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エターナル・ワールド・ストーリー  作者: 蒼雲騎龍
K編
67/222

ポリア特別編サード・中編

ポリア特別編~悲しみの古都オールドシティ~中篇・古都で惹かれ合う絆




          ≪絶望の淵に居ても、心を支える思い出≫






冒険者の学者達が遺体で見つかった日から、一夜が明けた朝だ。


「・・・」


オッペンハイマーがポリアを朝食に誘った。 だが、ブロッケンやリリーシャ達の仲間を悼む悲痛な叫び声が耳に、脳裏に残り。 憂鬱さが精神を支配し、ポリア達は食事が余り喉を通らなかった。 特に、ポリアとゲイラーには、ダグラスの事が非常に暗い影を落としている。 追い討ちの様に・・・。


しかし、どんな不幸が続いても、朗報は来る様で。


「済みません」


朝の警戒・警備の交代で遣って来た役人の小隊長がポリアに謁見を求めて来て。 執事が承る。


「ポリアンヌ様、宜しいですか?」


「あ、ん? 何?」


初老の落ち着いた執事は、ポリアの脇に佇み。


「ハソロ様からの伝言だそうです。 アラン様のお見舞いは、“ご自由に”、との事です」


オッペンハイマーは、ホッとした顔で。


「おぉ。 ポリアンヌ、良かったね。 私も心配していたのだ。 一々ショーターに断りを入れろと在ったが、これで大丈夫だ。 まだ、私は数日忙しい。 代わりに行って来て、様子を見て来て欲しい」


「はい。 叔父様」


外は小雪がチラついているが、風は少なく見舞いに支障は少ない。


其処に、奥方が。


「ポリアンヌ、行くのは構いません。 でも、残さず食べてからお行きなさい」


と。


溜め息を混じえた様子ながら、マルヴェリータが直ぐに。


「美味しい料理、残しちゃ悪いわね」


ポリア達は、静かに食べた。


さて、離れに戻り。 髪を普段通りに纏め。 白銀の鎧を着け、滑りに強い皮と鉄の組み込まれた白い具足を身に着けたポリア。 お見舞いと云う事で、鎧の下に着ているのは、紅いバロンズ風の刺繍入りの上着で。 下に穿くのは白いピッタリとフィットした白いズボン。 マントを羽織る前に、首に長いマフラーを幾重にか巻いて於いた。


(アラン先生・・早く目を覚まして頂けると嬉しいのだけれど・・。 このままだなんて・・、そんなの嫌だわ)


薄暗いの入りの様な部屋の中。 ポリアは、グラスランプの明かりを見る。


ポリアは、祖父が死んでからと云うもの行き場所を失ったかの様に人を避けた。 剣術をする時でも、イルガだけを従者にする。 時々、不意打ちの様に自分に結婚を申し込んだ貴族などが夕食の招待に馬車で来る。 一度、父親の親しい相手の息子だからとイルガと共に行き。 食事に眠り薬の様な物を入れられ、イルガと離れた場所に連れ込まれた事がある。 ベットの上に寝かされ朦朧とする中で、ポリアは貴族の息子に叫ぶ。


“おのれ・・、この舌噛み切って・・我が家と対立させてやるわっ!!!”


ポリアの強情な決死の姿に臆した貴族は、大慌てに成って医者を呼ぶ。 その緊急事態は、ポリアを探すイルガによって、薬を盛った若い貴族の父親が知り。 イルガと貴族の父親がポリアを助けてくれた。


だが、それからポリアの男嫌いは拍車を掛け。 女だと舐めて言い寄る相手には、平然と剣を抜く様に成った。


結局、その男嫌いは今でも続いている様なもの。 好きなる相手は居ないし、言い寄られても何とも思わない。 Kと云う相手が現れたのは、強烈な刺激だった。 が、その刺激が強烈過ぎて、他が見えない。


男の居る所は、仲間以外で安心出来ると思える事は少なく。 同業者の羨望の眼差しや好意の目も好きには成れなかった・・。


だが。 こうして今此処に来て見ると、懐かしい人やアランなどの祖父と親しい人物が居て。 ハソロの様な人物が居て。 祖父が死に思い出しか無いと思って避けていたのが間違いだったと気付いた。 一人では無く安心できる人が生きていると実感した。 だから、我儘なのだろうが。 まだ、誰にも死んで欲しく無かった。 もっと喋って、一緒の時を過ごし、何かを共有したかった。


