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エターナル・ワールド・ストーリー  作者: 蒼雲騎龍
K編
150/222

K特別編 秘宝伝説を追って 第二部 ①

         K長編・秘宝伝説を追い求めて~オリヴェッティの奉げる詩~第二幕



                   ≪島に渡りたいな・・・≫




モンスターに襲われていた3人の冒険者を助けたオリヴェッティ達は、彼等と共にノズルドの街を目指していた。


広大な丘陵地帯を抜けると、そこは湿地が凍った氷原であった。 


強く乾燥した冷たい風が吹く冬は、湿原の水分が凍って凍て付く世界を形勢する。 北の大陸から比べれば、随分と南に下りた東の大陸だが。 奇妙な海の流れが所々を局所的に冷やす。 その海流から生み出された風が、こうした冷たい気候を産むのだろう。


さて。 人一倍大きなペンギンに背負われるのは、Kとクラウザーとビハインツ。 氷原の上を滑るペンギンを操るのは、助けた青年アンディだ。


「この氷原を抜ければ、ノズルドに着きまっせ~」


陽気な狩人のアンディは、薬草採取を毎年引き受けている根降ろしの冒険者だ。 普段は、野性のイノシシやシカを狩り、店に卸す。 だが、レンジャーの技能も有していて、簡単な薬でなら調合も出来る器用人なのだとか。


寝っ転がるKは、朝から変わらない様子。


アンディの家族で在るビックノンノウノと云うペンギンは、300年を生きる長寿種らしい。 孤児の様なビックノンノウノは、名前をホロバイスと云って。 彼の兄弟が、アンディの家に2匹居るとか。


クラウザーは、大きさに驚き通しで。


「こんな生き物が3匹・・、家計の遣り繰りが大変そうだな」


ホロバイスの首に跨るアンディは、クラウザーに笑い描け。


「ジッサン、そ~でもないよ。 コイツは、取り分け大きく成った方で、大抵は俺達人間と同じぐらいの大きささ。 それに、この種族は極限の環境に適応したらしくてさぁ、一回大量に食べると半月以上は食べなくても平気なんだ」


「ほう、これは不思議な」


ビハインツは、それでも一回の量が大変だろうと。


「だが、買う魚の量も半端ではあるまい?」


アンディは、辛味と甘酸っぱさの含む乾燥した木の実を齧り。


「モゴモゴ・・ウヒハ・・だいろ~ぶ」


「あ?」


すると、ホロバイスと並走するズングリムックリの雛の様な大型鳥類に跨る黒肌の女性が。


「アンデルの親戚は、大半が海の漁師。 しかもアンデルは何でも屋を営む傍ら、モンスターの亡骸の部位を武器屋や防具屋に卸してる。 金に困ってはいない人間なの」


と、説明をくれた。


この彼女は、アンディと同じく根降ろしの剣士だ。 名前は、ニュノニース。 黒い肌は、黒人の人種では無く。 闇の眷属と云われるダークエルフだかららしい。 自然を愛すエルフに対し、闇の精霊や神々を愛するダークエルフは、悪魔や悪党に利用されて迫害された歴史を持つ。 肉体を構成するエネルギーに、闇と魔が深く関わる為に、悪の要素に傾倒しやすい一面が在ると云われて来たが。 超魔法時代以降、それは悪しき一族と云う先入観を保たせたがった一部の者が作ったウソで在ると証明された。


が。


今もダークエルフへの迫害は、世界の闇に蔓延っている。 特に肉体がグラマラスで、女性の美女が生まれ易い特徴から、奴隷・玩具として繁殖を目論む悪党が居て。 金で女性の肉体を斡旋する店に、この種族が多いのは現実だ。 しかも、エルフの一族が神に作られたのに対し、ダークエルフは悪魔との混血に人や亜種人の血が混じって誕生したと云う歴史が在り。 純粋なエルフは、生理的にダークエルフを嫌う傾向が在る。 神と精霊に寄り添うエルフが嫌ったのは、歴史的に彼等が忌み嫌われる要因でも在り。 この種族の不仲は、今も続いている。


人もそうだが、そうゆう目で見られる環境で育つのだ。 反発して真っ直ぐ伸びる者は少ないし。 その命も短命に終わる者も少なくない。 因みに、男性のダークエルフは非常に真っ黒な姿に生まれ。 子種を持たないらしい。 しかも、生まれる確率が極少らしく、魔力が高いので人攫いから常に狙われる。


