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エターナル・ワールド・ストーリー  作者: 蒼雲騎龍
K編
112/222

二人の紡ぐ物語~セイルとユリアの冒険~3

                  セイルとユリアの大冒険 3


                 第一章・旅立ちの三部作・最終編


                  ≪本当の事実に近付く王子達≫




見えない不安に駆られ、ヘンダーソンが自宅に引き返した後。 夕方を過ぎ、王都はすっかり夜と成った。


特別な書院に篭るトリッシュとエリウィンの元に、リオンが食事を持って来た。 前日に、身体を拭いて衣服を改めたエリウィンは、随分とさっぱりした顔で調べ物をしている。


さて、3人が揃って。


テーブルにそれぞれが座る中で。


先ず、エリウィンが、リオンへ。


「王子、家族は元気でしょうか?」


流石に、国葬の夜からもう10日近くが経過した。 エリウィンも、流石に家族が心配だった。


「エリウィン殿、安心されるが良い。 ポリアンヌが上手く言ってくれた様だ。 今は、年末と年始の祝賀まで、ご家族は喪に向かって心を落ち着けている。 恐らくはヘンダーソンから回されたと思われる政務官の使いが行ったそうだが、喪に服すと門前で返したそうだ。 今日に聞く様子だと、もう騒ぐ事もあるまい」


「ありがとう御座います」


「うむ。 祝賀までには、早く事件を解決したい所だ」


そう言うリオンへ、トリッシュが。


「リオン。 外の様子はどうだい? 何か、起こっているのかな?」


すると、リオンはあの死体から取り出した短剣を見せも出しもせず。


「いや。 今の所は、小康状態だな。 ただ、一つ妙な事が解った」


「ん? 何だろう」


優しげで温和な美男顔を弟に向けたトリッシュへ、リオンは難しい顔を見せると。


「実はな、兄上。 クシャナディース卿に嫁がされた女性と、元から恋仲とされたロイヤリマナフ卿の御子息・・。 どうやら、二人だけの話だけだったらしい」


結構専らの恋仲と噂されていた二人だ。 エリウィンとトリッシュは、リオンへと釘付けに成った。


今朝である。 リオンがロイヤルマナフ卿こと“エロワォーク”と云う当主に逢って、それとなく確認したのだが。 恋仲と熱を上げていたのは、二人だけだったらしい。 女性の父親にしてみればは、隠し子に近かった娘なだけに。 ロイヤリマナフ卿の様な由緒有る家に嫁いで、それこそ片付いてくれるのは、正直有り難いと言った所だったらしいのだが。 貰うエロワォークにしてみれば、身分の低い愛人との間に生まれた隠し子など、正妻として身請けするに足らず。 それこそ、ハエを追い払うぐらいの毛嫌い様で要らないと言った様子なのだ。


恋に燃える二人は、結婚を前提に付き合っていると周囲に言っていたが。 当主のエロワォークは、それには断固反対をしていたらしい。


トリッシュは、どうも変な話だと思い。


「何だか、どちらもその女性かい? 彼女を疎んじているみたいだね」


聞かれたリオンも、何とも気に食わないと頷き。


「あぁ。 クシャナディース卿に嫁いだ姫だがな。 産みの母親が、貴族として地位が低いからと云うのが原因で、屋敷の離れに軟禁される様に隠して育てていたらしい。 教育を施す為に、仕方なく通わせていた学習院で、ロイヤリマナフ卿の御子息と知り合ったとか。 ただ、その付き合いも最初は人目を憚ってらしいし。 その御子息も、彼女がクシャナディースに嫁いだ今では、彼女の事など気にもしてない様子だそうだ」


性格の真っ直ぐなエリウィンは、どうも気に入らない話だと。


「一人の人間として、どうも納得の行かぬお話ですな」


王子として生きるトリッシュも、自身の性格として優柔不断な所が在るものの。 曲がった事や不貞は嫌ならしく。


「そうだね。 でも、人妻に成ったら・・諦めも必要かも知れないよ」


と、正論を口にする。


リオンは、持って来た果汁の入った瓶を手にして。


「それが、その嫁いだ女性の運命と云うのも、また微妙な話なのだ。 クシャナディース卿に嫁いだ娘は、元々はオグリ卿の息子に差し出される予定だったと云う話が有ったらしい。 彼女は、噂でオグリ卿の息子のバカさを聞いて、他の誰かに逃げたくて。 予てから面識の在ったロイヤリマナフ卿の御子息に言い寄った・・。 こんな噂が在る」