そんな思いを胸の中に湧かせるポリアの耳に、ドアがノックされた音と共に。


「ポリア、仕度出来た?」


「ポリしゃん、せ~んせお見舞いまいいこ~」


マルヴェリータとシスティアナの声である。


「うん。 今行くわ」


思えば、イルガと二人で出奔した様なままに流れて、ホーチト王国に行き着いた夕方。 昼間から飲んでマルヴェリータに絡む冒険者を、偶々斡旋所に出向いていたポリアが蹴倒したのが出会いだ。 強引に掴み掛かられたマルヴェリータは、逃げる時に自分を囲んでいた酔った別の冒険者にぶつかって、剣の柄で手の甲を擦り血を滲ませた。 その手当てを申し出たのがシスティアナ。 マルヴェリータ以外は、皆がその日にホーチト王国の首都マルタンに着いたのだ。


(思えば、マルタやシスティとの出会いも平凡だけど、運命なのかな)


同じ男嫌いと云う共通点が在ってだろう。 熱い情熱のポリアと適当なマルヴェリータは、都度都度に渡って喧嘩しても、何故かお互いを気遣っていた。 死ぬほど飲んで語り明かし、愚痴をばら撒いてお互いの下着の趣味まで分かり合うからこそ、今では無二の仲間に成れた。


(絶対に最悪な終り方なんて嫌・・。 護れる物は護りたい・・・)


この一連の猟奇的とも云える凄惨な事件を野放しになど出来ない。 部屋を出るポリアの目には、最後まで全てを見ようとする気持ちが満ち始めていた。


「お待たせ」


食堂で待ってた仲間に合流したポリア。


その顔を見る仲間の面々は、気の失せた朝のポリアとは少し違っていたと思えた。







          ≪闇に葬られ掛けた光は、ポリアの手に守られて≫





 


早朝と云う言葉がそろそろ似合わない頃。 街中は、暗いながらも仕事場へと出向く者や、雪が一気に降り積もる事を警戒し、買い物に出る人が居ると見込んでか早めに店開きや市場に物を運ぶ様子が窺える。


住居区の西側。 旧市街地との境の大通りが人の目の様に大型な石造寺院風の建物を避けてまた合流する。 すっかり雪に埋もれそうなこの建物は、“右翼院”と“左翼院”と呼ばれる斜めの左右対称の建物と、その二つの院を中央で繋ぐ“正面院“から成る大きな施設だ。


その施設の北側を遠めから見える公園内の林の中に、影の何者かが居る。


「あの施設か」


「そうだ。 入院する患者は、左翼院の二階から上に居る」


「殺る対象のジジイとやらは?」


「3階奥の個室だ」


「見張りは?」


「兵士二人だが、朝の陽が東に見える頃には交代で外す。 そうゆう風に引き継ぎをさせるから、その隙を狙え。 潜入するには、この服を着ろ。 医者や薬師が着る服で、職員が多いから気付かれないハズだ」


右の影が、左の影に衣服を手渡す。 衣服を受け取った影は、


「解った、面倒な人殺しはウザい。 金に成るヤツだけでイイ」


「だが、見つかった時は誰でもいいから数人殺せ。 騒げるなら、それに越した事は無い」


「解った」


「ま、一般の面会なんかはもう少し後だ。 人の出入りが多く成るまでは、待て」


「リョーカイ。 だが、今回はカシラも来るぜ。 冒険者7人殺してから、目覚めちまった。 夜にあの役人ブッ殺す為にも、俺や誰かが捕まっても困るから見張りに出張る」


「そうか。 だが、遣り過ぎるなよ。 泊まり込まれも面倒だ」


「いいじゃないか。 それなら、夜に騒ぎ起して、出向いて来る所を襲えばいい話だ」


「確かに。 だが、余り遣り過ぎをされても困るのだ」


「何で?」


「ショーターの行動が表沙汰に成らないのは、統括がフロイムだからだ。 だが、統括の指揮が不十分だと市民が訴え出てくると、その内裁判の部署が中央に連絡を取る。 もし、リオン王子などが出張って来たら、お前達でも敵うまい? 処理の未熟な上を引き摺り下ろすのは得策では無い。 仕事は、まだ序盤のままなのだ」


「ヘイヘイ」


「所で、一つ尋ねたい」


「ん?」


「お前達で、あのオッペンハイマーを護った冒険者達を殺せるか? 今では無いが」


「あぁ・・。 カシラが云うには、奇襲以外でまともに遣り合うなら広い場所が必要だってさ。 恐らく、総力戦に成るって」


「其処まで強いか?」


「らしい。 最近の有名に成り始めたチームの中じゃ、実力は随一だとよ。 特に、デカい身体の奴と無口な奴は、もう一流の実力に踏み込んでるからな。 1対1(サシ)で戦えるのはカシラぐらい。 勝てる保障は無いとさ。 しかも、金に汚い所も無いし。 結束も強い。 更に、その知り合いは有力チームが多く。 隣の自治国では、あの“バブロッティ”や“スカイスクレイバー”の面々とも協力したって・・。 そうなると、下手に殺せば恨みを買う可能性が強いからな。 本当に必要に成るまでは、奴等に手出しはしたくないとさ」