キツい感じの目付きをするニュノニースだが、会話は温和的で美声だ。 リュリュが彼女を気に入り、オリヴェッティやルヴィアを彼女の乗る動物に乗せた。


金色の羽に身を包む大きな雛は、目付きだけがふてぶてしい食わせ者の様な印象を受ける。 この生き物は、スウファンと云う俗名が呼び名に成っている。 “スウ”と云うのは、所々で雛をこう呼ぶらしく、飛ぶ雛で“スウファン”と名前が着いたとか。 目付きが微妙で曲者感がプンプンするが、性質は犬に近い大人しいもの。 云う事を聞いた事に対して、撫でたり抱き締める事を喜びにし。 非常に優秀な家畜の一つに挙げられる。 只、その繁殖が上手くいっておらず、見かけるのが少ない生き物だった。


因みに、このスウファンはニュノニースの家族で。 名前を“カミジンコ”と云うらしい。


それと・・・。


「・・・」


Kを覗き込む不気味な子供の様な生き物が居る。 容姿は老人ぽいのに、古びたローブに杖を持ち。 鼻が団子鼻もいい処。 助ける時はカミジンコに乗っていたので解らなかったが、同じ土台に降りると5・6歳の子供の様な背丈しかない。 灰色に近い髪は伸び放題で、目が隠れて見えない。


寝ている状態から、Kが。


「何か用か?」


その変わった子供の体つきをする老人の様な人物は、Kを見ながら。


「あのバグを瞬時に殺すなで、普通では無いのぉ。 お前さん達はぁ、サニーオクボー諸島へ何しに行く気だどさ?」


「観光さ」


「“観光”・・の。 普通なら、旅客船を待ってど、乗るのが普通なのにだば。 このモンスターの多い場所を抜けよう提案するなんど、キチ狂いにも程が在るどえ」 


「モンスターに勝てる見込みなんて、遣らなきゃ解らんさ。 それに、これはチームで動く冒険だ。 行動を制限されたくないんだよ。 旅客船だと、船の上から見回って終わる事も在る」


「・・島に降りる気だどかよ。 このモンスターの活発化した時期にが?」


「冒険だもの、その覚悟は出来てる。 冒険者の元の意味は、“死に場所を探す者達”から来てるんだぜ?」


Kに突っ掛かっているのは、コロビット種と云う亜種人の僧侶パング。 既に絶滅したと云われる小型亜種のコロボッカーと、ホビットと呼ばれる亜種人の混血である。 大地を基本にした精霊・神信仰をする彼等は、器用で魔力が高いのが特徴だ。 人を好まない人種でも在り、地方の都市や地下に住む傾向が有る。


このパングは、サニーオクボー諸島に行きたいと云ったK達と距離を置く。 こんな風に突っ掛かる割に、余計な雑談はしない。 助けた日から、かれこれ三日目。 今夜にはノズルドの街に入れると予想されるが。 助かった礼すら言ってない人物だった。


一度。 この湿原に棲む肉食モンスターの大型キツネに襲われたが。 ウォルターとオリヴェッティの魔法で撃退している。 リュリュが傍らに居るオリヴェッティの魔法は、威力が嵩増しされるらしい。 その威力に、唱えた本人が驚いたほどだった。


氷原を抜けた先は、もう海まで白い砂丘が延び。 港を持つノズルドの街は、延々と続く浜辺にそそり立つ城塞の様な姿をしていた。 夕方に見たその黒いシルエットに、久しぶりの長旅をした一行は、Kとリュリュ以外がほっとした表情を浮かべたのは当然だろうか。


ノズルドの街に夜の入りで入った一行。 街並みが古く、なんたら区と云う区画の整理が行われて来なかったらしい。 港から続いてくる石の大通りが、高波も考えて台地とした街の中に上り坂で続いてゆく。 アンディ達に案内され、城壁で囲まれた街中の高台と成る繁華街に向かった。


炙れた冒険者や、行商や交易を行う商人他。 後は船乗りらしい住人が往来を埋める繁華街に来ると、アンディが。


「皆さんは、ここいらで疲れを癒してよ。 高い宿に入れば、温泉の浴場も有るし。 色んな店がごった返してるけど、食べる店は何処も魚が美味しいよ」


と、教えてくれる。


オリヴェッティは、厚手のコートのしっかりと閉じていた首周りを覆う襟を緩め。


「御二方は、これから斡旋所へ?」


この時既に、ニュノニースは大型の家族であるカミジンコとアンディのホロバイスを連れて、街の裏側に広がる住宅地へと別れている。


アンディは、パングを共にするのみで。


「はい。 さっさと薬草を納めたいんで」


パングは、どうも面々が訝しくて気に入らないとそっぽを向いている。


オリヴェッティは、穏やかに頷くと。


「もし宜しければ、明日にお付き合い出来ませんか? 一同街を見回りたいので、案内して頂けると嬉しいんです」


と、云った時だ。


Kが。


「それは、場合によりけりだ」


と、口を挟んだ。


皆が黒い影の様なKを見る。


「あ・・」


返事をし損ねたアンディは、一同とKを見る。 何か気に障ったのではと困る。


処が。


Kは、アンディに脇目を向け。


「あの丘陵草原に自生する草は、寒さに強いが水分多寡の状態では新鮮さを落す。 もし氷が草に葺いているなら、今夜中に乾燥させないと劣化する。 彼がその作業をしないなら、明日の案内も出来よう。 が、彼がそれをするなら、そんな暇は無い」


