4話-国王の来校-
なんか、また・・・結構時間が・・・。
すいません・・・。
「あの娘の様子はどうだ?」
俺は、父上からの2度目の召集(?)の為、王宮の中の王室に居た。もちろん、父上が俺を招集する用事といえば、もっぱらあのカリンの事だ。
「いたって普通ですよ?俺が見る限り目立つ行動には出ていませんし、自分が何者かさえまだ知らない感じですから。」
「そうか・・・、ロン、お前は今しばらくあの娘の様子を見ていてくれ。」
「父上は何故、カリンなんかにそこまで警戒するんですか?」
「お前・・・何度も言ったろ?あの娘は・・・。」
「あぁ~はいはい。分かってますよ。」
カリンが自分の存在に気づいてしまえば、ルビルーズ王国とそれが所有するたくさんの地方が危険になる。っていうのが父上の言い分だ。俺は大してそんな事気にした事も無いし、あんなチビがそれほどの権力というか力つうか。そんなもの持ってるなんて思えない、思ったこともない。
「あの娘の成績のほうはどうなのだ?」
なぜそこへ行く?
「とてもいいですよ。学年一位、それどころか学校一位になれるくらいですよ。」
「それは無いだろ。」
「ま、俺はそろそろ戻ります。授業にあまり休んでしまうと、先生の雷が落ちるんで。カリンの事は安心して下さい。自分の過去の事探ろうとしているようですが、俺がそうはさせません。それでは。」
そう言って俺はさっさと王室出て、王宮の廊下を歩きながら思った。
-本当にカリンは「嘗て栄えた国の姫」であるのか-
ガキの頃から良く父上にその話をされてたけど、正直のところそんな事はどうでも良くて。体の弱い妹の方が一番気にかかっていた。が、まずは学校に行ってカリンの見張りだな。
取り敢えず俺は、学校へ向かった。
お昼休みも終わり、午後の授業が終わった。
「まだ、ロンは帰って来てないのか~。」
絶対、あの人補修対象者だよこれ・・・。
ペンも返して貰って事だしこれでまともに授業が受けられる。
先生が黒板に書いている文字をノートに書き写していると、後ろの扉が開いた。みんなは気にしていないので私も無視。先生も何も言わないのも不思議だ。入ってきたのはロンだった。ロンは自分の席に(私の隣)に座ると何やらボソボソ言っていた。
「あぁ~遅刻だ~。」
「ロンさんに時間主義の神経あったなんて驚きです。よく消えるくせに。今日は何処でサボリ入れてたんですか?」
「(こいつ・・・っ!)また親父からの呼び出しだよ。」
「そのまま、家から来ればいいじゃないですか。貴方のお父様、子離れできてなのですね。」
まったくもってそのとおり。なのに寮から通うつもり満々だ。
チャイムが鳴って授業開始。午後の授業は数学。これが終われば、今日の学校は終わりだ。
「・・・。アレ?先生来ない。」
チャイムが鳴ってからもう十分も経っている。皆がザワザワする中、教室の前の扉が開いた。
扉の音で、ざわついていた教室は一瞬にして静まった。入って来たのは、金髪で清楚な顔立ちの女の子。私のクラスで3位の成績の子だ。確か名前は・・・マイリーって言ったっけ?中流階級貴族の生まれと聞いた。どこかは知らないけど。マイリーが教卓に立つ。
「この時間は自習です。」
お、自習か。先生風邪でもひいたのかな?まあいいや、自分なりになんかやってれば。
と、思っていたら、マイリーがまた付け足したように一言言った。
「そして、カリン・イレーガーは今から応接室へ行ってください。」
「・・・!?なんかあったんですか?」
なんで、私が応接室に?
「国王が貴方にお会いしたいと。よく分からないのですけど。」
「親父・・・?」
「ロンどうしたの?ロンのお父様、国王様?」
「いや、違う。」
「あぁ、そう?」
ん~・・・。なんで、私が王様に?別に切片が無いし。そもそもなんで先生が呼びに来ないんだ。
応接室に行くときは、マイリーがついて来てくれたから、その時に聞いたら。
「先生方は、国王様の接待が急がしくて。私をよこしたんですよ。」
だって。生徒を使うのか・・・。まあ、この学校は、確か国立で国王が学校経営費?の半分を出してくれていると聞いた。国王だから、ビックリするぐらい出してくれているのだろうか?なんたって、食堂には普通にシャンデリアが沢山ついてるし、教室なんて、100人以上入りそうな広さのなかにたったの30人前後。それも一部屋に。机も大学みたいな感じ?で、細かい彫り物が施してある。戸もきれいな彫りが同じように施してある。一部屋に最高・・・千万ガル以上使っていそうで怖い・・・。そんなのが、小・中・高・・・。ものすごい・・・(汗
「そういえば最近、この学校、経営厳しいんだって?」
なんか、もう暇だから、マイリーと話してみる。
「そうみたい。先生たちも必死なんだよ、きっと。」
「だよね~、国王に営業費もっと出してほしそうだし。」
「国王にいい印象もってもらえば、出してくれると思ってるんだってきっと。」
「そうそう。」
そうこうしてるうちに、応接室についた。
「あの・・・カリン・イレーガー。連れてきました。」
どう・・・でしょうか・・・?