「そうか・・。 オッペンハイマーの姪だか知らんが、面倒な奴等が来た物だ・・。 生じオッペンハイマーと親しいから、下手に手を出せば中央に応援を出されかねない。 ・・・、解った。 とにかく、アランとハソロの殺しだけは頼む」


「へい」


影は、其処で話を切り。 闇に分かれた・・・。


ポリアの思い出と親しい人が居るこの街で、ドス黒い陰謀は渦巻いている。 その矛先は、またもやポリアの親しい者に向かって行く。


だが。 運命はどちらの見方でも無い。 ただ、近寄ったり離れたりと揺らめき動く波の様である。 そして、波の様な運命は近寄り出した。 オッペンハイマーとアランの襲撃の時の様に・・。




                    ★★★



遠くの空が白む様な明るさを見せていた。 相変わらす雪は小雪ながら降り続き。 街には買い物などをしに出て来た人も見える。


「この間は馬車だから直ぐだと思えたのか・・。 意外に離れてるな」


ゲイラーは、住居区の外れまで来てそう思ったままに云う。


マルヴェリータは、大通りの道の真ん中を歩いて来て。 何度目かの雪を払う仕草をしながらに、横のポリアを見る。


「ねぇ・・、こんなに寒いのって在りなの?」


寒さ故か、女性陣の面々は顔が白い。 フードにマフラーをして目元以外は隠しているのに、寒さが染み込んで来る。 呼吸をする口を隠すマフラーが表面に氷の粒を浮き上がらせるので、雪がくっ付いて来るのだ。


ポリアは、寒がって動きが鈍い皆を見てから。


「此処は、北限の標高高い場所に在るのよ。 このぐらいの寒さなんて、まだ暖かい方。 年が明けた頃から、雪すら降らなく成る程に寒いわ」


「はぁ~、そんなに・・・」


黒いベールをマントコートの上に被り、白く長いマフラーを何重にも首筋や口元に巻いて。 別のマフラーをマントの下でドレスローブの上に巻くマルヴェリータ。 寒さに呆れたのは、この都市に来て何度目だろうか・・。


「ゆきしゃん、も~れつぅ~」


集められた道端の雪を触ったり、凍った石の路面を滑ったり。 無邪気なシスティアナは、今日も元気だ。 ポリアが元気に見えたので、悲しみを嫌って態とはしゃいで居る様にも見える。


そんな中。


ヘルダーは、イルガの肩を叩き。


「ん?」


と、見て来たイルガに通りのプレートを指差した。


「・・、旧・市街地?」


通りと区を隔てる石の壁。 その一部に、“此処からは、旧市街地”と。 


イルガは、ポリアに近づき。


「お嬢様、あの旧市街地とは、最初の頃の街なのですか?」


ポリアとマルヴェリータが揃ってその壁に彫られた文字を見る。


「あら、古い街に“旧市街地”?」


と、マルヴェリータが言うのに対し、ポリアは。


「そうよ。 こっちは、此処に街が出来た最初の部分。 と言っても、お祖父ちゃんの話だと2番目らしいわ」


マルヴェリータは、その意味が良く解らず。


「“二番目”って、超魔法時代の後?」


「ううん。 その前」


「じゃ・・、更に昔に街が在ったの?」


「みたい。 その経緯は良く解らないけど、細い川に架けられた橋を渡って、旧市街地の更に西側に“本当の古い街”って名前が付けられた場所が在るの。 もう打ち棄てられて、年月の経過で朽ち果てる石の建物が一杯在る死んだ街よ」


「なんか、怖そうね」


「そうね。 私も見たのは一回だけ。 お祖父ちゃんが馬車で連れて行ってくれた時のみだったけど、怖かったわ。 風化と雪の浸食で色が変わってるまぁまぁ高い建物が、広範囲の彼方此方で崩壊してるんだもの」


イルガは“崩壊市街地”を思い。


「瓦礫の山ばかりなのですか?」


「違うわよ。 誰も住んでないだろうけど、形はハッキリ残る建物も在るわ。 話では、理由が在って棄てられたんだって・・」


「変わった街ですな」


「かも。 ま、温泉を街に張り巡らせて、雪に埋もれるのをなんとか防ぐ今ですら雪は積もるし。 古い棄てられた市街地(向こう)は、真夏でも街中に氷や雪が残るって云われるから。 異常に雪が降った中で住めなくなったんじゃない?」


「在りうる話ですな」


ポリアは、見えて来た寺院病院の影を見て。


「見えたわ」


住宅区のド真ん中。 旧市街地と新しい住宅地の狭間に在る寺院病院“双翼の宿木”だ。 中央の塔型の建物が医療施設の外来と、薬を処方して貰える場所に成り。 地下は、寺院の神々を祭る礼拝部分である。


