2話-偽りの出会い-
ワイワイ
ガヤガヤ
「着いたー!!」
私は、学校前で目をキラキラさせていた。
「馬車で2日、王都の門で下してもらってから約5時間・・・。」
長かった・・・。長かったけど、この綺麗な木々達と活気のあふれる校庭。
「これを見てると、疲れも吹っ飛ぶな~。」
ほんとは、学校まで送って行って貰いたかったが、お金の節約のためだ。仕方がない。
私の入学先、国立ルビルーズ学園中等部。ルビルーズ学園は国が所有し、沢山ある学校の中で一番レベルの高い学校。小・中・高一貫の学校。国が所有して要るとゆう事も在り科は、軍に関する事と基本的な勉強をする『軍科』。政治の事のみをやる『政治科』。あとは、『普通科』と3つある。ちなみに私は、普通科だ。軍科は、年齢が10歳以上なら男女関係なくでき。それ以下は政治科と普通科の2択だ。
「よし!」
胸の前にグッと拳を構え(?)ルビルーズ学園の門をくぐり、荷物を置きにいく為寮へ向かった。
寮は一部屋に2人。私のルームメイトは男の人。今年の入学生で歳は18歳。あれ?普通こんな事無くね?とは思ったもののここは、これが普通。ちなみに彼は、髪・瞳ともども漆黒の様な色で全体的に王子様系。身長は、180cmといったとこころだろう。でかいな~。羨ましいぜ!まったく。身長差約-35cmの私にとっては、羨ましい限り。
いいもん!まだ伸びるもん!!
とりあえず、挨拶は礼儀としてやっておく。
「あの~、カリン・イレーガーっていいます。これから宜しくお願いします。」
挨拶の後、頭を下げる。
「ん?あぁよろしく。俺、ロン・マイーダー。宜しく。」
あ、結構優しい人だ。よかった。
「にしても、この学校はなんだぁ?男子と女子で別れねーのかよ。」
あ、なんか言いだした。
「なぁ、思わねぇ?お前もなんでこうなのかな~とかさ。」
なんか、ふってきた!
「えっと、別に思いませんよ?何も。学校行けるんですから、我儘も言ってられませんし・・・。」
「えぇ!お前ってそんな、男女の関係とか気にかけないの?」
「えぇ、面倒ですし。」
どうやらロンは、紳士らしい。着ているものから見るに貴族?ん?そういえば私、ここに来る間、おじさんにおろしてもらった初めての旅服と桃色ローブだった。おじさん、これが似合ってるって言ってたけど、私の容姿は、旅人か?
「おま・・・、周りが男ばっかだったのか?」
「いえ。女の子が多かったでしょうか?その前に、おじさんが仕事をする日は家事をやっていたので。あんまり、遊んだ記憶が薄いですから。」
「おじさん?お前、親は?」
「おじさんです。」
「いや、お母さんとお父さんだよ。」
「さぁ、私拾い子ですから。顔も覚えてませんし。」
「へぇ、そうなんだ。ごめんね、いけないようなこと聞いちゃって。」
そう、私は拾い子。10年前のあの日、木こりだったおじさんが、森の中でぐったりしている幼い私を偶然見つけ、拾い、育ててくれた。この御恩は一生忘れない。ってか、正直そんな事は覚えてはいないのだけど。
「別にかまいませんよ。事実ですし。」
しょんぼりするロンの顔を見た私は、笑いかけてそう言った。もち、作り笑いだ。本当の笑顔なんて、おじさん以外見せたことはないし。(女の子の前では、本当の笑顔だ。)
「そんなことよりロンさん。もう、晩御飯・・・ですよね?食堂行きません?」
時計は、夜の8時を指していた。晩御飯の時間だ。食堂は、入学証明書を差し出せば自由に使える。
「じゃぁ、行こうか?」
「はい、行きましょう。お腹がすきました。」
そう言って、私たちは食堂へ向かった。
「うあぁ・・・。」
何だこれは!シャンデリアが!シャンデリアがいっぱいぶら下がってる!テーブルには純白のシーツが敷かれている。私達の部屋でもかなり豪華なのに・・・、さすが、国立・・・金かけてるなぁ。
私は、トレイを取り食べたいもの(全部少量)をよそい、席に着いた。
「とゆうか、なんで席にまでついてきてるんですか?」
「えぇ~だめ?俺、お前しか知り合い居ねぇんだよ・・・。」
ロンって何者?くせ者?初めましてだぞ。今日が。
「お友達、一緒じゃないんですか?」
「居ねぇよ。」
居ないんかい!貴族さまっていろいろあるのかな?まぁ、私もここ知り合い居ないし。
「友達、作ってくださいね?」
「そうゆうお前は?居ねぇのかよ?」
「私の家は貧しいんです。村自体もかろうじて食べていける感じだし。皆、勉強する時間ないし、お金もないんです。」
「じゃぁ。お前主席か!?いやはや、年下に負けるとは。」
腕を組み、言うロン。うるさいなぁ。食べる時くらい静かにしてほしいよ。
「俺ん家、財力も権力もあるからいっぱい時間あったぜ?」
私の村どころかお金のない所に寄付してよ。財力があるのならさぁ。
「ごちそうさまでした。」
「え!もう終わったのか?」
「明日の準備があるので、先に部屋に戻ってます。」
そう言って私は、ロンをおいて部屋に戻った。もちろん、自分の使ったものはしっかり戻したけど。
ほんと、ロンはうるさい人だなぁ。学校生活どうなるんだか。
「でも、ホント主席でよかった~。」
主席ならば、在学期間中の免除が受けられる。私、それ以下だったら諦めてた。
部屋へ戻った私は、明日の入学式の準備をしていた。
「えぇっと、制服制服。あった!」
これがなかったら元も子もない。
「あ・・・筆記用具・・・。」
無いよ無いよ筆記用具がないよ~。どうしよう!!!
存在忘れてたよ・・・。
「やばい・・・。」
冷や汗が流れる。
と、そこへ。
「ただいま~。ん?どうしたんだ?」
ロンが帰って来た。青くなった私の顔を見ながら近づいて、私の前でとまった。
「忘れ物した。」
「何を。」
「筆記用具。」
「馬~鹿。なら、明日買いに行けばいいじゃん。明日は入学式だけだし。」
「お金ない。何もない。宿代しか持って無くて、筆記買うだけのお金がない。」
あぁ~・・・一生の不覚。あぁ・・・バイト・・・探そうかな・・・。
「俺のやるぜ?」