自分も果汁が欲しいと、リオンにグラスを二つ差し出すトリッシュで。


「ん~、随分と面倒な話だね。 何処までが本当なのか・・・」


リオンは、自分を含めて3人分のグラスに野苺の果汁を注ぎながら。


「調べの進み具合では、どれも本当みたいだ。 確かに、オグリ卿からの輿入れの要求は在ったと。 但し、仲介人は・・・ミグラナリウスの御老体みたいだがね」


エリウィンは、立ち上がってトリッシュにグラスを差し出し。 リオンがグラスを取ってから、最後にグラスを手にしして。


「また、あのお方ですか」


リオンは、乾杯の仕草を見せながら。


「あぁ、気に入らないを通り越して、呆れるぐらいに出て来るジサマ・・と云う所だな」


トリッシュは、リオンに苦笑いを向けて。


「口が悪いね」


だが、リオンは、


「いや。 それだけで済めばいいが。 クシャナディース卿から恐ろしい金額の金が出て、女性は嫁いだのも事実。 どうも、彼の格上げに絡んで、色々と符号が合い過ぎる気がしてる。 その一連の事に関して、ヘンダーソンが根回しに動いていたとの証言も在る様だ。 兄上、これはもしかすると・・。 俺達は、とんでもない大きな陰謀を引っ張り出している可能性が在るやも」


すると、トリッシュは間を置いて頷いた・・。


「リオン・・、今さっき、解った事だけど。 ミグラナリウス家は、過去にハレンツァ家と共に追放されたアルグレット侯爵と、非常に親密な間柄にあるみたいだよ。 それは、在る意味の映し身だと思う」


今度は、リオンとエリウィンがトリッシュに釘付けとなった。


エリウィンは、思わず声を上げ。


「トリッシュ様っ・・、何かお解りにっ?!!」


リオンも。


「兄上、とうとう突き止めたか?」


二人に見られるトリッシュは、今まで見ていた古い家系図に、養子や廃嫡などの説明を抜き出して書いてある物を、テーブルの真ん中へと置き。


「結論から言うと、ミグラナリウス家は、アルグレット家なんだ」


リpンは、話が飲み込めず首を傾げ。


「ん・・、一族を貰って、貴族に成ったから?」


「いや、それ以降もだ。 家系図を一見すると、アルグレット家にミグラナリウスの誰かが。 そして、その逆で、ミグラナリウス家にアルグレット家の誰かが養子に行った事は殆ど無い。 でも、二つの家は、幾つもの貴族家に養子や養女を送り、その全てが各家の当主に成っている。 そして、其処に養子・養女を送り付け。 その子供を、当主の座を受け継ぐ誰かが無くなる時に、受け入れている」


リオンとエリウィンは、家系図の長きに渡るその証を見た。 あの粛清の時。 追放された別の2家。 及び、沈黙を護って連座しないままに、ミグラナリウス家を筆頭とした系列の貴族が居たのだ。


トリッシュは、その家系図を解り易く、自分なりに書き出したものも見せ。


「正しく、あの粛清の時、アルグレット家の娘3人は、消えていて。 何故か、親戚筋の家に子供が増えている。 その子供は数年後に、ミグラナリウス家を始めとしたアルグレット家と縁の深い3家に、それぞれ養女として迎えられ。 それぞれが領家の貴族筋を婿に迎えて、なんと当主を・・・継いで居る。 僕の推理が正しいなら、ミグラナリウス家以外の2家は、家を存続させられなかった様だけど。 ミグラナリウス家に後を託したんだと思う」


「兄上、真か?」


「今、隠棲しているミグラナリウス老人だけど。 母親を、アルグレット家の血を存続させて来た疑いの在る家の一人娘に当り。 祖母は、ミグラナリウス家に後妻として入った女性としている。 でもこの祖母もまた、吸収と云う形で、もう一方のアルグレット家の血を存続してきた家の最後の娘に成るんだ。 ミグラナリウス老人は、アルグレット家の残された血を集約して産み落とされた人物と云ってもいい」


エリウィンは、興奮した様に。


「ですがっ、証明は難しいのでは在りませんかっ?」


トリッシュは、他に集めたスクロール状の紙を指差し。


「全てに於いて、関係している核はアルグレット家。 関係する家は、全てアルグレット家の血を分けて貰って貴族と成り。 そして、アルグレット家に忠随した政治活動を行っているんだ。 証拠は無いけど、この追放時の裏側で、3人の養女と成る娘を育てていたとされる寺院。 この内部記録なんかを見れば、その全貌が明らかに成ると思う」


リオンは、なんとも掴み切れないむず痒い話に。


「一体、アルグレット家とは・・何なんだ?」


と、漏らす。


「リオン。 アルグレット家は、ポリアンヌの家の下に在った古来の貴族みたいだ」


「本当か? 兄上・・」


「ん。 創世神話記で邪神や魔王を追い払った中で、民を率いて各軍勢を指揮した王家。 その王家は、世界の国に散った。 だが、フラストマドを建国した王家には、双子の兄弟と、妹が居て。 双子の兄弟は、それぞれ今の王家の2家に成る。 そして、その妹の夫であり、双子の兄弟とは従兄弟に成るのが、それがポリアンヌの家とされる。 しかし、アルグレット家は、そのポリアンヌの家の一族の親戚なんだけど、元は名前が違ったらしいよ。 と或る時に、あの家の当主が国に叛旗を翻し、当主の弟がそれを粛清した。 そこで、アルグレットと云う名前に変わるみたいだ。 昔から、貴族の権威を異常に誇示する一家でね。 貴族主義最盛の時代には、高額な税に反抗した民衆を虐殺した経歴も或る。 貴族社会の崩壊時、あの粛清前には異常な法案をも提出しているよ」