大きい塔に成っているのは、その大部分が区分けされた温室で。 中で薬草を鉢植えや庭園にて育てている為。 人口が増えるに従って、薬の不足が深刻化した。 その打開策として、この施設は作られたらしい。


さて、その中央院とも正面院とも呼ばれる塔型の施設から、鳥の翼の如く左右に北東・北西に伸びる施設が在る。 右の右翼院は、その全体が寺院で。 各神々を祭る礼拝堂やら宗教施設が在る。 一人旅の僧侶なら、宿を求める事も可能だし。 敬謙で派手やかな街の宿を嫌う厳粛な僧侶は、此処に宿泊する。 左の左翼院は、完全なる病人の収容と医師や薬師の詰め所であり。 施設で働く助手達の住み込める場所でもあるのだ。 


外来の者を受け付ける頃。 正面院の門は開かれ、風邪をひいたり怪我をしたりする人が遣って来る。 外傷は、医師が診察して骨に問題なければ僧侶が魔法で治療する。 傷を癒すだけの魔法だから、病気などの診断は医師がする。 因みに、旅の僧侶などは、日雇いで治療に携われる。


ポリア達は、馬車が7台以上は並んで走れる広い道路を横切り、施設の在る雪に覆われた敷地に入り。 何十人と言う人が出入りをする大型施設の正面入り口に階段を上って向かった。


この施設は、この周辺では最大の医療施設でもある。 時には、隣国のスタムスト自治国から態々遣って来る人も珍しくない。 薬を分けてもらおうとする民間の薬師や薬屋も訪れるし。 また、逆に売りに来る者も居る。 午前中の開門時から昼前までは、一番人が多い時間帯なのだとか。 


白い扉は押すだけで開く。 その中に入れば、寓話や神話をモチーフにしたレリーフが美しい柱を見せる大廊下に成り。 大廊下の先には、大型の暖炉で暖められたロビーに入る5つの階段が下っている。 直ぐに上に上がる階段が先にあり。 冷たい空気と暖かい空気の押し合いで冷気がロビーに入り憎い仕組みなんだとか。


「ふぅ~。 早くロビーに行きたいな」


皮の手袋を擦るゲイラーに、ヘルダーが呆れている。


他の客に戟槍が邪魔に成りはしないかと気を使うイルガが少し遅れている。


ポリアは、システィアナの雪を払い。


「あ~あ、手袋の外側凍ってるじゃない」


「ごめんなさ~い」


入る前に、雪は大廊下で落とすのが常識だ。 大廊下は、凍りにくいレンガの特別な白い物で、解けた水が染みて行く。 ロビーから先を濡らすと、掃除をする職員に睨まれるらしいと、叔父が言っていた。


その時。


正面院裏庭では、紺色のコートの様な上着に身を包み。 マスカーと云われるガーゼ状の布を逆三角折にして鼻や口を覆う男性が施設に入った。 眼の鋭い人物を見た裏庭で遊びだした子供の一人が。


「なぁ、あんな人居たっけ?」


「さぁ。 手伝いに来た薬師さんじゃない?」


「そっか」


と、雪を被った木に向かって走って行く。


「・・・」


紺色の衣服は、医師と薬師。 白い衣服は助手などの物。 僧侶は、洗ったローブを身に付ける事が義務付けられている。 裏口から入った男は、温室薬草園の一部に踏み込んだ。 暖かい空気で満たされた室内庭園には、薬草を栽培・管理する野良仕事の様な土作業を黙々とする人たちが働いている。


「お~い、そろそろ傷薬の原料を上に上げてくれ。 50束でいい」


吹き抜けの天井から、そう声が聞こえ。


「解った」


と、老人が上に向いて声を出す。


その作業をしている庭園の壁周りは、一段高い回廊だ。


(向こうか・・)


南側に人の雑踏が聞こえる。 男は、上目の俯き加減で奥に回廊を回りながら歩いて行く。


さて、ポリア達は階段を経てロビーに踏み込んだ 外来の人の問診をする個室型の受付が、広いロビーの左右壁側に在り。 正面奥には、傷を無料で治療する僧侶が控えた丸い部屋か在る。 天井は、紅いタイルの装飾が施された物。 床は、白い鏡のような絵の入った石。 壁は、ポリアの寝泊りする離れと同じレンガで、ロビーの左右には暖炉と休憩の出来る待合い場が在った。 壁の一回り大きい備わったグラスランプに灯る明かりと、天井に吊るされた大小のシャンデリアが昼間の様に明るく照らし出している。


