母さんに用事頼まれちゃったから、行けなくなっちゃった。T_T⦆

(そっか…だから、居なかったんだ。)

そう思いながら、返事をしようと、スマホを持った。

打ちかけて、止まってしまった。

何て送ろうか…今日あった事を、伝えるべきか。

でも、優しい晴風は、きっと自分のせいだと、自分を責めてしまうだろう。

(それは避けたい。)

そしたら、学校で目を合わせることも、止めてしまうだろう。

(…そんなこと、思う必要ないか。明日からは、私がターゲットになるんだろうから。)

考えは、まとまらないけれど、結局、何も無かったように、他愛無いことを送ることにした。

《そうだったんだね。また明日、行けたら行こう(^^)》

今日は、それ以上、メッセージのやり取りは、なかった。

でも、それが、良かった。

もし、メッセージが続いていたら、途中で、変なことを言いそうな、自分が怖かった。


お母さんが帰って来て、「ただいまー。」と、言ったけれど、「おかえり」と、部屋から出ていく気分になれず、黙ったまま、布団に潜り込んでいた。

2階に上がってきて、お母さんが、美優の部屋をノックして扉を開けたけれど、布団から顔も出さずに潜っていた。

「美優、ただいま。どーしたの?体調でも悪い?」

お母さんは、いつもの口調で、聞いてくる。

「うん、ちょっと。気持ち悪いだけ。」

「大丈夫?お腹の調子でも悪い?」

「大丈夫。でも、ご飯は食べられそうにないから、夜ご飯はいらない。」

「お粥とかもいらないの?」

「うん。食べたくない。」

「そう。水分だけは、取っときなさいよ。なんかあったら、いつでも言ってね。」

「わかった。ありがとう。」

そう言って、お母さんは、部屋から出て行った。

お母さんに、顔を見られなくて、良かった。

きっと、ひどい顔をしていると思う。

何か聞かれても、何を話せばいいか、分からない。

晴風の今までの事や、自分が何も出来ない事も、話す事になったら、何て思われるだろう。

それに、これから、虐められるかもしれない事を話すのも、何だか嫌だった。

(明日から、どうしよう。学校、行きたくないなぁ。)

そんなことを思っていたら、気持ち悪くて、お腹も痛くなってきた。

一人ぼっちになる、無視される、悪口を言われる、物がなくなる…

悪いことばかり、頭に浮かんでくる。

その想像を、打ち消しても、次から次へと、浮かんでしまう。

不安と、恐怖で、一睡も出来ず、夜が明けた。

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