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神々の依頼、面倒なんですけどっ!  作者: はなを
第2章 ポーショントラブル
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罰を受けるみたいです

新装開店から1週間程経つと店の状況も落ち着いてきていた。この頃になるとリナリーとコウも余裕を持って接客が行えるようになっていた。ハジメは行商人たちとの販売を対応していたがそれも1日に1、2人くらいになっていた。この世界の移動手段は徒歩や馬車などだが、魔物がいる以上どちらにしても護衛が必要となるのだ。従って一気に商人たちが来ることはなくばらばらに来ることになる。商人たちはポーション類を買うとすぐにイヴの街を出ていくために開店と同時に店に来る。そのためにハジメは開店後2時間ほど忙しいがその後は割と時間があるのだ。その頃になるとコウとリナリーの方も冒険者たちと仕事前に購入しに来る職人たちの対応は終わっており、落ち着いた頃を見計らって傷クリームを買いにくる近所の住人の対応をコウ1人で十分に対応できる。リナリーは裏庭で収穫や手入れなどをしてお昼ご飯を作るようになっていた。昼ご飯は順番にハジメが食べ次にコウとリナリーが食べるようになっている。そして今はコウとリナリーが昼ご飯に入っているためハジメは店番をしていた。


不意に扉が開く音がしてハジメが入口を見ると3人の物が前2人後ろ1人の位置取りで入ってきた。前2人は冒険者風の恰好をしており、男の方は戦士風で女の方はスカウト風の恰好をしている。後ろの男の子は薄いピンク色の髪を型で切りそろえており、紺のローブを来ていて魔術師っぽい恰好をしている。ハジメが声を掛けようとするといつの間にか右肩にペン太が居た。


「ハジメ、この子エルフだよー」


といつも違う警戒したような声を掛ける。ペン太はハジメとリナリー、コウ以外に姿を見せることはない。というか気づかれないようだった。ペン太に一度聞いたことがあるが、気づかれない仕組みになっているとしか教えて貰えなかった。

ハジメは店内をきょろきょろしている3人を鑑定する。



名前:コリン

種族:ハーフエルフ

職種:戦士 Lv.4

年齢:25歳

性別:男

体力:Lv.3

耐久:Lv.3

敏捷:Lv.2

器用:Lv.2

魔力:Lv.0

魔抗:Lv.1

幸運:Lv.0


スキル:剣術 Lv.3 


称号:精霊に契約破棄された者 セリオンの奴隷 洗脳中



名前:カリン

種族:ハーフエルフ

職種:狩人 Lv.3

年齢:26歳

性別:女

体力:Lv.2

耐久:Lv.2

敏捷:Lv.2

器用:Lv.3

魔力:Lv.1

魔抗:Lv.1

幸運:Lv.0


スキル:弓術 Lv.3 

    異常耐性 Lv.1

    風魔法  Lv.1


称号:精霊に契約破棄された者 セリオンの奴隷 洗脳中



名前:セリオン

種族:エルフ

職種:魔法使い Lv.4

年齢:(外見)10歳(実年齢:100歳)

性別:男

体力:Lv.1

耐久:Lv.2

敏捷:Lv.1

器用:Lv.1

魔力:Lv.4

魔抗:Lv.3

幸運:Lv.0


スキル:風魔法 Lv.4 

    水魔法 Lv.4

    洗脳 Lv.3


称号:精霊に契約破棄された者 国王の弟 


「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」


「あの、ここのご主人はいらっしゃいますか?」


と後ろの男の子が声を出す。


「・・・私がそうですが・・・。生憎(あいにく)と本日分のポーションは個人用のみの取り扱いだけになっていますが・・・」


鑑定結果を見る限り警戒する必要があった。


「・・・実はですね・・・」


とセリオンが言いながら濁った紫の瞳が鈍く光った。その瞬間ペン太が口を開くとぱーーんと言う破裂音が店に響く。


「な、僕のスキルを弾くなんてっ。2人ともやれ。殺すなよ、捕縛するんだっ」


と叫ぶ。コリンは剣を抜き、カリンとセリオンは魔法を使おうとする。ハジメはアイテムボックスからメーバーの欠片を取り出しセリオンとカリンに向かって投げる。欠片が2人の口と鼻を覆うように張り付くのを見て<乾燥(ドライ)>を掛け固定させた。コリンが切りかかってきたのでロープを投げるとくるくると体に巻き付き動けなくした。流石道具投擲Lv.10である。


「「ハジメー!」」


と叫びながら、(まい)(あい)がハジメの前に立ち3人に立ちふさがる。一瞬にして剣呑な雰囲気に店内を包み込む。


「許さんぞ、人間ごときが・・・・死ね!」


とメーバーを剥がして叫び、魔法を使う。


「「させない」」


精霊の2人は静かな声で言い放つ。2人の魔術が完成する。


風刃(ウィンブレード)

水流弾(ウォーターブレッド)


が、何も起こらない。2人が驚いていると店が不思議な空間に包まれ、一人の青年が現れる。


「・・・おろかなエルフよ・・・。あまりにも目に余る。精霊の加護が外された時点で己たち自身を省みる事なく、人の子を襲うとは・・・」


凛とした声に怒気を含んでいた。


「・・・この程度の力で立ち上げることも出来ぬのに、よくもまぁ我を馬鹿にしたものよ」


「くそがっ!この王族である僕にそのような態度をとるなんて、貴様も死ぬがいいっ」


とセリオンが男を睨みつけながら瞳を鈍く光らせるが男には何の変化もなかった。セリオンが驚愕の表情に変わる。他の2人は既に気を失っているようでピクリとも動かなかった。


「・・・誰が口を開くことを許可した?まぁいい。神である我を殺す?本当に笑わせてくれる」


神と名乗った男が右手を少し動かすと襲撃者の3人は緑の植物に包まれ球体となり、次の瞬間ハジメの目の前から消え去っていた。藍と舞、そしていつの間にか居た航も男の前で跪いている。3人の頭を優しく撫でて


「ハジメ殿。私は少しやることがあるので、また明日寄らせてもらうよ。裏庭でお茶を出して貰えたら嬉しいかな」


とハジメに言い、消えていった。その時リナリーとコウが店まで降りてきて、ハジメが店の中で立っているのに気づき


「どうかしましたか?」


と聞いてきたが、何でもないよと言って2人の頭を優しく撫でた。


そしてお昼前になり突如頭の中に声が響く。


『人の子らよ・・・』


慌てて周囲を見渡すとリナリーとコウも言葉を発した者を探そうとしているのかきょろきょろしている。慌てて外を見れば行きかう人々も同じような状況になっている。


『人の子らよ、エルフの国は亡びた。神々を冒涜(ぼうとく)した者どもはその生を終えたのだ』


それだけ頭の中の声は告げるとそれ以上話すことはなかった。


ハンドブック 10項目目


10-5.商業取引をしよう:Clear!


10-6.狼藉者を撃退しよう:Clear!

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