左右の院に行く為には、奥の階段から行く必要が在るので。


「一応、兵士の人に声を掛けてから行きましょ。 あそこに詰め所在るし」


ポリアは、仮設のカーテンの仕切りで囲まれるロビーの一角に作られた兵士達の休憩所を尋ねた。 ザワザワと人の出す音が広い広いロビーを木霊している中で。


「すいません」


と、カーテンの切れ目を裂いて中にポリアが入ると。


「ん? 何だ、早速来たのか」


其処には、背凭れの長い椅子に座るゾセアと、背凭れの無い椅子に並んで座る兵士2名が居る。


ムッとしたポリアは、冷ややかな目をゾセアに向け。


「当たり前でしょ? 襲われた次の日にお見舞いした以外、面会を拒否するなんて横暴だわ」


ゾセアは、鼻で笑い。


「フン。 警護の為だ」


「そう。 お仕事ご苦労様。 じゃ、行かせて貰うわ」


すると、ゾセアは。


「待て」


振り返る途中でまたゾセアに向いたポリアは。


「何?」


座るゾセアは、少し間を置いてから。


「今日は、交代が遅れる上に引継ぎで話が長い。 あの学者が心配なら、兵士の交代が住むまで居るといい。 命令ながら、警護対象者を一時でも一人にするのは気に食わん」


ポリアは、手際の悪い事だと思い。


「引継ぎの間に見張りを無しにするなんて・・、呆れた。 彼方の上ってあのショーターよね? これじゃ叔父の身も危ないわ」


言われたゾセアは、ムカっと来たが。 確かに言ってる事は当たってる。


「解ってる。 だが、命令なんだ」


「いいわ。 兵士が入れ替わるまで居るわ」


ポリアは、それこそ心配だと直ぐにカーテンの外に出た。


さて。 あの男は。


(広い施設だ・・。 此処はロビーか。 クソ、手前の内階段か)


初めて来る場所なだけに、職員として動くには無用な気を使わなければ成らない。 間違ってロビーにまで出てしまった男は、向こうの寺院施設から来た僧侶とすれ違い。


「お疲れ様です」


と、言われたのに対して無視をして戻った。


この差に、ポリア達は一足早く病棟に向かう回廊に入る。


一方で、男は職員用の廊下に入るも、裏方の事務や更衣室などが有る場所に出てまた行き方に苦労するハメに。


左翼院の一階は、家族や入院者が食事したり会話したりする広間や、慰安目的で芸を劇団が披露する開かれた場所だ。 部屋には窓が多く、明かりもちゃんと掛けられ明るい場所だった。 上に行く階段は3箇所に大きい階段が有り、ポリア達はこの院に入って直ぐに階段を上がる。


その階段を上がる中、マルヴェリータは。


「ポリア。 オッペンハイマー様のお屋敷では、絶対に傍を離れない兵士が離れるっておかしくない?」


イルガも。


「そうだな」


ゲイラーは、


「だが、不審者なんて簡単に入れないだろう? 俺達は兵士とオッペンハイマーの教授の許可あるからいいが。 他の家族なんて医師とかと一緒で案内されてたし」


一般の入院患者が傷を治す為に寝泊りする二階に上がったポリアは、目の前を通る杖姿の怪我人などの通行を待ちながら。


「ま、とにかく後で叔父様に言いましょ。 私達は、只の冒険者なんだから」


ヘルダーは、確かにそうなのだが。


(でも、伝から言っても“只の冒険者”じゃないと思う・・・)


二階に来ると、明かりの量が少し暗く。 外がやっと白み始めた頃では、ちょっと暗い気がする。 だが、殆どの患者が動ける者ばかりで。 話し声や歩く音が廊下に響いていた。


この時、あの男は二階へ上がる階段を見つけた所。 挙動がヘンなので、助手に質問をされてしまった。


(クソババァがっ。 余計な事を聞かずに階段の有るとこ教えろって言うんだっ!!)


仕舞ったナイフには、血がベットリと付いている。 世間話好きの年配の助手にアレコレ言われ、イライラが募り殺す気に成った男。 人の来ない階段裏の物置に押し込み、刺したのだ。


ポリア達は、三階に上がり。 重態・重症などに区分けされた区画の中で、特別室とされる隔離個室のある場に向かっていく。 途中で、アランを看る医師に逢い。


「先生、アラン先生はまだ目覚めませんか?」


と、ポリアが聞けば。


「非常に危険な状態だね。 もう、6日程か・・。 年齢が年齢だからね、出血も酷く臓器の一部も傷付いた様だ。 今は、気が付くのを祈るしかない」


と、言われてしまう。


「そうですか・・」


医師は、アランの部屋の方を見て。


「そろそろ兵士が交代に下へ行くらしい。 水入らずの対面はその間ぐらいだ。 しっかり見舞って下さい」


「有難うございます」


ポリアは、こうして医師と別れてアランの寝ている部屋に向かった。 部屋とは、宿屋で云うなら二人部屋程の広さしかない。 それが、向きがそれぞれ別に区画内に点在している。 不幸も多い階だから、嘆く姿などを少しでも見せない工夫らしい。


