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イフルート  作者: 如月りょう
13/28

ルート1 私の気持ち


 7月24日。イフルート3日目。

 前回はわずか1日でゲームオーバーになった反省を活かして、今回は慎重にいこうと考えていた。というのも、前回までの俺なら今日の五関とのデート後に告白をしようとしたはずだ。(いや、もしかすると昨日の帰り道でしてたか?)


「今回は違うぞ」


 俺はスマホのカレンダーで8月を確認する。夏はイベントの宝庫! さらに運良く8月10日は五関の誕生日。これを活用しない手はない。

 プラン道理に行けば夏休み中に告白できる……はず。おそらく。……多分。

 だめだ。どんどん弱気になる。

 俺はネガティブに侵食されていく気持ちを鼓舞するために今日の予定を改めて確認する。


 今日の予定はお昼に駅前に集合して五関の通う高校近くの人気なパンケーキを食べに行く。そこから買い物に行き解散の予定だ。


「ねぇ、ちょっと」

「うぉ! ……どうした京香?」


 不意打ちの呼びかけに体がビクつく。

 ビクつかせた張本人である京香はドアの隙間から遠慮がちに覗いていた。


「どこか出掛けるの?」

「出掛けるけど、何か買ってきてほしい物でもあるのか?」

「いや、そんなんじゃないんだけど……」


 いつもとどこか調子が悪そうな京香に少し戸惑ってしまう。


「誰と出掛けるの?」

「誰と? 五関とだけど」


 やはりおかしい。こんなに聞いてくることなんて最近は滅多になかったのに。

 じー、と綺麗な茶色の瞳で俺を見つめる京香。


「五関さん……。ねぇ、にぃは五関さんのこと好きなの?」


 約2年ぶりに言われた 「にぃ」 の衝撃よりも京香から五関について聞かれたことの衝撃が勝った。


「なんでそんなこと聞きたいんだ」

「……いや、やっぱり大丈夫。お土産楽しみにしてるね」


 京香は寂しげな笑顔を俺に向けてから、静かに部屋のドアを閉めて去っていった。

 追いかけようか。とも思ったが約束の時間まであまり時間がない。

 ……帰ったらお土産渡して話でも聞くか。俺は最後に鏡の前で身だしなみを整えて、部屋をあとにした。





 家を出た兄を部屋の窓から確認する。家には私一人。


「ばかにぃ。なんで五関さんなの……? 二条さんならまだ……」


 誰もいない家に静かに溶ける独り言。私はかつて蓋をした自分の気持ちを確認し、もう二度と溢れないように再度しっかりと蓋をした。……これで私は大丈夫。私はあの人にとってたった1人の妹なんだから。


「はぁ……妹ってしんどいな」


 頬に冷たい何かが伝った気がした。

 今日の空も快晴だ。

 どうかこのまま……そう思いながら私は無意識にカーテンを閉めていた。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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