リオンは、兄の広げたスクロールを見て。


“貴族の地位及び権限を永遠に保障し、王もその権限を侵すことを赦さない”


“貴族社会を崩壊。 若しくは、そうさせようと市民が扇動をするなら、これを極刑に値する処罰を以って鎮圧出来る”


と、異常な考え方を示す法案の原案論を過去に出したと見て、余りの強権ぶりに驚いた。


「何だと? これでは丸で、自分達が神の様に振舞っているみたいじゃないか」


「そう言っても過言じゃない。 ポリアンヌの家は、王都とアハメイルの行政に、協力と云う任命によって参加してるけど。 アルグレット家は、公爵家に楯突かないだけで、お役目の権限を私物化して来た様子が窺える。 それを可能とする様に、位の高い家や王家筋に妻を多く送り出してる。 隠しても隠し切れない程に露呈する遣り方だから、相当強引に押し付けてたかもしれないよ」


「なんたる事・・只の業つくだっ」


20半ばを過ぎようと言うリオンだが、気質からかこうゆう処は青臭い一面を覗かせる。


だが、兄のトリッシュは、リオンのこうゆう部分を好いていた。


「リオンは、真っ直ぐだからね。 でも、これはこの一家に限った事じゃ無いよ。 昔は、我らが王家も、他の貴族も同じ事を強いた時期も在る」


「だがっ、兄上っ。 今は、その様なっ!」


憤るリオンの気持ちを、トリッシュは和らげる様な頷きをして。


「うん。 でも、変われる者と変われない者が居るのは、世の常。 それを、王家が指針を出して、時の流れを味方に矯正して行くしかないんだ。 一人でどうこう出来る事じゃない。 しようとすれば、このアルグレット家の様な強制的な事に繋がる」


「ん・んん・・」


返す言葉が無かったリオンだが。 今に成って、初めて兄とこんな事を真剣に話し合ったと思う。


(兄上は、その様な考えを持ち続けていたのか・・。 これなら、そう易々と他の考えに染まったり、流されたりしないな。 知らなかった・・、兄の本当の気持ちなど)


リオンは、諭された様に言われ、兄の気持ちを知る事と成った。 あまり多くを語らない兄で、何時も儚げに微笑んでいるから、もっと軟弱と思っていたのだが。 意外に、しっかりとした芯と云うべき軸と云うか、考えを持っている様だった。


リオンは、自分達兄妹を見守るエリウィンを見てから。


「とにかく、その寺院に行って調べてみるしかなさそうだ」


トリッシュも、


「裏づけは必要だね。 でも、大きくしないように、リオン。 力押しは、時として悪い印象しか与えないから」


「あぁ。 解ってる、兄上」


エリウィンは、そこで。


「しかしながら、ミグラナリウス家は、此処最近に重要なお役目が少ないですね」


トリッシュは、それにも理解が行く様子で。


「当然・・かな」


「え?」


「ミグラナリウス老人は、若い頃に人一人を殺めているんだ」


「ほっ、本当ですか?」


「我が父から聞いたよ。 貴族社会を嫌う男性で勉学だけで出世して、政務官として法務部に務める男性が居た。 若い頃のミグラナリウス老人は、嘗ては法務部の政務役人に成っていたんだがね。 上司で、貴族と云う事を実力の査定に入れない彼を、役人に取り立てられた時から嫌っていたみたいだよ」


リオンが、焦る様に。


「手に掛けたのか?」


「焦らない、リオン。 違うよ。 ミグラナリウス老人は、自分の一つ下で才能ある一般の政務役人が、彼より先に出世したのに腹を立てたみたいだ。 闇討ちにしようとしたみたいだが、暗闇の中で二人居てね。 年上の政務官は、その才能在る若い彼に見合いを薦めよう、帰りに飲み屋に連れた帰りだったらしい。 そこで、強盗を装った悪漢が、二人を襲ったんだが。 その若い彼は、剣の腕も悪くなくて。 悪漢は、間違って逃げ惑うだけの上司の方を斬り倒し。 若い彼に取り押さえられた。 その悪漢は、警察役人に捕まってから、ミグラナリウス老人の執事に頼まれたと供述したとか」