「しかし、極夜の時期って薄暗いから気分も憂鬱に成るわね」


マルヴェリータは、壁に掛かったランプが小さめで、廊下が暗くてそう思う。


この時、男は三階に上がって来たのだが。


(何だ此処は・・、廊下が伸びるだけじゃないか)


窓側と壁側しか見えない真っ直ぐの廊下には、最も北西の階段から上ってきた為で。 各区画に曲がる入り口の見え難い方向からである。 元々が医療施設では無く。 別の目的で作られた建物であるのがその理由だが、この男にはどうでもいい事だった。


薄暗い廊下を気配を殺して男は歩く。


(ん?)


暗い曲がり角を曲がると、其処はトイレだった。


(違うっ)


男が苛立ちを強める頃、ポリア達は兵士に睨まれながらアランの部屋に入る所である。


「・・・」


見られたポリアは、珍しく。


「失礼だけど、何で睨まれる筋合いが有るの?」


その睨んで来た兵士は、先日ポリアの元にショーターが来た事を慌てて伝えに来たマシュリナを連れて来て。 マシュリナとポリアの会話を詮索した兵士だった。


「睨んではいない」


兵士は、見抜かれてムカついたのか。 前に向き直り言う。


「そ。 彼方達が不用意にアラン先生を一人にするってから、交代が終るまで部屋に居るわ。 正直、感謝ぐらい欲しいわね」


ポリアの一言に、更にムカムカし出した兵士。 だが、二人居るもう片方の兵士は、やや年配の人物で。


「そうか、なら丁度イイ。 おい、早く引き継ぎを済ませよう。 俺、今日はカミさんと買い物行く約束有るんだ。 勤務時間超過してるし、もう帰りたいんだ」


ポリアに絡まれた兵士は、仕方無さそうに頷くと。


「解りました。 迎え来てませんが、行きましょう」


と、返す。


ポリアは、水入らずの時間を増やせたと思いながら。


「ごゆっくり」


と、部屋に入った。


兵士二人の足音が遠ざかっていく中。 ポリアは、数日ぶりにアランを見れた。 白い着替えの楽なローブ風の服を着て寝ているアランは、丸で昏々と寝ているだけで重症な人物とは見えない。


窓も無い部屋に散らばり、アランを囲んで見る仲間達。


医師が診察に来たばかりだからか、部屋には吊り下げられたランプに火が灯り明るかった。


「・・、ホント。 寝てるみたい」


マルヴェリータは、アランの顔に触れて見る。 人肌の温もりは有るが、やや冷たい。


システィアナは、アランの懐脇に膝間づいて祈り出した。


この面会が出来た時だ。 男は、ブツクサと小言を言う兵士と、宥める兵士の二人が廊下から下り階段に出てくるのを見て。


(アッチかっ)


男は、アランの寝かされている方向を理解した。 兵士が行ったのを確かめると、足早に廊下を兵士が出て来た方に入る。


(よし、もういいだろう)


さっき、助手の女性を刺したナイフを懐から取り出した。 鞘から抜かれたナイフは、鋭利で太さの有る刃渡りがやや長い物。 心臓を狙えば、易々と肉を切り裂いて到達する長さであり。 そして・・、ベッタリと乾き切らない血が付いている。


(・・何処だ?)


アランの部屋を探すこの男が、外側に掛けられた特別室の文字を見つけた時。 ポリア達は、アランの覚めない意識について話し合って居た。 こんなに長く意識が戻らない人を見るのは誰もが初めてで、聞いた話だの昔の話などを引き合いにして居る。


その話し声を聞いた男は、


(チィ、誰か居やがる。 人数も多いみたいだな)


男は、薬師のフリをして近づこうと考えた。 もしバレたなら、誰かを人質に取る事も視野に入れて・・。


だが、此処がポリア達と悪党達のイニシアティブが一瞬逆転した時だった。


「薬の時間です・・・」


男が部屋に踏み込んだ。


(あっ)


