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イフルート  作者: 如月りょう
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ルート2 最初の連絡


 二条さんを攻略すると決めてから3日が経とうとしていた。

 この3日間、自分の知識をフル稼働させ、二条さんに送るメッセージを考えていた。そう、考えていた―――


(考えるだけで終わってしまったぁぁ!!!)


 心の中で絶叫する。

 7月22日に戻って今日に至るまでの間、遊びに誘うどころか一通のメッセージを送ることさえできないでいた。


(幼馴染や妹に送るのとは訳が違うから! 3年前からの想い人だから仕方ないよね? ね? ね?? ね?!)


 言い訳だと自覚しているが、言い訳でもしないとやってられない。

そもそも、連絡先を知ってから3年経つが、その間メッセージのやり取りをしたことがないのだから。


(なんで連絡先を手に入れた時にメッセージを送らなかったんだろう……)


 連絡先を手に入れた時のことを思い出す。特に思い出に残るエピソードがあったわけではない。劇的なことなどひとつもない。ただクラスが同じで、クラスのグループラインを作る時に二条さんから連絡先を聞かれた。ただそれだけ。

 その後、知り合いかも? にいた二条さんを友達に追加するのに1週間掛かったのは誰も知らない……。


 そんな過去があり、特に連絡を送る必要性がないまま今に至った。

 今更なんと送るのが正解なのかわからない。部活が同じわけでも、バイト先が同じわけでもない。クラスが同じなだけで、委員が被っているわけでもない。そんな浅い関係性で花火大会に誘えるわけがない。―――完全に詰みだ。


(今が一番ゲームオーバー味を感じる……)


 せめて気軽に話せる関係性を築けていたら……なんて考えても後の祭り。今あるもので戦わなければいけない。

 まず外堀を埋めるか? でも二条さんの交友関係を把握していないし、把握していたとしても二条さんの周りは全員女子。八重野しか女子の友達がいない俺にとっては外堀を埋めることもできない。

 なら家族は? ……交友関係も知らないのに家族のことを知ってるわけがない。

 二条さんが行きそうな所を廻る? 考えといてなんだが、二条さんが行きそうな所なんてわからない。趣味すら知らないのに……。あ、メッセージで趣味を聞けばいいのか……ってそれが出来ないから回りくどいやり方を模索していたのに、結局そこに行き着くのか……。


 ……やはりメッセージを送らないと始まらないのか。

 数分の思考の後、最初の問題に逆戻りしてしまった。


(なんて送るかな〜。こんばんは? 今日も暑いですね? 月が綺麗ですね? ……わからん!!)


 改めて二条さんについて考える。

 二条さんとの共通点は同じクラスってことぐらい。交友関係などは把握していない。趣味も知らない。俺の知ってる二条さんの性格は優しくてクラス委員長をするぐらい責任感があって……あ!

 そこまで考えてひとつの案に辿り着く。


(宿題について聞いてみるか!)


 これが今までの中で一番無難な案だと思う。

 二条さんからすれば、全然話したこともない男子から突然宿題のことを聞かれるのは恐怖かもしれないが、いきなり花火大会に誘うよりよっぽどマシだ。


「これでいこう! 早速送る!!」


 メッセージ内容を考えるのに3日を費やしたため、送るときはすぐに送ろうと考えていた。

 友達リストから二条成美を選択して、トークを開く。すぐになにもないトーク画面が表示された。

 そこにメッセージを入力していき、一瞬の躊躇いの後、送信ボタンを押した。内容は、


『こんばんは! 突然のメッセージごめんなさい(>人<;) 英語の宿題について聞きたいことがあるんだけど、今時間大丈夫?』


 送信した後のトーク画面を見つめる。

 送ってからやっぱり違う内容の方がよかったかな? 夜より昼に送った方が迷惑じゃなかったか? など余計な心配事が頭の中を埋め尽くす。

 数分トーク画面と睨めっこを続けていると、ついにメッセージが既読になった。その瞬間画面から目を離してしまう。

 鼓動が速くなるのを感じる。頭がクラクラして今にも送信したメッセージを消したくなる衝動に駆られると同時に、なんと返ってくるのか、という楽しみと不安が入り混じる。

 そんなことを考えていると、携帯が震えた。

 恐る恐る確認すると、メッセージではなく、電話が来ていた。誰から? スマホの通知には―――


 『二条成美』の文字が表示されていた。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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