と、云うと賑やかな通りに身を翻し。


「あの採取時は、モンスターを警戒して雑な仕方だった。 コイツもくれてやるから、さっさと報告に行くんだな」


と、歩き始めた。


「はっ?!」


アンディは、自分の右腕脇。 マントの切れ間に麻袋の小さい物が有るのに気付いた。


「なぬ?」


「お・・、スゲェ」


今見て、それを確認したルヴィアとビハインツ。


クラウザーもKの方を見て。


「そう言や、アイツは凄腕の薬師でも在ったな」


と、歩き出す。


アンディに一礼をして、カバンを持ったウォルターも歩き出し。


「ほう、それは良く知らなんだ」


と、クラウザーの右後方に着く。


アンディと仲良く成ったリュリュも、


「ケイさんの言う事に、間違いはないよ。 早く持っていってぇ~」


と、言い置いてから。


「ケイさぁ~ん、まってよぉ~」


と、走り出す。


オリヴェッティも、Kの知識は絶大な信頼を置けると。


「アンディさん。 お付き合いの件は、明日に。 今は、早く行って下さいな。 我々は、この辺で宿を探しますので」


ルヴィアやビハインツも、軽い挨拶を残して通りを行く。


「・・・マジ?」


呆気に取られたアンディは、そのままの顔をパングに向けた。


僧侶で在るだけの彼は、困った様子で。


「わしゃが知る訳にゃ。 斡旋所に行くしかにゃ~ぎゃ」


アンディは、慌てて斡旋所の方に向かった。


夜の繁華街から北西に少し行った所。 煌々と魔法の明かりの灯る水晶が、街灯の様に敷地内から建物を照らす。 小ぢんまりとした屋敷・・いや。 城? 尖がり屋根をした物置サイズの物見部屋を持つ建物は、魔法遣いが好む奇抜な屋敷より変わったものだった。


路地と云うには、少し広い通りに面した外壁の切れ間。 三段ほどの石階段が在り、その先は敷地の庭へと通じている。


アンディとパングが急いでその屋敷に駆け込み、依頼の書かれた紙が張られた掲示板を抜けると・・・。


「ウヒッヒッヒ・・、こんな時間に誰かと思えば、アンディとはねぇ~」


男なのか女なのか解らない微妙な声色がする。 カウンターが横に伸び、其処に立つ黒いローブから声が聴こえて来たのだ。


「バンチャーさんっ、コレを鑑定してっ!!」


主の名前を呼び、アンディが薬草などをカウンターに出した。


「お、依頼したヤツだねぇ」


声は聴こえる。 だが、その黒いローブの顔の部分は、真っ暗な闇に支配されて見えない。 天井には幾つものグラスランプがぶら下がって、まぁまぁの視界は確保されている。 だが、にも関わらず、主の顔が見えないのだ。


そして。 アンディが置いた麻布の袋に主の着るローブの裾が延びれば、独りでに綴じられた口紐が緩む。 綴じていた口紐が緩むと・・・。


「どらどら・・・」


急に裾から手が伸びた。 真っ白い生身とは思えない肌をした手で在る。 赤黒い混ざり方の曖昧なマニュキュアが塗られた爪は、細かく手入れのされた美しい様子。 この主は、一体何者なのか・・・。