「何とっ? それで、次第はっ?!」


「うん。 ミグラナリウス老人に嘗て仕えていた執事は、自殺したと」


「何と・・そんなバカなっ!。 それではっ、丸で自分が遣ったと言ってるのと同じじゃないかっ!!」

 

「そうだね。 ミグラナリウス老人の言い分だと。 執事の彼が、貴族である自分を軽視した人材配置をされた事で、侮蔑を感じての主従愛に因る犯行だと擁護した。 年上の上司を、彼は詰った。 だが、上司である彼の人事配置は、誰から見ても間違いは無いと・・。 それで、ミグラナリウス老人は、余暇候補に回りお役目を取り上げられたんだ。 表向きは、執事のした事に対する連罪として・・」


「当然だっ、益々あの老人が怪しく思えるっ」


リオンの強い声に、トリッシュもエリウィンも頷いた。


トリッシュは、その上で。


「でも、当時に事件を聞いたハレンツァの父上殿や、周囲の人々は思っていたらしい。 ミグラナリウス老人が執事へ命じて。 バレた上に殺す相手を間違えたから、執事の男性は、詰め腹を切らされたんじゃないか。 ううん。 内に秘めた気性は、相当に激しいミグラナリウス老人だったから。 彼が、執事を殺したんじゃないか・・ってね。 現実、ミグラナリウス老人へ仕えていたその執事は、然程に気性の荒い人物では無かったと云う証言が殆どだった」


リオンは、昔から怪しい老人であるから。


「俺は、それを信じるっ。 あの老人は、腹の中から黒い」


トリッシュとエリウィンは、同意出来たがハッキリと頷くには証拠が少ないと思うに留める。


その中で、リオンは思う。


(しかし、そうなると・・・。 やはり、ハレンツァ殿の手の者を殺めるのは、老人の雇った相手か? ヘンダーソンうやクシャナディースが、あの老人と何か関係が在るのか?)


こう思うとリオンは、エリウィンに事を伝えられないと再度思う。 父親の手の者が殺されている実態を知れば、エリウィンは居ても立っても居られない。 エリウィンが外に出られると、彼の身が危うくなる気がするのだ。


リオンは、トリッシュが他にも調べた事を教えてくれるのに耳を傾けた。





                   ≪目前に迫る中で≫




それから、丸一日が経過した。


家に篭りきったヘンダーソンは、誰の連絡も受けず。 老人の下にすら赴かなかった。


一方で。 王子達とエリウィンが、密かに自分の過去を暴こうとしてるなど思っても居無い老人は、家に居て次の知らせを待っている。 時間を余すミグラナリウス老人は、商人のソルフォナースと再度面会していた。 また、あの玉座の様な椅子が在る間にて。


「ソルフォナース殿。 御主が私のする事に協力したいと云う気持ちは、有り難くお請けする。 して、その望みは何だ? 先日の話し合いでは、何も申さなかったが? 金を儲ける事が本分の商人が、よもや酔狂で多額の金を棄てるなど有るまい?」


片目に眼鏡を当て、喰えない微笑を湛えるソルフォナース。 口元の笑みが妖艶で、不気味な色気が溢れる。 マントで顔を少し隠す様にした彼は、老人へ。


「御老様。 これから申しますお話は、此処だけの事に・・」


本心が聞けると期待するミグラナリウス老人は、強かな笑みで返し。


「良かろう。 我とて、同士無くして何も出来ん」


「では・・。 私めの望みは、世界を操る悪の糸を作る事で御座います」


「ほう。 それはまた、大胆な夢よのぉ」


「ウフフ・・。 あのラヴィンとか申す者が組する犯罪組織ですが・・。 他の組織を含め、それぞれ大陸に散り。 縄張りを主張する悪党の寄せ集めである今の組織形態は、面倒で堪りません。 冒険者が仕事を請けるのは、協力会と云う一元化された組織であるからこそ、今日まで成り立つ事。 我は、それを見習い、悪い依頼を金で請け負い、仕切りまわす組織を作りたいので御座いますよ」


聞いたミグラナリウス老人は、策謀好きな自分だけに。 このソルフォナースの云っている事が嘘で無いと見抜いた。 目を見れば、相手の腹の内に秘められた野心が覗ける。 この人物は、そうゆう意味では底なしの悪と云えた。


