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逃走
カイルは自分の限界を知っていた。
望みを叶える力を持ち合わせていないことも分かっていた。
自分にできることは期待を裏切ることだ。
この世界を牛耳っている上位種は退屈している。
力がないならそのものからの追加投資を待つしかないのだ。
カイルは気づいたときには自身が異形の姿となってることに気づいた。自分では手足は鱗で覆われいることしか確認できないが別個体となっていることに気付いた。
もとの姿より、頭は冴えていたので尚更目の前の敵を倒せないことが実感できた。
カイルはこの空間の歪を察知しそこに飛び込む。
「おい。」
アランは追いかけようとしたが追撃の能力は持ち合わせていなかったので他の面子に委ねることとした。アランは失われた仲間がいないことを悔やみつつ自身の行動が良い結果となることを願う。