アンディは、Kに云われた事をそのまま口にして。


「濡れてるのって、ヤバいのっ?!」


手を伸ばして袋の中の草を取り出す主は、


「そうさねぇ・・。 氷なら、まだいいのさぁ。 びっしょり濡れるとダメだねぇ」


と、取り出す。 すると、草には白い霜が所々に葺いていて、その場所だけ、少し黒ずんで変色していた。


ローブを着た主は、見えているのかどうか解らないのだが。


「あらら、これは危ない危ない。 随分と雑に摘み取ったんだろう?」


「ゴメン、バンチャーさん。 ドロドロした虫みたいなモンスターに襲われたんだ」


一応の状況を報告しようと、アンディは最初に襲われたモンスターの事を云った。


それに対して、バンチャーと云う主らしき人物の手から、霜の葺いた草がカウンターへと落ちた。


「な・・何だって? 嘘は言わない方がいいよ、アンディ」


しかし、嘘ではないのでパングも。


「主よ、ウソなんじょ云わんがど。 逃げ道塞がれてぇよ、仕方なーぎゃからリザードのザコばぁ振り切って逃げようとさしたんばぁ~」


バンチャーと呼ばれた主は、そのローブを纏う身を乗り出し。


「アンディ、そのモンスターはどうなったぁ?」


「え? あぁ、僕達を助けてくれた冒険者チームが居て。 その中の黒い格好をした剣士に倒されたみたい」


「なぁぬっ?! “倒された”だぁっ?!!!」


急に怖い威圧感が見えたバンチャーに、アンディは仰け反る程にビビって。


「だ・だって、ホントだもんよ。 虫の巣ごと、地面が抉れてたよ。 結構離れた場所から、土が爆発的に空中へとぶっ飛ぶのも・・見えたし。 ねぇ、パングさん」


「おう・・、どうやったかはわがんねぇ~がお。 確かに、モンスターは居ねがった」


二人の話を聞いて、身を戻すバンチャー。


「俄かには信じられないがね・・。 アンタ達が生きてる以上、それは保留にしておこうか」


と、Kの渡した麻袋も開いた主。 草を取り出せば、しっかりと処理のされた採取の仕方に手が止まる。


アンディは、主がまた固まったので。


(なに・・なになに?)


と、恐る恐るの足取りで近付き。


「それ・・虫を倒した人が・・・」


すると、バンチャーはローブごと頷く。


「なるほどね。 これは、一流の仕業だ」


と。


「え?」


アンディは、パングと見合ってからカウンターに寄る。


バンチャーは、その汚れ一つ無い草を見せ。


「葉の表裏、汚れ一つ無い。 草が傷まない様に重ねる形も考えられているし、水分が入らない様に何かで覆ったか。 そうゆう場所に保管したんだろう。 しかも、水分を吸う草も底に入れてある」


「・・・、仲間の人が凄腕の薬師だって言ってた」


主は、黒いローブの顔をアンディに向け。


「これが、本物さ」


アンディは、ガクリと頷く。


「いい勉強したと思いな。 さて、乾燥に回すとしようかな。 アンディ、痛んだ分の補償として手伝って御行き。 明日の昼頃まででいいさ」


と、主は報酬の支払いに移った。


その頃。


オリヴェッティ達は、賑わいの華やかな大型大衆向けの飲食店に入った。 奥間の大型テーブルを囲む一同だが。


「歳を取ると、余計な事がどうでも良くなるようじゃな。 不思議と、何とも思わん」


と、ウォルターが。


ルヴィアから、


“この様な場所で、ウォルター様は大丈夫か?”


と、問われた事に対する受け答えである。


Kは、スープに浸かる魚の身を解しながら。


「旅先で我儘なんぞ言わせるか。 食えるだけ、寝泊り出来るだけ有り難い事も多い」


と、何てこと無い様子で言う。


ウォルターは、白い顔を微笑ませ。


「フフ、手厳しいの」


と、返しただけ。


だが、ビハインツは内心で思う。


(この貴族の爺さん、妙に悟ってる気がするな。 この街に来るまでの数日、文句を言った事も無い。 なんだか、それこそクラウザーさんみたいに楽しんでる様な・・)


寒空の中、Kが用意した草陰などで寝る毎日だったが。 ウォルターも、クラウザーも、文句など言わなかった。 寧ろ、自力で狩りを任されたり、モンスターと遭遇するスリルを楽しむかの如く生活をしてる。 そしてこの二人は、まるで戦友と云うか。 互いに分かり合った友人の様に付き合っている。


クラウザーは、この席で。


「処で、カラス。 何時頃に島へ?」


Kは、リュリュに手を出すだけで、魚の身ごとスープを啜っているのみ。


リュリュは、Kから発言権を貰ってウキウキしながら。


「明日からその次の日まではぁ~、風が強くで無理だよ~ん。 海の上は、相当にビュンビュンチャプチャプ~」


クラウザーは、それだけで大体が解る。


「ふむ。 その様子では、個人的な風を頼る船は出せまい。 ワシが島に行った時は、大陸から島の唯一の中継地まで四半日。 此処からじゃと、どのぐらい掛かるのか・・・。 明日は、その辺も含めて情報収集が必要だな」


Kは、余計な説明の要らないクラウザーに、自身の水の入ったコップを持ち上げ。


「ご名答。 明日にゃ明日の風が吹く。 明日に何を決めても、問題は無い」


ウォルターは、貴族なら食事にも煩いはずなのだが・・・。


「しかしながら、この料理の見た目の悪さと粗末さと、反した味わいや味の食い違いが何とも云えぬ。 粗末に見えるが、これが元来の料理と云うものなのだな。 無駄が無い」


Kは、口元を歪めて。


「褒めてんだか、貶してンだかな。 ま、だが感想としては当然か。 格式や見た目を重んじる料理ってのは、偶に記憶に残る食べ方をするのがイイのさ。 毎日食う方が、バカに成る。 “知る”のと、“溺れる”のは違うってヤツよ」


