自由
独自能力心を折るは小刀で刺された者の心を折る効果がある。例え鉄の意志を持った歴戦の勇者であってもこれに耐えることはできなかった。神域外ノ世界の空間で能力や神技に制限が付いた中でも効果を弱めることで発動はできた様であった。
Nは剣を手から離す。意識はあるようだが戦意は完全に失ったようだ。
「元々私は戦いなんて望んでいない。ただ、シン様に認めて欲しかっただけだ。」
N手を挙げ降参の意を示す。
「奴には単なる手駒にしか見えてないだろうがな。もっとも、お前が負けることも想定済みだろうぜ。」
調子づいたケイトがニヤニヤしながら話し出す。
「その通りだ。私が敗北した場合は王の間に案内するよう命じられている。それが私の最後の任務となるそうだ。」
カイルにはシンとNの関係性がわからなかったので受けた傷の回復に集中する。
Nは王の間に続くであろう門を作り出す。
「やっと自由になれてよかったな。」
ケイトはそう言い残すと扉の向こうに消えた。
「目的はいろいろあったと思いますが私を選んでもらったことは感謝しています。あなたは悪い人ではないと思います。次は敵とならないことを祈ります。」
カイルも扉の向こうに消えた。




