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イフルート  作者: 如月りょう
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ルート1 五関 絢⑤


 花火大会が終わって今日は8月9日の夜。

 五関の誕生日まであと1日となった。

 明日は五関と遊ぶ予定をちゃんと立てたし、プレゼントも用意している。

 順調すぎるほどの順調が逆に心配になってくる。

 しかし、不安材料はひとつある。それは五関とうまく喋れるか問題、だ。


 あの花火大会のあと、俺達は手を繋いだまま帰路についた。

 俺は独り言とはいえ、五関に綺麗だと言ってしまった手前、恥ずかしくて手を繋ぐだけで精一杯だった。

 その緊張が伝わったのか、五関も特に何も喋らなかった。

 五関の家の前で解散したときに別れの挨拶をしたのを最後に、今日に至るまで五関とは喋っていない。

 明日の誕生日の予定もラインでのやり取りで決めてしまった。

 気まずい。とまではいかないが、どことなく気恥ずかしいが勝って、うまく喋れるか不安ではある。

 ただ、こればっかりは考えても仕方がないので、明日の自分に任せるか。とすべてを放棄し、ベッドに顔をうずめた瞬間、着信音が部屋に鳴り響いた。

 誰からだ? と確認すると、 『五関絢』 と表示されていた。慌てて電話に出る。


「も、もしもし……」

『あ、もしもし。 遅くにごめんね! もう寝るとこだった?』

「いや、それは全然。……どうした?」


 部屋の時計を見ると、時刻は23時を過ぎていた。こんな遅くに五関が電話してくるなんて珍しい。そもそも電話すら珍しいのに……。何かあったのかと勘ぐってしまう。


『えっと、明日のことなんだけど……遊ぶ場所、私の家じゃだめかな?』

「え……い、家!?」


 聞き間違いでなければたしかに家と言った。

 予定では話題になっているカフェに行って、映画を見て晩ごはんを食べて解散する予定だった。

 それがまさかの五関の家?!


『そう家……。実は、お母さんとお父さんが2人共家を空ける予定があって、家に夜まで誰もいなくなるの。家の鍵2つしかないから留守番しないといけなくて……』

「そうなのか……」


 誕生日に留守番とは……。しかも夜まで誰もいないなんて可哀想過ぎる。


「そういうことなら五関の家で良いぞ! 2人で最高の誕生日を過ごそうぜ!」

『―――! ありがとう! れいやっちがいれば心強いよ! でも、せっかく考えてくれた予定変更しちゃってごめんね……』

「全然気にすんな! まだまだ夏休みは続くんだし、別日に遊びに行こう!」

『ありがとう! 大好き!!』

「―――っ!!」


 不意の大好きに言葉が詰まる。

 五関も自分が言った言葉の意味を理解したのか口ごもっていた。


「えっと……じゃあお昼すぎに家に行けばいい?」

『あ、うん、そうだね! それでいこう!』

「おっけ。……また明日。おやすみ」

『お、おやすみ! 遅くにありがとー!』


 3分にも満たない電話を切って、もう一度ベッドに顔をうずめた。

 五関が言った大好きにはどんな意味が含まれているのか……。

 その意味を知るためにも、俺は明日五関に告白する!

 元々明日ご飯を食べたあとに告白する予定でいた。なので、家というのは想定外だが、室内に2人というのは告白するチャンスが多いから寧ろ有り難い。

 ……あれ? 室内に……2人??

 その意味を改めて理解してベッドの上で悶る。

 何もしない何もしないと心のなかで呪文のように唱え続けた。


 しばらくそうしていると、いつの間にか0時を過ぎていた。

 明日の為にも早く寝ようと電気を消す。

 最後に五関へ 『誕生日おめでとう』 とメッセージを送って眠りにつく。

 明日は長い一日になりそうだ……。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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