探検の後
何かを話したら、怒られそうで、2人は黙って、狐の後ろを、着いて歩いた。
狐は、あの時に言葉を発してから、また話さなくなった。
行きと同じ、草原の野原が、またどこまでも、続いている。
しかし、来た時よりも、明らかに、短い距離で、出口に到着した。
「あれ?もう着いた。」
びっくりして、美優が言っていた。
狐は黙ったまま、出口の横に座り、2人が出るのを、待っていた。
「ねぇ、狐さん。
ここはどう言う場所なの?
現実世界?それもと、異世界?
みーちゃんは、絵本の世界かなって、話してた。
正解は、この中にあるの?」
晴風が、矢継ぎ早に、狐に話しかけた。
けれど、狐は、何も言わない。
出口の前に座り、細い目をこちらに向けて、尻尾を上下にゆっくり揺らしている。
「それに、私たちが入れない、あの森は何?」
それでも、何にも動じず、狐は尾っぽを揺らして、こちらを見ていた。
「はるちゃん、今日は、もう行こう。
5時過ぎてるから、外、暗くなってきてるよ。」
「そんなに、時間、立ってたんだね。
わかった。今日は、帰ろう。」
聞きたいことは、まだまだあったけれど、きっと
狐は喋らないと思い、2人は、末社を後にした。
階段を上がり、鍵を掛け、末社の前でバイバイした。
その後は、今日あったことを、考えていたので、帰りの事は、よく覚えていない。
夕ご飯に、何を食べたのかも、覚えていないほど、考えていた。
家族に『どうしたの?大丈夫?』と何度も聞かれて、『何でもないよ。』と、上の空で、返したことは、何となく覚えているくらい、考え込んでいた。
部屋に戻って、ベッドに寝そべり、天井を見ながら、考えていると、
晴風からスマホに、連絡が来た。
⦅今日は、ありがとう。⦆
⦅楽しかったよ。⦆
⦅秘密基地のこと考えすぎて、何も手につかないよー⦆
そんな文面に、クスッと笑って、
美優も、返事を返した。
《はるちゃん、今日は、ありがとうね。》
《連絡もありがとう。》
《私も全く同じ、ぼーっとし過ぎて、家族に心配されてる笑》
晴風からの返信も、すぐに来た。
⦅あの森、何だったんだろうね⦆
《不思議だったね》
2人の会話は、SNSでも、ずっと寝るまで、続いていった。
でも、美優は、このやり取りが楽しくて、
そして、無理に続けるでもなく、自然に続いていく、この流れが、とても心地良かった。