何と目の前に居たのは、ポリア達。 しかも、全員が男を見たのだ。


男の殺気を秘めた目を見たポリア達は、何か不気味な雰囲気だと警戒した。


男が、


「投薬しますので、退室願えませんか」


と、何処か俯き加減に云うのに対し。


ポリアは、直ぐにシスティアナを庇う様に男の前に出て。


「この人は、意識が戻ってないのよ? 何の用意も無しに、どうやって投薬するの?」


この話に、男はグッと顔を擡げてポリアを凝視する。 この雰囲気が余りにも不自然で、ゲイラーとヘルダーがポリアの脇に向かう。


更に、廊下から吹き来る弱い風に乗り、男が背後に隠し持つナイフに付いた血の臭いがポリアに届いた。


「っ?!!」


ポリアは、ハッとした思いと剣を抜くのが連鎖反応の如く直結した。


「ポリアっ」


驚くマルヴェリータだが。


ポリアは、目を凝らし男を見る。 ポリアの剣は、男に向けられていた。


「貴様っ、何故に血の臭いを連れて来たっ?!」


鋭い質問の声は、男の使命感をブチのめした。


(クソっ、これじゃ無理だぁっ)


「あっ!!」


皆の前から男はバッと身を翻し、廊下へと飛び出して行くのだった。


驚いたポリア達。


「イルガっ、アラン先生をっ」


ポリアは、言葉を残して後を追う。


「なってこったっ」


アランを殺しに何者かが来たと察したゲイラーとヘルダーが後に続き。 システィアナは、イルガの元に。


マルヴェリータは、廊下に出ながら。


「タイミング良過ぎるっ。 交代の情報が漏れてたんだわ!!!」


と、叫んだ。






               ≪現れた悪は、終わり無く暴れて≫






ポリアがアランの命を狙う殺し屋と対面した時である。 一階のロビーでは、ハソロと部下3名が来ていて。 兵士の引継ぎで見張りが居なくなるとゾセアから聞いていた。


「貴様達はバカかっ?! そんな杜撰な警護が有るかっ」


ゾセアは、ぞんざいな態度で。


「大丈夫だ。 オッペンハイマー様の所に滞在する冒険者が面会に来ている。 彼らが交代の引継ぎが終るまで居るさ」


ハソロは、ムカムカした顔を充血させ。


「何だとっ? 民間の者に頼ったぁ? もし何か在ったら、彼らが防いだとしても叱責物だぞっ!!! そんないい加減な命令を突っ撥ねる意気地も無いのかぁっ?!」


ハソロは、ポリア達を信用していない訳では無かった。 何か起こり、それが最悪な事態の場合には、ポリア達を一時的にでも拘束しなければ成らない事態に陥る可能性も在る。 ポリアの身の上を知るだけに、そんな事など考えたくも無かった。


ハソロは、部下を連れてポリア達の居るアランの病室へと向かう。 左翼院に踏み込んだハソロは、其処で引継ぎに戻る兵士二人とすれ違う。


(本当にノーガードにする気か。 ショーターめ、昨日から連絡を遣さない割に、ミズリーを遅くまで話し込んだり。 ミズリーが早朝に朝に消えたりとチョロチョロ動きよって・・。 まさか、ショーターも事件に噛んでないだろうな?)


長年捜査官を遣って来たカンが、嫌な気配を感じ取る。 こうゆうカンが働く時は、決まって大事に成ったり被害が拡大したりするのだ。


さて、男の正体を見破ったポリアは、素早い足で逃げる曲者の男を二階にまで追って行った。


「どけぇっ!!! 邪魔だっ!!」


逃亡する男は、その手に握るナイフを平然と遣う。 廊下を走りながら、歩く患者や助手などを突き飛ばしたり、首筋を斬って殺したり。 何時もならさめざめしい外を見ながら、ぼんやり時間を経過させる病棟の左翼院が、この男の逃走で地獄と化した。


「あっ、大丈夫ッ?! 誰かぁっ、怪我人をっ!!!」


ポリアは、近場に倒れた男性の首筋から吹き出る血を見て、別の患者の怪我の具合を見ていた医師に付き添う僧侶に叫ぶ。


「何事だっ?!!」


驚く医師に。


「殺し屋が入って来たのっ!!! とにかく治療をっ」


と、叫ぶ時。


「あ・ぐぶぶぅ・・・」


血を吐いて男性は死亡する。


「ポリアっ!!」


後から追い付いたゲイラーとヘルダーは、死んだ男性を見て。


「クソっ!!! またパニックを起して逃げる気かぁっ!!!」


と、怒りを覚える。


ポリアは、このまま追っては人が傷付くだけだと。 人質を取られてしまえば戦えないと思い、外に出た所を攻めようと考えた。 ロビーには兵士も居るが、易々と討ち取れる相手では無いと思える。