それを聞くルヴィアは、何とも微妙な面持ちだ。


だが、クラウザーが。


「確かに、な。 妻と二人して、高い店に行った記憶などは朧気でも覚えてるものだが。 貴族だの商人と彼方此方行った店の味など覚え切れん。 あの豪華さが普通に成ると、普通のこの味が何だか解らなくなるのかもな」


オリヴェッティに至っては、パンとスープを味わいながら。


「没落した我が家では、毎日豆を煮たものなど食べられればいい方でした。 普通のお店の味ですら、美味しいと感じます」


此処でルヴィアが。


「つまりは、幼い頃から培った味の度合いと云う事なのだろう?」


と、云うと。


「そうだろうか、の」


と、ウォルターが口を挟んだのである。


久しぶりに乾燥パンや干し肉の味から離れられた事が、ルヴィアは意外にも嬉しかったりする。 貴族の一員として、幼い頃から一流の味と教え育てられた彼女からすると、ウォルターがこう云うのが解せない。


「ウォルター殿。 御貴殿も、幼い頃から食事は豪勢で在ったのだろう?」


ワインに手を伸ばすウォルターは、


「如何にも」


と、喉を潤す。


「では、同じ身の上。 何が引っ掛かるのだろうか」


グラスを空けたウォルターに、まだ飲もうとするクラウザーが手に持つボトルを強調してくる。 頷いて御代わりを貰ったウォルターは、パンを手にし。


「それは、例えばだ。 このパン一つでも、極める仕方一つで味が変わる。 果たして素材を高価にし、貴族が通う店の料理人がパンを焼いたとしてだ。 それが、本当に一流と云えるだろうかな」


ルヴィアは、その話に論点が見えなくなり。


「何を云っているのか・・。 一流に決まっているではないか」


すると、ウォルターはパンを千切りながら。


「では、このパンは三流か? ルヴィア殿が幼い頃に食べたパンと、これはそんなに食い違うと云うか・・見劣りするものかね?」


「・・そ・それは・・・」


急に問われ、答えを口に出来なくなったルヴィアは、パンを手に取ろうとした手をテーブルに落とした。


「このパンを三流と言い切れるのは、味を知らぬバカか、極めた天才だけだろうな。 逆に言えないのは、パンの味を知らぬか、今まで気にして来なかったかのどちらかだ」


K以外の全員が、そう語るウォルターを見ていた。


リュリュは、顔行きを曇らせるルヴィアを横に見て。


「ウォルターのおじちゃん、ルヴィアを苛めてる?」


「ふぁふぁふぁ、苛めてる、か」


と、笑ったウォルターだが。


「だが、この論議は重要じゃ。 三流と言い切れたのなら、バカか天才かは別に、己の意思が在るからの。 良し悪しを別に、それはそれでいいのだ。 だが、云えぬのは問題だ」


と、真顔で言う。


クラウザーは、なんとなく云わんとしている意味が解る。


「詰まりは、味を知らないのは、他の経験を無駄にした意味で。 気にして来なかったのは、作られたパンになんの思いも無い・・。 こんな所か?」


「エクセレンテだ、クラウザー殿。 流石に、伊達に長生きして海を制覇した方では御座らんな。 そう、知らないとは他を見ないか。 若しくは、パンをどれも同じ物と見る感受性が低い証。 食べられる事が当たり前で、その作られた過程で食い違ってゆく繊細な違いを見分けられない。 例えば、このパンがそうだ。 此処は港街で、魚が料理に多く取り入られている。 塩や木の実から取れるオイルなどが味と風味の基礎に成るから、塩を抑えて柔かく作っておる。 これに比べてアハメイルでは、焼き立てが好まれるから、少々塩味がハッキリ出る。 元来の小麦を味を喜び、料理に合わせるならこのパンの方が宜しいな。 スープに浸してよし、オイルとジャムでゆくのもいい」


クラウザーは、ワインのボトルを持ち。


「ならば、これはどうだろうか。 赤ワインとして、これほど甘みの在るワインは珍しい。 味わいにしても、コクを感じるに熟成は中々。 なのにこの舌触りの新しさは、赤とは思われぬ」


「ふむ、確かに。 先程から、舌を拭うワインが美味いと何度も思うた。 クラウザー殿、これは地元の銘柄で御座ろう?」


「そうですな」


その光景を見るルヴィアは、人生も終焉に向かう老人二人が、たった料理一つでこうも話し合えるものかと困った。 この料理をどれだけ食べても、自分にはそれを談論にする事は出来ない。 寧ろ、幼い頃から食べていた味ですら、談論にするのは苦しい。