「フッ・・、ふふ・ふわっわっわ」


笑ったミグラナリウス老人を、ソルフォナースは困った顔で見て。


「冗談では御座いませんぞ」


「いやいや・・これは失礼した。 誰も、嘘などとは思うて居らぬ」


ソルフォナースは、喰えない笑み顔で眉を片方上げ。


「本当でしょうかねぇ・・」


「本当じゃ。 なら、賢き同朋よ。 今、御主はこの状況をどう読む?」


「そうですねぇ。 御老を護る上で、身代わりが一人必要かと」


「“身代わり”・・とな」


「はい。 御老の身元に、捜査の手を遣さない為には、罪を擦り付ける誰かが必要かと。 ただ、問題は・・二重にすべきと存じます」


「“二重”・・とな?」


「はい。 それに使えるのは、あの貴族で御老に御仕え致します二人かと」


「フム。 ヘンダーソンと、クシャナディースか?」


「はい。 片方に、もう一方を始末させますれば・・先ずは、捜査の方向性がダブり。 そして、残った一方を始末すれば・・、それで終わりまする」


「ふむ・・。 だが、まだアハメイルに向かったラヴィンの首尾がどう成っているか解らぬ。 今此処で、その様な強行は必要有るまい?」


「そうでしょうか?」


「と、云うと?」


「リオン王子を始め、御老の始末した貴族の手の者がまだ動いているとか。 そして今だに、死んだ貴族の息子とやらも表に顔を見せて居無い・・」


「そうらしい」


「もし、私が捜査をする側なら、始末した貴族の手の者と連絡を取ろうとします」


「確かに。 重要な情報源と成り得るからのぉ」


「はい。 ですが、其処がまだ繋がって居無いのなら。 尚更、捜査の目を他所に向ける手立てを講じて置きませんと。 ラヴィンの首尾が上手く行ったとしても、内々にその後も上手く行くとは限りますまい。 欲しい物を手に入れるのに、随分と騒ぎになれば・・」


「向こうも、それなりの対処をするか?」


「はい」


「じゃが、どちらもこれからに必要な二人じゃ。 今切れば、今までの苦労が泡と成る」


「それは、もう過ぎた事で御座います。 御老を取り巻く環境は、もう二極化かと」


「それは・・どうゆう意味じゃ?」


「御老の求める物が手中に収まれば、あの二人が必要でなければ成らないと云う事態には成りますまい。 逆に、物が手に入らず。 そして捜査の手が表立って及べば、二人が裏切るとも限らないかと」


この話には、ミグラナリウス老人も頷ける。 ただ、相当に金と月日を費やしてきた計画である。 少なくても、クシャナディースに子供が直ぐ出来そうかどうかだけでも確かめて置きたかった。 クシャナディースの命などどうでもいい。 それこそ、妻が懐妊してさえいればそれでもいい。 子供を手元に引き取り、思う様に使える可能性も有る。


また、ヘンダーソンを切るのも決断が要る。 王の傍に居る彼であり。 彼の親族で、王室執務官に成っている者達とは面識が無い。 しかも、ヘンダーソンを切れば、彼が王宮内の形勢した勢力は、全て無に帰すだろう。


「・・、ソルフォナース殿。 腹を割って全てを話すがの。 どちらも切り難いのじゃ・・」


そう言った老人は、有る意味困った。 自分の手や足であるラヴィンやヘンダーソンが居無いのは、盲目で耳が聞えないのと一緒。 自分の用人を使えば、一人で食事をするのも大変な老人なのだ。


若かれし頃に起こした一件で、家の威勢すら失い掛けたミグラナリウス老人である。 二の轍を踏むのは御免だった。


老人は、ソルフォナースを相手に相談を深めてゆく。




                        ★



その日・・・。



クシャナディースは、寝室で寝ていた。 あの時から、酔いに任せて妻となる女性を相手にしていたのである。 丸一日、断続的に相手にしていた訳だ。 朝方まで、酒を飲んでの行いである。


彼の妻と成った女性は、名前を“エリー”と云う。 朝も大分に過ぎた頃。 ボロボロに成ったエリーは、髪を振り乱して身を引き摺る様にベットを抜けた。 


クシャナディースがエリーを抱くと、何も出来ないメイドなどは、せめてもの慰めで風呂などの仕度だけはしておいてくれる。


こんなエリーだが、クシャナディースの妻と成った以上、もう帰る所など無い事は承知済み。 父親となる公爵の男は、酔った弾みで自分の母を襲い。 遊びのつもりで一夜を過ごしただけに、自分が出来た事を困ってしか居なかった。


幼い頃からエリーは、公爵の血を受けてしまったが為に父親に引き取られたのだが。 認知などされない様な扱いで、軟禁された生活であった。 唯一外に出れるのは、学院に行く時。 そんな生活から逃げたくて、彼女は自分を可哀想と思ってくれた若い貴族の息子と恋に落ちた。


が。


周りの認識は、二人が作り上げたものだ。 相手方の親は、過ちで生まれた自分を蔑み。 正式な妻とは迎えられないと云って来た。 恋人と愛し抜いている事を見せつけ、どうにかしようと思ったのだが。 それはエリーの甘い考えだった。


結局、去年の初めに、オグリ公爵の息子と見合う約束を交わされた。 噂で聞く相手の印象は、自殺を考えたくなるほどの悪いもの。 恋人に、自分を連れて逃げてと錯乱し掛けた様に言ったのは、有る意味切羽詰ったからだろう。