「先生っ、裏からロビーや外に出る場所はっ?!! 外で討ち取りますっ」


遠くから、別に被害に遭う誰かの悲鳴が聞こえる。


医師は、廊下に飛び出し。


「途中の階段から下に降り、事務室の中と更衣室の中に脇と裏手に出るドアがあるっ!!」


ポリアは、ヘルダーを見て。


「事務室から外に。 ゲイラーは、更衣室から脇に出てっ」


二人は、こうなると理解は早い。


「オーケーっ!!!」


吼えるゲイラーに頷くヘルダー。


だが。 逃げる男は容赦無く患者を傷つけ。 アランを殺せなかった鬱憤を晴らす。


「クソっ!! 邪魔なんだよぉっ!!!」


流石は殺し屋の腕はいい。 走り抜け様に斬る動きや、突き飛ばした人を飛び越える仕草は俊敏だ。


「うわぁぁっ、何だありゃっ!!!」


「ヒィッ!! 人殺しぃーっ!!!」


「部屋に入れっ!!」


「殺されるぞっ!!!」


二階の廊下は、大パニックと成る。


逃げる人の中、怪我をした冒険者の男性が男に立ちはだかり。


「待てぇっ」


と、出た所で。


「ウルセイがぁっ!!」


逃げる男は、立ちはだかった背の高い男性の腕を斬り裂き、ヨロめいた所に心臓へ一突きを入れた。


「う゛ぐぅぅ・・」


逞しい肉体の男性だったが、成す術も無いままに崩れる。


(そろそろいいか)


男はトイレの在る踊り場の窓へ、ズボンのポケットから何か黒い石の様な物を取り出して投げ付ける。 窓が割られ、左翼院の側面に広がる施設の敷地に何かが飛び出した。


“パァーン!-


飛び出した物は、空中で破裂して甲高い破裂音を響かせた・・。


さて。 急に廊下が騒がしく成った所に、丁度ハソロも上ってくる。


「何じゃ? 何が起こってるんだ?」


“助けてくれ”だの“殺される”だの騒ぎ下に逃げる患者が居る。 ハソロは、大慌てで走って来た女性の助手を捕まえ。


「おいっ、どうした?」


掴まれても逃げようとする小柄な中年女性が、もう慌てふためくままに。


「あっ・ああっ・ひっひひ・人殺しっ!!!」


ハソロは、部下の3名に。


「おいっ、行くぞっ!!」


と、奥へ。


この時。 声を出さずに一人で男を追うポリアは、甲高い破裂音を聞いて。


(何っ?)


だが、怪我をした人の呻きも聞こえる。 再び追うポリアだが、その異常とも思える無差別な遣り方に信じられない。


トイレと階段の在る踊り場から下に向かおうとする男を見つけたポリアは、一気に走り寄って斬り合いに持ち込もうとする。 だが、男が少し手前でポリアに脇目を向けながら一階へと消える。


(あぁっ、もうっ!!)


悔しい気持ちのままに踊り場に来ると。


「ポリア殿っ」


ハソロの声が。


「あっ」


向こう側から走って来たハソロは、男の降りた階段を見て。


「今のが犯人かっ?!」


「はいっ、アラン先生を狙って来た相手ですっ!。 でも、身のこなしが素早いっ」


と、ポリアは階段を駆け下り出す。


ハソロも慌てて後を追いかける。


そして、この時に。


ロビーへ踏み込んでいた何者かが、兵士の居る場所に近づいていた。 黒いマントをすっぽり被り、コツ・・コツ・・・と金属の具足の音を鳴らして・・・。


ゾセアは、やっとハソロと入れ替わる様に仕切りの幕を開いて入って来た兵士二人を見て。


「遅かったな。 では、引継ぎを・・・」


と、言い掛けた所で。


「うわぁーーーーっ!!!! 人殺しが現れたっ!!!」


と、第一声がロビーに木霊し。


「逃げろっ!!! 此処から逃げろぉぉーーーっ!!!! 人が殺されてるぅっ!!!」


と、更に別の男性の声が上がった。


ゾセアは、低い可能性だと思いながらも危惧していた事が起こったのかと席を立ち。


「何事だぁっ?!」


と、言う。


兵士の戻って来た二人が驚き、直ぐに踵を返して幕を開いて外に出ようとした瞬間だった。


「おぶぅっ!!!」


ポリアに呆れられた若い兵士は、熾烈な激痛に言葉を吹いた。 自分が突然自分で無くなる様な意識が目覚める中で、視界には幕を貫いて何かが自分の腹部に突き刺さっている。


一緒の年上の兵士が、


「おいっ、どうし・・」


と、声を掛ける途中。 仲間の兵士の腹に剣が突き刺さっているのを見る。


「あ゛ぁっ!!」


一方で、立ち上がったゾセアや待機していた兵士も、交代に戻った若い兵士の背中から剣先が飛び出したのを目の当たりにしていた。


「な・何者だぁっ?!!!」


ゾセアは、剣を引き抜き叫んだ。


悪党達は、こうしてポリア達の前に再び現れた。

どうも、騎龍です^^


ポリア達の出会い書いたか忘れましたので、一応載せてみました^^;


ご愛読、ありがとうございます^人^;

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