そんなルヴィアが、ふとKを見ると・・・。


「これ美味いな」


「あぁ、懐かしい感じの味がする」


と、ビハインツと何かを食べている。 それは、豆を乾燥させ、塩と砂糖の二種類の味に分けて炒ったものだ。 ボリボリと噛み砕くビハインツも、ポリポリと一つ一つ齧るKも、病み付きの様にその豆を食べていた。


遠くの様に見えるその食事の風景。 思えば、ルヴィアの食事は、無言の中だった。 政略的な結婚が課せられた使命の様なものを背負って生きた幼少期から少女期のルヴィアで、ルヴィアには妻として成功するための躾が全て。 誰かと何かを語らい共に共感して過ごした記憶は、全く思い浮かばない。 自分の兄弟ですら、人形の様に家では生きていた。


(思わされた事が、今だに私の根底を支えているのか。 高々パンの味・・、こう思うのも思い上がりなのか)


確かに、自分にはパンの味の違いが良く解らない。 飲んでる同じワインが、他のワインとどう違うかを論じるに至れるだけの表現が出来ない。 たった豆の簡単な料理を食べても、それをさして美味いと思わない。


いや・・、感じてない。


ルヴィアの脳裏に、死んだ前のチームリーダーが浮かんだ。




                        ★




次の日


温泉の在る構えの立派な宿に泊まった一同は、その宿に数日逗留する形を取った。


K曰く。


“一番簡単な流れとしちゃ、冒険者の仕事として島に行きたい者を捜すのがいい。 護衛を買う代わりに、島の中央まで行って探索したいと持ちかけるのさ”


と。


だが、そう上手く行かない事も考え、二手に分かれる事にした。 オリヴェッティとルヴィアにリュリュやビハインツやウォルターを加えた5人は、斡旋所に行って仕事を調べるとする。 街を見回りたいから、そのまま巡る方向だ。


一方、Kとクラウザーは、港の漁師や船乗りを尋ねる事にした。


朝食を宿で終える一同は、窓に吹き付ける海風で感じる。 薄暗い陽の光、ガタガタ云う窓。 明らかに天候が悪い。


外に出れば、潮の匂いを孕んだ冷たい風が吹き付けてくる。 各々がコートの襟首を絞めて、薄曇の街に出た。 夜では良く解らなかったが、建物が密集した繁華街は街灯らしきものが無い。 外に店が出す灯りが道を照らしていたのであり、こんな街は古い方だ。


襟首が高い顔の下まで隠すコートに身を包むKだが、その外は誰よりも軽装だ。


「カラス、もっと着なくていいのか?」


長い灰色のマフラーを回したクラウザーは、Kを気遣うのだが。


「生き方同様、ヤワな体じゃないさ」


と、無表情に近い物言いをするKに対し。


「そーだぞっ。 ケイさんど~よ~、ヤワなカラダじゃないぞ~」


と、同じくらいの軽装しかしてないリュリュが云う。 真似をしたくて仕方の無い年頃の様だ。


が、真似られた方は、


「ヘッ。 ママ代わりの女の懐に潜り込むガキに、同じセリフを云われたかないね」


Kは、夜に成るとオリヴェッティに甘えるリュリュを突け離した言い方をして、港に歩き出す。


「ブゥ~~~~」


頬を膨らませむくれるリュリュ。


だが、


「では、港を見て回る。 旨く良い仕事が在ると願う」


と、クラウザーもKの後を行ってしまう。


「さて、では我々も行きましょう」


と、頭と首に巻くベールの様な長いマフラーを纏うオリヴェッティが、皆に声を掛けた。


斡旋所を探しながら街並みを見て回る一同だが、もう仕事に向かう者も見当たらない頃合い。 宿前や飲食店の在る繁華街通りを歩く人は、夜とは全く違って疎らだ。 土壁、石壁、煉瓦などの古い佇まいの店が多く。 外壁に亀裂や痛みが見られるのは、何処の建物も同じと云う様な中を行くオリヴェッティ達。 強く冷たい風が吹きぬける街中は、開いている店も少なく。 魚介類を捌く店だったり、凍った野菜をゴロゴロ並べた店が在ったり。 少し洒落た雰囲気の茶屋が在っても、その隣が薄暗く店内の見えない店だったり。 武器や防具を陳列出来ない所為か、張り紙だけが目立つ店も・・・。


さて、狭い通りを行く中で、ボロいコートを纏った冒険者らしき男性と擦れ違った。 剣を脇に下げているのが服の形から解るのだが。 ジロっと目を向けて来るだけで、雰囲気は非常に宜しくない。


