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神々の依頼、面倒なんですけどっ!  作者: はなを
第1章 旅立つ
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平和のようです

リナリーを購入して2週間ほど経った頃である。


「ねぇハジメ、クエストクリアの報酬の破裂草と鉄丸(てつがん)使わないの?」


とふいに部屋でペン太が話しかけてきた。


「そうだねぇ。破裂草は増やさないとなぁ。取りあえず薬草類はポーションにしているものと、薬草がそれぞれ1年分くらいは余裕だから植えてみようかなあ」


ハジメのアイテムボックスは時間が流れないため、入れておくといつもフレッシュな状態で置いておくことが可能だった。ハジメは次の日の朝薬草と魔素草を全てアイテムボックスに仕舞い、薬草を植えていたところに破裂草を植えることにした。


<鑑定(エクスピニオン)>


破裂草:このままでは破裂しないが、潰したあと乾燥させると衝撃で破裂する。

    売買は基本的にできない。成長期間:7日 使用期間:3日


鉄丸:鉄の玉。破裂草2個をすり潰し鉄丸5個を混ぜることで破裂丸(はれつがん)を作ることができる。


ハジメはコウ虐められる事件で知り合ったアベルの店に朝一番で行き、鉄丸を見せこれと同じものを100個作ってもらうように依頼した。急がないことを伝えると今受けている仕事が1週間ほどかかるため、その後に作ると言ってくれたのである。破裂草の収穫もそれくらいなので丁度いいかもしれないとハジメは思った。


ハジメがいつも通りオースティンの店にポーションを卸したあと自分の店に帰ってくると、裏庭で朝食を作り終えたリナリーが植えたばかりの破裂草に水やりをしていた。


「ご主人様お帰りなさいませ。こちらの小さな方の畑には何も植えないのですか?」


「今のところ植えるものはないから、リナリーの好きなもの植えていいよ」


「では、お野菜を植えたいと思うのですが。」


と笑顔で言うので


「じゃぁ朝ごはんの後一緒に買いに行こうか」


とハジメが答えると「はいっ」と元気よく答え、ハジメと一緒に家の中に入っていくとスープを温め始めた。コウは店の掃除をしていて、そろそろ終わる頃だった。ハジメはまた自分の仕事が減ったので、ポーションづくりを頑張ろうと思うのだった。


どうやらコウとリナリーの話し合いの結果、コウは店の事全般をリナリーは家事全般というように仕事を分けたようであった。部屋も年齢も微妙なため、2階の奥からハジメ、空き部屋(そうこ)、リナリー、コウという順番になっている。一応リナリー、コウの部屋共に後1人ずつは同居出来るだろうスペースはあったが何かない限り住人を増やそうと思っていない。


リナリーの食事は随分と味が良く美味い朝食を摂ることができた。


3人で食事の片付けをし、コウに開店の準備を頼み、リナリーと2人で種を買いに出かけた。帰ってから店をオープンさせる予定だ。鍵を掛けていればコウの安全もある程度確保できる。広場の露店で玉ねぎと人参、ジャガイモと白菜・キャベツの種を買った。5種類で500Sの支払いを済ませたとき、リナリーがある店で止まった。


「ご主人様、ここの飲み物美味しいらしいですよ。奴隷商会の人の間で噂になっていました」


と言うので店の人におススメを聞くと、マンゴージュースを勧められたので、3人分買い家に帰り、ハジメは2人にジュースを渡し一緒に飲もうと誘った。コウとリナリーは断ったが無理やりに飲ませた。リナリーの表情もほんの僅かずつではあるが豊かになっている気がする。


「あ、おいしいです。ご主人様」


とコウが言うとリナリーも頷いた。3人は幸せな気分で少しまったりした時間を過ごしポーション屋の開店時間を迎えた。


コウは店番をしつつ細かな部分の店の掃除を始め、リナリーは裏庭にさっき買ってきた種を植えに行った。

コウは2人の様子をしばらく幸せそうに眺めて、地下に降りて行った。時間が出来たのでしばらく薬草と魔素草でポーションを作ろうと思ったのだ。のちのち楽になるようにというよりは、時間つぶしと言った感じだった。


これから面倒なことが起こるとは知らず、ハジメたちはしばしゆっくりした時間を過ごしたのだった。


ハンドブック 7項目目


7-3.破裂草を植えよう:Clear!

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