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吾輩は神によって殺され悪魔の手によって過去に蘇った  作者: 赤い獅子舞のチャァ(実際の人物及び団体とは一切関係在りません)
大戦英雄記

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番外編 終戦直後の技術開発省(中編)

      番外編 終戦直後の技術開発省(中編)

対馬県総合基地を後にした技術開発省の一行は、修一の描き残した地図を頼りに秘匿基地を目指して居た、秘匿基地と言ってもその実態は開発製造機能がその能力の大半を占めた言わばドックのような存在である其れは、技術開発省の面々にとってまさに宝であり、それが完全に現在蛻の殻であると言う事は損失以外の何物でもなかった、が・・・

修一は、幾何学デザインに関しては天才的である筈なのに、絵画の才能は壊滅的に無かった、つまり、その地図は致命的な間違いがあり、正直言って何処をどう見たら辿り着けるか不安すら覚える様な程の物であった。

だが、そんな修一を信用して居た井上少将は彼の地図を見てその上で大丈夫と思って居た。

だがしかし、総合基地を発ってからはや二日目、流石の井上少将も不安で仕方が無かった。

「かなり距離が有る事は理解している、が、もう流石に到着していても可笑しくないと思うのだが・・・」

「あの元神童とまで呼ばれた益田修一にも苦手な物があったと言う事っすかねぇ、本当にいつ到着するんですかね?」

「あ、あれじゃ無いですか?何だか軍施設っぽい物が見えてきましたけど。」

「いや、あれは多分、違うと思うぞ、秘匿基地と言うだけあって確か、山が繰り抜かれて完全に隠れて居たと・・・

---

到着した先は、旅順港だった・・・

何時の間にか行き過ぎて居た事に気が付いた一行であった・・・

「こんな地図で判って堪るかぁぁぁ!」

思わず叫んでしまう井上少将であった。

-------

あれ?今井上君の苦言の雄たけびが聞こえたような・・・?

そろそろ時期的にそんな事してても可笑しく無い気がするので大方秘匿基地を探して見つけられずに叫んで居るんじゃ無いかとなんとなく思った、だがしかし、どうこう出来るものでは無いので自力で頑張って貰うしか無いと心の中で応援をしておく事にしたのだった。

-------

不本意ながら旅順港に到着した一行は、仕方なく補給と休息をここで受ける序でに、無線機を借りる事にした。

連絡する相手は、勿論以前にも秘匿基地への出入りがあった坂本空軍少将である。

そもそもがここへ来たのは彼の齎した情報に寄る所でも有るので多少苦言もあったであろう。

しかしこのタイミングで、井上少将はツイて居たと思われる。

驚いた事に連絡を取ろうとしていた坂本空軍少将は、現在この旅順港に寄港中で訓練の為の補給を受けて居る空母に用があり、此方へ向かう途中で現在は対馬県基地へ給油に寄って居ると言うでは無いか。

では我らはここで休みながら待たせて貰えば良いだけだと言う事で、用向きだけを無線兵に伝え、坂本少将への連絡だけは入れて置く事としたのだった。

営内食堂にて茶を頂きながらのんびり休憩をして居る一行へ、見知った顔が寄って来た。

「あれ?井上・・・少将?」

「ん?その声は・・・ああやはり君か、元テストパイロットの、ええと、佐藤君か。」

「はい、お久しぶりです、今は海軍航空隊教育中佐をやっております、今日はたまたま此方に身を寄せていたのですが、どうして今日はこちらに?」

「うむ、益田中将の最大の遺品とも言うべき秘匿基地を探してこっちへ来たのだが、迷ってしまってね、今は坂本君が合流するのを待っている所だ。」

「え、坂本がこっちへ来るんですか?おっと、今は彼の方が階級が上でしたね、彼は同期でしたから割と懇意にさせて貰って居たのでつい。」

「なに、君も航空機の扱いに関しては超一流なのだ、君だっていつ坂本君に階級が追いつくかもわからんよ?」

「止して下さい、小官は体調不良で真面に戦闘機を操れなくなってしまったのでこうして教育に従事して居るので。」

「そうだったのか、それはすまんかった、所で、君が来ているということは空母磐城がこちらに来ているのかね?」

磐城とは、二隻目の空母で、新造艦である、益田修一の死後に完成した物で、空母桜島とほぼ同型の艦である。

「ええ、そう言う事です。

というか、先程の会話で気になったのですが、秘匿基地なんて本当にあるのですか?

うわさにだけは聞いたことはありますが。」

しまった、うっかり口に出してしまった、普段は山田准将がするようなうっかりポロリを恥じつつ、胡麻化す事にした。

「いやなに、要するにその噂を確かめに来たといったところなのだ、火の無い所に煙は立たんからね、噂も何の根拠も無い所には立ちようが無かろう?」

「ああなる程、納得です、確かに強ち出鱈目でそんな噂が出たのだとしたらその元凶になった人物の想像力は並の小説家を超えてしまいますね。」

納得したらしい。

「それにしても、坂本少将か、懐かしい、久しぶりに会ってみたいものですね、しばらくご一緒させて貰っても宜しいですか?」

「ああ、構わんよ、、もし君が体調不良で航空機を降りる事になって居なければ益田中将のお抱えパイロットは君だった可能性も高い、お互いに腕を競い合った友と久々に会うのも良い刺激になろう。」


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