しかし、急に相手が変わったのは、今年の春を前にした頃。


エリーの強引過ぎる要求に、恋人も嫌気付いて来た所であった。


正直、エリーは身体が強くない。 彼女は、恋人に何度も抱いて欲しいと頼んだ。 自分の生まれ方は褒められたものでは無かったが。 同じ事でも起きない限り、自分は見も知らぬ誰かに嫁がされる。 しかし、恋人である相手方は、非常に真面目な青年で、女性を相手にするのも生真面目過ぎる人物だった。


春を待たずして、エリーはクシャナディースと見合いさせられた。


“見合い”と云うが、それはもう初夜を交わすための嘘。 酒を飲まされ、酔って分別も付かなくなった彼女は、クシャナディースに操を奪われた訳だ。


自分の身に起きた不幸。 それは、どうしてか恋人の男性に伝わっていた。 彼女の身の上を心配する彼だったが。 同時に処女を奪われた事に、若い頃特有の潔癖症から距離を置き始めたのも事実。


結局、学院の教育課程が終わり。 同時に、クシャナディースに引き渡された。


寝室を全裸で出て、待っていてくれたメイドに支えられ風呂場に向かったエリー。


だが。


彼女が毎日泣いているのは、クシャナディースに乱暴されているからと云うのが理由では無い。 クシャナディースは、ただ強引なだけだからだ。 同意でなら、彼との営みは暴行には値しない。 問題は、この結婚に至る全てだ。 普通の対面も無いままに、強引に踏み躙られた初夜。 一般貴族の女性なら、互いの家族が集まっての挨拶やら、輿入れの儀式を通じて結婚の儀に向けた様々な行為。 女として、普通に何一つ扱って貰えない全てが恨めしいのである。


白い大理石の湯殿。 広い間の中央に、大きな噴水を持った風呂が有る。 エリーは、痩せた身を湯船に浸からせ。 そして、身体を洗う。


「奥方様、大丈夫で御座いますか?」


若い少女の様なメイドが、自分を心配しながら身体を洗う布を差し出してくる。


「ありがとう・・・、大丈夫よ」


毎夜、夫に抱かれる訳だが。 エリーは、酔って居無いクシャナディースを然程に嫌いとは思わない。 クシャナディースは、声が大きく見た目が剛健に見えるから、少し怖いが。 酒を呑まなければ、普段は語り合うのも悪くない人物なのだ。 毎夜毎夜、クシャナディースは酔い。 そしいて、自分を襲う様に迫ってくるのが怖いのだ。


(嗚呼・・旦那様は、何かお悩みなのでしょうか。 毎夜毎夜、浴びる程に呑まなければ成らないなんて・・・。 私は、結局子供も満足に身篭れない女なのかしら)


こんな言葉は、クシャナディースの口からは意外なのだろうが。


“俺は、お前を買った。 だが、お前を棄てる真似はしないぞ”


連れて来られた日に、言われた言葉だ。


だが、エリーが泣いている訳に、もう一つ在る。


彼女の母親が、死んだ。 エリーと引き離された母親は、エリーの父親を誘ったと決め付けられ、“不貞”の烙印を押されてしまった。 不倫相手の男が護るなら、随分と扱いが違うのだろうが。 全く護ってくれる人も場も無い彼女は、使用人すらも居無い生活で。 親戚の伯母に養われ、日陰で一人ぼっちのままに死んでいった。


エリーは、自分の身を呪った。 クシャナディースの傍に居れば、一応は苦労は無い。 だが、自分を誰も普通に扱ってくれず。 また、クシャナディースの元に来た途端、母親が死んだと・・。


迷惑を恐れてか。 エリーの父親は、全てをクシャナディースに言う事を、使用人を通じてエリーに禁じて来た。 一応、死んだ母は、墓には入れられたらしいが、全く葬儀らしい事もされなかったと。


泣きたくないのに、色々と悲しみが積み重なって涙が出る。


円形の綺麗な湯殿の縁に身を上げ、布に石鹸を付けて身体を洗うエリーだが。 一目しか見た事の無い母親が可哀想で。 また、何も出来ない自分が悲しくて。 自然と・・涙が零れるのだ。


彼女が泣いているのは、高い塔型の上。 寝室でである。 一部の塀際と屋敷は近く。 窓を開けている時に泣くと、声が漏れ出ていたらしい。 クシャナディースへ用が有る者が訪れると、彼女のすすり泣く声が聞こえたり。 クシャナディースが不在で、エリーが面会をしなければ成らない場合は、赤く腫らした瞳は目立つ。 時々、酔ったクシャナディースが不満をぶつける様に、自分や使用人達に怒る時も在り。 エリーは、涙を堪える合間を見出せずに居たのだ。


エリーは、自分が何も言わずに泣く事で、クシャナディースに在らぬ噂が付き纏っているのも最近知った。 泣くのを止めなければ・・。


(お母さん・・、どうして死んじゃったの? 私、やっと少しは普通に成れたのに・・・)