「・・・」


確実にオリヴェッティが一人で歩いていたら、絡まれそうな眼光だった。 オリヴェッティをジロっと見回した目付きに、ルヴィアが気味悪く思ったほど。 手を繋いでいたリュリュと視線が合った時、前に顔を持って行きながら皺と云うか、顔の彫が深く成ったのには、ビハインツも危険性を感じた。


(なぁ、ルヴィア・・・)


肩を並べたビハインツが呟くと。


(あぁ、一人歩きはしないほうがいい街だ。 我々は良いが、ウォルター様やオリヴェッティは不味いと思う)


その後も、身形がけして良いとは思えない子供達の集団と擦れ違ったり。 手押し台車を押し引く夫婦らしき者と擦れ違ったり。 やはり交易船以外での人の交わりが少ない地域なだけに、隔絶された感じと云うのか。 余所者も普通に受け入れると云う雰囲気が薄い。 天候も悪い分だけ、尚更暗い街と感じられた。


街を治める領主館や役人が居るのが街の上の方らしく、寺院なども高みに在るらしい。 だが、高台中腹の街は、住宅もごっちゃになっているので迷路の様に迷い易い。 小さな石階段、歪んだ短い坂道、小刻みに段々の築かれた街並みを移動するには、そうゆう場所を登って、うねる様に建物の間を進むしかない様だ。


「斡旋所の在る通りは、少し幅が広いと聞きましたが・・。 良く解りませんわね」


迷った雰囲気を出すオリヴェッティ。 使い古された網籠の積まれた脇を抜け、苔むした階段をまた上がる。


此処で、リュリュが。


「あ、向こうから魔法の力がするよ~」


と、左の細い路地に指を向けた。


宿で聞いた行き方では、少し幅広い通りにぶつかるまで上って行けと聞いたルヴィアだ。


「まだ、道幅が狭いな。 だが魔法遣いなら、場所も知っているかも」


ビハインツも、住人みたいな者としか擦れ違わず。 冒険者らしき者が見えないので、何処かで聞いた方が良いと思い始めていた。


歩く事に文句を言わぬウォルターだが、


「しかし、良く解るの。 私でも感じられぬ距離の派動だ」


と、リュリュを見る。 その目は、少し鋭いものだ。


「まぁ~ねぇ~、ケイさんに負けないよ」


と、リュリュはオリヴェッティの手を引き。


「行って見よぉ~」


と。


「あっ、えぇ」


住宅と段差下の建物との境の路地を行くリュリュは、オリヴェッティの手を引いてどんどん進む。 頭をベールで包み、顎の下も柔かいコートに付いた襟巻きの様な襟首で隠していたオリヴェッティだが。 小走りに成る事でそれがずれて行く。


「リュリュ君っ、ウォルターさんも居るんだからっ」


急ぐ必要は無いと言い聞かせようとこう云う時、急に幅の広い道に飛び出た。


「あら」


煉瓦敷きの綺麗な道で、右側には住宅の塀が並んで向こうまで見えた。 雑多で古めかしい田舎町の様な景色が、急に風変わりした様な通りである。


「おい、あまり離れるなっ・・ん?」


後から来たルヴィアは、その雰囲気が変わった通りに。


「まさか、此処の通りか?」


と。


其処へ、ビハインツとウォルターが続いて遣って来る。


「おぉ、様相が変わったな」


と、ウォルターが言えば。


「ですね。 何処で道を間違ったんだろうか?」


と、ビハインツ。


通りの向こうには、数人の一団が歩いて来ていている。


右手の通りの先を見たオリヴェッティは、更に奥側へと上がって曲がるのを確認したので。


「あのまま建物の間を行こうとしていたら、もう少し上らないといけませんでしたわ」


そしてオリヴェッティは、此方へ来る集団の一人から魔力の余波を感じる。 軽い魔法が遣われたのだろう。 何より驚くべきは、もう余波となった魔力の塵をリュリュが感じていた事だ。


「リュリュ君、凄いわね。 既に使われた魔法の跡で気付くなんて」


と、彼を褒めると・・。


通りの先を見てるリュリュは、


「それだけじゃないよ。 向こうでまだ魔法が遣われてる」


リュリュの言葉は、当っていた。 斡旋所らしき屋敷の様な建物の前に来れば、そこから魔法の波動が感じられる。


ウォルターは、そのちぐはぐと云うか、めっちゃくちゃな様式の建築物を眺め。


「ふむぅ。 この世の中で変わってる者とは、全て都会に在ると思うておったが・・・。 これはまた、何とも風変わりな建物だ」


屋敷の様な部分と城の様な部分が混ざり。 しかも、さほどに大きく無い。 奇抜なのに、大きく主張したくないという感じだろうか。


そして、中に入れば・・・。


薄暗い広間は、木の床でギィギィと音を立て。 数列の掲示板に張り出された依頼の紙は、何時頃の依頼か解らない程に古い物が在りそうな紙も在る。 カウンターに向かえば・・。


