3話-苛め?-
遅くなってすいません・・・!
入学式も終わり、寮の部屋でおじさんへ手紙を書いていた。
「にしても、最初から人様に迷惑をかける事になるとはね。」
これをおじさんが知ったら、恐怖の説教だよ・・・。
カクリと頭を落とす。
「ロン、遅いな・・・。」
頭を上げ、部屋を見回し戸を見つめる。
入学式が終わってすぐ、『親父に呼ばれたから』って帰るの遅すぎなんじゃない?
手紙を書き終え、明日の準備をして、寝支度を終え、私はとりあえず寝た。
「くぅ~・・・。」
よく寝たよく寝た。外は朝靄がかかっている。時計を見れば、5時。
「早く起きすぎた?」
学校は、8時から。校舎と寮はそう遠くないし、寮自体学園内。
「ん~、暇だな・・・。」
ロンはまだ帰ってないようだし・・・。先に食堂でも行こうか。
つっても、食道まだ開いてないっけ?あぁ、染みついた貧乏暮しがちょっと憎い。
取り敢えず、着替えて教科書を覗いてみる。
「へぇ~って何これ!?三角形の角度?ピタゴラス?ピタゴラスって高校問題じゃん!あ!おまけか、びっくりした~。」
あとは、正の数負の数のもちっと難しいやつ。
「えぇっと国語は・・・。」
数学の次は国語。国語の教科書を開こうとしたら、いきなり部屋の戸が開いた。
「おっ朝もお早いことで。何?朝から勉強?頑張るね~。」
「・・・覗いてただけなんですけど。」
五月蠅いの帰って来た。
「ロンさん。朝帰りなんて、お父様の用事はずいぶん長いんですね。」
「いやぁ、親父がいろいろ聞いてきてさぁ~。結局朝帰り。」
「実家、近いんですね。」
羨ましい。夏休みまで、里帰りはお預けだぞ私は!
そろそろ食堂も開いてる頃だ。行こう。
「御馳走様でした。」
朝ご飯を食べてから校舎に向かう。皆の視線が痛い。なんでかなんて、知らないけど。と、何かにつまずいた。
普通にコケた私の上から、何やらお嬢様口調が聞こえてきた。
「あ~らすみません。つい。」
あぁ~、ベタ~な。
この人の足に躓いたのか。この人わざとらしい。金髪かぁ。ほんっと、お嬢様だよ、この人。
「あぁ~すいません。私もいろいろ考えていたので気付きませんでした。」
「ちょっと!レーナ様の御足を汚したんだから、綺麗にし差し上げなさいよ!」
レーナ?あぁ、この金髪かぁ。で、この人たちはレーナの取り巻き?靴ね~、面倒だなぁ。一様急いでるし・・・。
「貴女達、レーナ?様?の取り巻きなら、貴女達が綺麗にしてあげたら?」
どうせ、わざと足、突っ返させたんだったら、自業自得。やらせるべきだろう。
「それに、私、急いでるかそんな余裕ないの。じゃね。」
そのまま、私は、平然と去っていったのはいいものの・・・。
「よく見たら、汚れてないじゃん。」
彼女の靴。ピッカピカの新品じゃん。それに貴族なら、少しでも汚れたら新しいの買う。とおじさんが言ってたし。どうせ、買うだろう。
貴族さまって大抵、お城で宰相だのなんだの。取り敢えず、そうゆう所で仕事をしている人が殆ど。
彼らは、税金を王から給料としてもらっている。
「ったく、金持ちだがらって、金の無駄遣いしやがって。こん畜生。こっちは、高すぎる税金のせいで苦労してんだよ、まったく。」
呆れてくる、これはもう呆れてものも言えないよ。なんか、授業前から疲れた・・・?
「えぇ~古くからこの鉱山は使われおり。100年経った今でも、沢山の鉱物が掘り出され、私たちの生活を支えています。」
あ~っと。えぇ~ん~?あれ~?
「ペン、ペン。」
黒板に書いてある文字と、先生の言っている事を書こうとしているのだけど・・・。肝心のペンが見当たらない。朝コケたときにでも落としたのかなぁ・・・。
なす術も無い・・・か・・・。
「これじゃ書けないよ。」
他人に貰ったペン。失くしたとあれば・・・情けない。
(さっき、コケたところって確か・・・。)
校舎前の噴水。今はちょうど4時間目。ご飯は・・・いらないか。すぐにでも、探しださないと。まぁ、この時間はどうするか・・・が、一番の問題なのだけど。
てゆうか・・・どこからか視線が・・・。
取り敢えず、またキョロキョロと辺りを見てみる。
ん?あいつ等かぁ・・・。
朝のお嬢様集団、レーナ組(勝手に命名)がこっちを見てにやにや。そして手を見ると。
「あっ!?」
あれは~!!!貰ったペン!あれさぁ~一応一本しかないのだけど・・・。ほんと、古典的な奴ら。
あんまり関わりたくは無いけど・・・あれ一本しか無いんだよね・・・今のところ。
「仕方ない、授業終わったら返してもらいに行こう。」
「あの。レーナ?さん?さっき私のペン、持っていませんでした?」
「あら?これの事かしら?」
授業も終わり、お昼休み。レーナ組のところへ、ペンを返して貰いに行った。
ペンをプラプラさせている。
「このペン、ロン様に頂いた物なのでしょう?」
「そうだけど・・・。」
「私にくれないかしら?」
「何でです?嫌ですよ。私この一本しかなんです。」
「あら、いいじゃない?私、ロン様のファンなの。どうしてもくれないなら、私のペンと交換致しませんこと?」
「嫌ですね。お断りします。私は、人に頂いた物は一生大事にするタイプなんで。そういえば、ロンって、どんな人なんです?」
ファンなら知っていそうだし、なんとなく聞いてみよう。
「あら、あの方のことも知らないの?さすが、田舎ものね。でも、教えてあげないわ。」
「別にいいですよ。ペン返してくれさいすれば。じゃ、また。」
やっぱ、この人めんどくさい。
取り敢えず、私はペンを持ってさっさと昼食を取りに行った。
そういえば、3時限目からロンの姿見てないな。