そう思いながら、箱の中で育てられた小鳥の様なエリーは、身体を洗って風呂から出た。


エリーは、これでも最後のプライドは護ろうとしている。 どんな事が在っても、此処を逃げないと。 最悪な事に、父親以外に頼る者は無く。 また、恋人だった男性は、別の貴族の女性と見合いをするらしい。


もう、誰も頼れない。 いや、あの父親は憎らしいだけで、自分の母の葬儀すらしない無礼者。 元の恋人では、自分など護れる訳も無いし。 自分の境遇からしても、恋人だった彼と共に歩むのは、茨の様な場所だろう。 何より、自分がクシャナディースに抱かれた事を知ってからの彼は、何処か余所余所しく。 もう、自分に気持ちが向いて居無いのが解った。


エリーは、もうクシャナディースしか居無いのだと、理解していた。


だから・・。


エリーは、勇気を振り絞って賭けて見る事にする。


「・・・」


衣服を改め。 そして、再度寝室に戻っって行く。


廊下を戻る中で、自分に付き従って来た用人が顔を怪我しながらも。 今は、クシャナディースに近寄るのは止めたほうがイイと、護る様に忠告してくる。


黒い絨毯が真ん中に敷かれた廊下で、エリーは用人の男性に。


「いいの・・大丈夫よ。 それより、顔は大丈夫? さ、今の内にお医者様の所か、寺院に行きなさい。 旦那様が寝ているウチなら、少し抜け出しても大丈夫ですよ。 後は、私が何とかしますから」


華奢で、可憐で、非力なエリー。 用人の中年男性は、部屋に入る彼女を止められなかった。


雪が止んだ昼間。 窓際に立ったエリーは、カーテンを開いて外を見る。 薄暗い夜明けの様な世界は、一面に白。 遠くの住宅区が広がる上空を見つめたエリーは、静かに小さな勇気を胸の中で握り締めた。


そして、更に少しして。


「んん・・・あぁ~・・」


クシャナディースが起きた。 裸のままに寝た彼だが、眼を覚まして起きると・・。


「ん~?」


羽毛の入った布団を上げると、横にガウンがズレ落ちた。


(エリーのか)


女性用のフリルが袖や裾に付いた青いガウン。 何時もなら、エリーは用人の男性に護られて、彼女の私室に閉じ篭っているハズ。 自分には、布団が被るだけのハズなのだが。


「お目覚めでしょうか? お水、召し上がりますか?」


「・・・」


クシャナディースは、エリーがコップに水を汲んで差し出す姿を見る。


「おぉ・・」


コップを受け取ったクシャナディースは、一度エリーを見てから、水を飲んだ。


「ん」


コップを返すクシャナディース。 それを受け取り、傍の台へとコップを置くエリーは・・。


「旦那様、お願いが・・2・3在ります。 今、お話を宜しいでしょうか?」


言われたクシャナディースは、初めての事で何も言えない。 脅える様に過ごすエリーは、自分に話し掛けて来た事など一度も無かったからだ。


カーテンの閉まった窓を見るクシャナディースは、エリーに。


「今は?」


「もう、夕方が間近です」


「そうか・・」


何時もなら、メイドが用意だけしてある衣服を、公爵で在ろうと云うのに自分で着るクシャナディースだが。 今日は、エリーが羽織るナイトガウンを広げるので。


「お前に着せて貰うのは、初めてだな」


と、背中を向かせる。


ガウンを肩に掛けたエリーは、着易い様にしながら。


「旦那様。 どうか、使用人を傷付けるのは、お止め下さいませ」


「ん? 俺がか?」


「はい・・。 昨日、朝にサイザーを殴りまして、大怪我を・・」


酒が切れたクシャナディースは、意外にも素直で。


「それは、悪い事をしたな。 では、医者でも・・」


「いえ。 今、出向いています。 使用人を怪我させれば、旦那様のお名前に傷が・・。 どうか、これからは・・・」


「そうか。 解った」


短く答えたクシャナディースだが、半分情けなさを感じながらも。 もう半分は、妻らしいエリーを感じて、不思議な気持ちだった。 毎日会話も無い生活で。 酒を飲んでは、酔った勢いで押し通す毎日だったから、こうして声を掛けられると本当に不思議な感覚だった


