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デュアルライフ  作者: しき
最終章
34/39

裏切り

「それにしても不憫な姿だな。」

 ケイトはカイルに対し憐みの目を向ける。カイルは銃撃により傷を負っており相手にする余裕がなかった。

「おれも訳あって奴らに追われてるから協力してやる。」

 ケイトの力が溢れ出す。カイルは前回あった時よりも更に自分との格差を感じた。

「これが滅びの魔女から盗み出した究極ノ特技(アルティメイトスキル)過剰進化ウルトラ・エボリューションだ。」

 ケイトの所有している天井人としての全ての(ことわり)が覚醒し、限界値まで格が引き上げられた。もともと使用者の能力を覚醒させる効果があるがせいぜい元の力の2倍に満たない程度となる場合がほとんどである。しかし、ケイトは修練を積むことを嫌い、自身を高めることをしてこなかったのが規格外の効果となった原因であった。

「もうおれに偽りや小細工は通用しないぞ。」

 ケイトは迷彩魔法を無効化し、敵の正体をあらわにした。

「狙撃手メリロット。やはりお前だったか。」

 ライフルを構えた軍服を身にまとった敵が現れる。頭にかぶり物をしており表情は見えない。

「あなたは新王アリア様に従うべきだ。あなたも貴族のいない世界を望んでいたではないか。」

 メリロットは見た目にそぐわず甲高い声を上げる。

「おれは相手が誰であろうが持ってるものを奪えればいいだけだ。反逆者にルールはないが裏切りまで許した覚えはない。」

 反逆者はこの世界のきっての荒くれもの集団である。特にまとまりはないが社会から弾かれたもの同士の組合の様な団結感があった。どうやら目の前の狙撃手は裏切って王ノ手駒(ロイヤルナイツ)となっていたようだ。

 メリロットはライフルでケイトを狙撃しようとしたがライフルは脆くも崩れ去り、いつの間に自分の体に小刀が突き刺さっているのに気付く。その傷口から青白い光があふれ出す。

 メリロットは行動原理となっていた理念や思想がはく奪されその場に崩れ落ちる。倒れている姿はまるで心を失った人形の様であった。

「もうちっぽけな意思でおれに逆らうんじゃねえ。」


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