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激昂
王の間には傲慢な笑みを浮かべた滅びの魔女アリアがいた。
カイルは怒りをこらえ、相手の隙を伺う。
「来てくれたのはうれしいけどもう時間がないの。あなたたちが未来に進む資格があるか見てあげる。」
「何偉そうなことを言ってやがる。お前の力はおれが全部奪って…。」
ケイトは瞬く間に氷漬けにされた。
「はい。脱落。」
アリアから群青の魔分が染み出していた。
「それは先希のものだ。返せ。」
カイルが猪突猛進に飛び出すもすべての感覚が狂い倒れる。手足が凍り付くのを黄白色の魔分で必死に溶かす。
「残念だけど期待していた以上のものは見れそうにないみたい。」
カイルの能力はもう究極ノ特技改竄によりすべて使い物にならなくなっていた。ただ、カイルは特に絶望はしていなかった。例え無力であったとしてもできることを精一杯成し遂げる。例え1ミクロンでも相手の思惑を超えたい。
「勝手に決めつけるなよ。」
カイルは己の存在を賭して最後の能力を編み出す。




