君臨
シンはカイルを現実に送り込まれた段階で取り残された先希の素体を媒介にアリアをこの世界に復帰させた。最も独自能力精神ノ儀を使用したのはNであるが。この能力は他の世界から対象を指定された器に呼び出すことができる。
すべてはこのアリアに適合する器をつくりだすためにすぎなかった。
アリアは意識を散り戻すやいなや先希の見た目を黒ずくめの自分好みの格好に作り変える。
「アリア、気分はどうだ。」
「戻りたいとは思ってたけど戻ってみるとそうでもないね。」
「正直だな。」
「そんなことより私の能力結構盗まれてる。」
アリアは不快感をあらわにする。
「その件は我とNが対処しよう。先に貴様の望みを叶えてくれ。」
アリアは隔離された空間から時々この世界を見ていた。自分が犠牲になることで守られている世界はくだらない特権階級と宗教に支配されていることを知り、残念に思っていた。すべてはこの状態を放置している王にあると結論付けた。
アリアは言われた通り王の間に転移する。
「愚弟よ。久々だね。」
王は突然現れた脅威に敵意をむき出しにする。
「何者だ。ここは王家の血筋以外立ち入れないはず。」
「この世を去るものには知る必要のないことだ。」
アリアはその瞬間王を消し去り王冠を手にする。アリアはごく一般市民の出身であったが究極ノ特技真理の転換により出身から遡り王家の身分を獲得していた。
そして王冠の効果が発動し、全国民に通達する。
「この国に私以外の権威はいらない。すべての特権階級を廃止する。」
この国を弄ぶ気満々であった。