柔かい寝巻きのズボンを穿いたクシャナディースは、もう一杯水を貰ってから。


「エリー。 此処には、お前だけか?」


水差しを台の上に置くエリーは、静かに。


「はい」


「そうか・・。 で? 他に、何か用件は?」


「はい・・。 実は、旦那様に折り入ってお願いが・・」


「難しい事か?」


「・・・多分」


「何だ?」


「はい・・。 実は、私が此処に来る2日前。 母が・・危篤に」


これに驚いたクシャナディースで。


「何だとっ? お前が来る前って・・半年も前じゃないか」


「はい」


「それで、容態は?」


「誰も・・手を差し伸べてくれませんでした。 それから・・3日後には・・」


クシャナディースは、全く知らなかった事で。


「何で今頃っ?! お前・・半年も黙ってたのか?」


「はい・・。 私が妾腹の娘で、母が身分の低い貴族の娘・・。 私の父は、私と母の存在を・・消したかったに違い在りません。 私も、知ったのは、此処に来た次の日です」


「な・何だと?」


「済みません・・。 父は、旦那様に何も言うなと・・。 母の存在を疎んじていた父は、母が私に引き取られるのを・・嫌がったのだと・・・思います」


エリーは、今まで黙って来た事を、一つ一つクシャナディースに告げた。 泣かない様に、必死に堪えてである。


「そうか・・それでお前は泣いていたのか・・。 俺はてっきり、結婚が嫌だとばかり・・・」


エリーにとって、どれも喜ぶべき事では無い。 だが、輿入れなど儀を行えば、母親に自分の結婚を噂に教える事が出来たかも知れない。 また、密かに母親へ、自分が何か手を差し伸べられたかも知れないのに。 結局、何も出来ぬままに来た事が悲しいと教えた。


「旦那様・・密かに手を・・・回して。 は・母の遺体を・・・貰えませんか?」


クシャナディースは、エリーの言わんとする意味が解る。 下手に遺体を引き取れば、エリーの父親に波風を立てる。 クシャナディースの今の立場を思えば、それは宜しくない。 せっかく、最下位でも公爵に加わり、別の公爵家と縁続きに成った訳なのだから。


(コイツめ・・。 俺の立場を考えて言い出せなかったのか。 ふむぅ)


クシャナディースからすれば、エリーの秘めた心遣いが意地らしい。


「なら、この敷地の裏。 池の有る庭に、墓を隠して作るか? 流石に、表立っては無理だが。 この敷地内なら、お前が毎日会いに行けるだろう?」


「えっ? 旦那様・・」


エリーは驚くが。 クシャナディースがこう云ったのは、不思議な事では無い。 クシャナディースは、反骨精神を以って成り上がる以外に、今の様な出世する道が無かった。 クシャナディース本人も、育ちは平坦なものでは無い。


そんな彼だが、意外に情にはモロい一面もある。 政略結婚だが、エリーを本当に全て物として見ていると云う訳でも無いのだ。


「そう云う理由なら、お前の泣く大元を一つぐらいは何とかしてやる。 毎日泣かれては、この先が面倒だからな」


エリーは、自分の願いがすんなり通じた事に、スゥ~っと力が抜け。


「あぁ・・」


と、声を出しては、顔を両手てで覆う。


クシャナディースは、エリーが不憫に思え。


「何で、もっと早く言わなかったか」


「済みません・・旦那様の体面を思うと・・。 私は、もう帰る場所の無い様なものですから」


「ん・・」


エリーの事を知るクシャナディースは、これからを考えるに。


(成り上がる道は、何ともな・・。 ハレンツァを殺す事を決めた御老は、いざと成ったら俺やエリーも殺すのだろうか・・。 ハレンツァの息子も、殺されない様に家族とすっこんでれば良いのだ)


身勝手な事だとは、クシャナディースとて解っている。 だが、欲望と云う乗り物に因って、目的を果たそうと邁進するが故だ。 何かを犠牲にし、何かを踏み躙って来なければ成らないのが、策謀の道である。


(最初で最後・・。 地方の故郷で商人を陥れた時は、そう思うたのに・・。 御老に魅入られ、云われるが儘に来て見れば、幾つの死体を乗り越えて来ただろうか・・。 俺もエリーを娶れた事だし、これ以上の危ない橋など渡りたく無いのだがな)


ミグラナリウス老人が、あっさりとハレンツァを殺してから。 クシャナディースは、心が落ち付かない。 しかもラヴィンですら、裏家業の人間としては不気味なのに。 最近では、また新たな悪党達が老人の周りに集まって来ている。


自分は人間として、老人に遭うまでは相当に悪い方の人間と自覚しては居たクシャナディースだが。 老人を取り巻く不気味な者達の存在は、想像を超えていた。


(エリーが子供さえ出来れば、俺達夫婦は安泰のハズだ。 知らなかったとは云え、最近呑み過ぎて勝手が過ぎた・・。 少し、酒を控えるか)


クシャナディースは、国葬によって鎮まった王都が元気に成る前に、エリーの望みをこっそり叶えてやろうと思った。


人間は、社会の中で幾つも顔を持つ生き物だが。 クシャナディースは、ミグラナリウス老人やヘンダーソンからすると、まだまだ情も通じる生っぽい人物であった。

どうも、騎龍です^^


ご愛読、ありがとう御座います^人^

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