「いひひひ、これは珍しい。 余所者が来よったわい」


と、あのローブの中身が解らぬ主が居た。


斡旋所まで来れば、オリヴェッティやウォルターも魔法の波動を容易く感じられた。 この建物の地下から、魔法の波動が感じらる。


カウンター前にて、主と対面したオリヴェッティ。 サニーオクボー諸島に渡る上で、協力し合える仕事はないかと聞いてみた。


「ひひひ、あのモンスターの巣窟に行くってぇ? そんなヤバぁ~い仕事、地元の人間が持ち込むものかよ」


「全てを巡る必要は無いんです。 中心の島に行ければ」


と、オリヴェッティが云うと・・。


「あ? “中心の島”? うひゃひゃひゃっ、其処まで行くのが困難なんだよぉ~。 だぁ~から魔力水晶を有した船でしか今は行かないのに・・ウフフフ。 無知ってのは、面白いねぇ」


「無知では在りません。 どうしても行きたいので、お尋ねしてるだけです」


その問答の間。


(地下での魔法が停まった・・)


ウォルターは、そう感じた。


その直後で在る。


「もういいよ」


声がした。


地下から聴こえた声に、オリヴェッティやビハインツは何事かと驚いた。


しかし、変化が起こったのは、カウンターの向かいに立つローブ姿の主。 瞬く間の速さで左右にブレ出した。


「わわっ、壊れたっ!!」


と、リュリュが驚く。


ウォルターは、微動だにせず。


「“空蝉分離魔法”(ブリンキージェノマス)か。 魔想魔術の中等魔術だな」


ルヴィアは、驚く顔をそのままウォルターに向け。


「あれも魔法か?」


「そうよ。 基本的に、目に見える魔法の8割は攻撃魔法。 それだけ、幻惑の術の適正者は少ない。 この魔法は、その適正の有無が第一条件と成る難施魔術(なんせつまじゅつ=施す・発動が著しく難しい魔術)なのだよ」


ブレが全く無くなった主は、全く顔が見えないままなのは変わらずだが。 ヌゥ~っとした動きでウォルターを見ると。


「この魔術の事を解るって事は、オタクもそれなりの使い手・・だね」


と、云ってから。


「どうやら、昨夜にアンディが言ってたのは、アンタ達のようだけど・・」


と、5人を見回し。


「あのクソ厄介なバグを殺したってのは・・誰だい?」


と、問うて来た。


この5人は、Kからあの“ナミズドビバグ”の説明を受けてなかった。


ルヴィアは、驚きと意味不明の立て続けから眉を顰め。


「倒したのは、港に聞き込みに行った仲間だが。 彼が倒したモンスターは、そんなに厄介なのか?」


と、問い返す。


ローブ姿でしかない主は、


「なんだい、倒したヤツがリーダーではないのかい?」


オリヴェッティは此処で。


「私がリーダーです。 彼から、全権を預けられました」


と。


主は、まだ若く色艶が麗しいオリヴェッティに顔の部分を向けた。


「何の過去が在ったか知らないが、それは随分と凄腕の仲間を手に出来たモンだわね。 余計な話を先に言うなら、アンタ達の仲間が倒したモンスターが本当に“ナミズドビバグ”なら。 倒した人物は、世界でも屈指の冒険者だろうさ。 昆虫系のモンスターの類では、最強。 倒し難いモンスターの30傑に数えられ。 数千種のモンスターの中でも、倒したのなら名声を挙げてもいいと指定を受ける50種のモンスターに挙がっている。 氷原や丘陵草原に棲むモンスターでは、全滅度が最高に危険な相手だ」


ビハインツやルヴィアは、そのバグの正体すら見れなかった事に悔しさを思った。


だが、リュリュが。


「ふぅ~ん、そんなの当ったり前じゃん。 ケイさん舐めんなよ」


と、たんかを切る。


「リュ・リュリュ君っ」


と、驚くオリヴェッティだが。


ウォルターも。


「ま、他人の過去を言うのは紳士の嗜みから外れるがな。 恐らく、ソレぐらいの事は出来る男よ。 で、主殿。 我々が島に行くとして、手助け出来る仕事は無いと受け取って良いのかな? それとも、先程の余計な話を・・と云った以上。 それに続く話が有ると?」


ローブ姿の主は、ウォルターに横顔を向ける様な態勢に成ったまま。


「自信が随分と有るんだねぇ」


と、だけ・・・云った。

どうも、騎龍です^^


K編の続きの始まりです。


ご愛読、ありがとう御座います^人^

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