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吾輩は神によって殺され悪魔の手によって過去に蘇った  作者: 赤い獅子舞のチャァ(実際の人物及び団体とは一切関係在りません)
大戦英雄記

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活動再開

転生した先は、自分の娘だった。

一度目の転生の時も身長があまり高く無かったりして難儀したけども今度はもっと大変になりそうだった。

さぁどうする益田美樹・・・

           活動再開

1909年 7月末

転生した翌日、僕は開かずの間となって居た自分(父)の書斎へと侵入する事にした。

部屋の鍵が無かった事と寛子(妻)の意向で開ける事まかりならんとなって居た様だ、が、僕は本人なので予備の鍵の隠し場所位は良く知って居る。

中庭に出た僕は、ヘリポートの奥、植え込みの裏のレンガを外し、出て来る僅かな空間へと手を突っ込み、中から、お菓子の入って居た缶の箱を取り出すと、中から何重にもビニールで包んだ鍵束を抜き取り、外したレンガを元通りに戻した。

この鍵束には、書斎の鍵2本と、その室内に存在する、金庫、サーベルの保管庫、銃器の保管庫、それと隠し金庫の計4種類のひょっとこ錠が計二本づつ、10本の鍵が全て入って居る。

鍵束を抱えて書斎への移動中に、こっそり勉強を抜け出した兄修輔が目の前に現れた。

「美樹、あ、その、先生には内緒ね、算数抜け出して来たんだ。」

「お兄様、それならもっと楽しい事しよう、お父様のお部屋の鍵見つけたんだ。」

「え、あそこは開かなくて入れないトコだよね、鍵、有ったんだね。」

「うん、多分あの部屋の鍵、隠してあったし。」

本当は多分では無く確実にそうなのだが。

「うん、決めた、行こう、お父様の書斎に。」

兄と一緒に書斎へと向かい、鍵を開ける。

「本当に開いた、凄いよ美樹。」

そして書斎のデスクの上に散乱している様々な発明品の設計図などを確認する。

「凄い、お父様って本当に色んな物を考えて作ってたんだね。」

修輔がこれ等に興味を持ってちゃんと勉強に精を出してくれるように成れば良いと思い連れて来たが、正解だったようだ、目を輝かせて眺めている。

「僕、お父様の後を継いで研究者や発明家に成りたいの、お兄様も協力して欲しい。」

「うん、お父様が本当に凄かったのが判ったし、頑張るよ、一所懸命に勉強してお父様を超える発明家に成るよ。」

修輔は、何だか瞳の奥に炎が宿ったと言うか、やる気スイッチが入ったような表情になって部屋を出て行く、試しに聞いて見よう。

「お兄様、何処へ?」

「こうしちゃいられない、算数ぐらいで躓いてる場合じゃ無いよ、勉強しなきゃお母様を支える事も出来ないよね、僕はもう逃げない事にしたんだ。」

「ふ~ん、それじゃ頑張ってね、お兄様。」

良かった、母親思いで、ケルビムから継承した記憶で僕の知る限り、酷く心を病んでいた寛子を、僕の居ない間に支え続けてあれ程までに回復させる事を成し遂げた自慢の息子だ、ちょっとハッパを掛ければしっかり勉強してくれると思って信用して居た。

かなり良い刺激になったのだろう、僕の生前の書斎は。

修輔が出て行った後、書斎の戸を閉めた僕は、錆びたりして居ないか心配だったので、迅雷の保管庫を開け、取り出してみる。

とにかく軽い刀では有るのだが、流石に5歳の少女の腕力ではかなりの重さだったが、それでも何とか鞘より引き抜いて見るが、何ら問題は無く、錆び一つない素晴らしい稲妻紋様のダマスカス鋼の刃が美しかった。

次に、銃の保管庫を開けてみる。

ここには予備のキャリコ型自動拳銃が収まっている。

この銃は量産しておらず僕専用に開発して居る為、ロシアに殴り込みに行った時に持って居た2丁のほか、ここに現存する2丁のみだ。

因みに予備弾倉は全て持って行ってしまった為にここにある2丁用に一本づつ、計2本しか存在して居ない、そして弾丸は国内の汎用性が高い6㎜弾である、この弾丸が200発入りの箱が2つ。

その他に、15歳位迄携帯していた28口径の自動拳銃、それとその弾丸50発入りが10箱と弾倉が3本仕舞ってある。

此方も、まめに油を挿して居た事と、殴り込みの直前に念入りに整備して置いたおかげでやはり錆一つない。

全て分解し、磨いて油を挿し、また仕舞って置くことにした。

次に、デスク上に散乱して居た設計図の中でまだ実現出来て居ない物、ジェットエンジン等がそうだが、そう言ったものの設計図面を眺めて居ると、あからさまな計算ミスによる数値の誤差が見つかってしまった。

これでは実現出来る筈はない。

これ程検算が正確かつ早くなったのはもしかすると、ケルビムと同一化した影響かも知れない、たまたま現在のスパコンで1日がかりの数式を見つけたので試しに計算をしてみたのだが、暗算で2分で出来てしまった・・・これは流石にチートだろう・・・

この際なので、これなら早々に大学の入試でも受けてしまおうか。

大戦後には義務教育の推進と同時に飛び級制度が無くなったが、この時代にはまだ飛び級が有るのだ。

飛び級が廃止になった経緯は、歴史上触れられて居ないが、恐らくは日本人の賢さに脅威を抱いて居た合衆国が廃止せよとしたに違いない、僕はそう思って居る。

それでも平成令和の時代には日本人はノーベル賞受賞者を多く輩出するに至るのだ、飛び級制度や様々な制度を廃止させないように出来れば果たしてどんな未来に成るのだろうか、これは大変興味深い事である。

既に僕が培った教育制度が根付いて来て居り、それによって我が国の学力は既に世界一と言っても過言では無い、これをこのまま発展させて行くだけの事だ。

このまま行けば、令和には化学は何処まで発展して居るだろうか。

平成の後半頃にカミオカンデと言う素粒子を観測する施設で素粒子を観測し、ノーベル賞を取ったと言う事も有ったが、そんな施設の建設ですら、今の僕の知識が有れば数年後には実現が出来ようと言う物なのだ。

僕ならば、何処までも行ける、今の僕には素戔嗚の権能と、智天使との同一化と言う強靭かつ最高の知識がある、今度こそは人工生体を利用した生体コンピューターを完成させる事も出来るだろう。

そこまで思考して、素戔嗚の権能と言うのはどんな物があるのだろうと言う所に思いが至る。

確か、クシナダヒメを柘植の櫛に変えて守り、八岐大蛇を倒したと言うのだから、恐らくは物質変換か変化の能力を持って居ることは明らかだが。

気になった僕は、ふとデスク上に転がって居た製図用のペンを発見した。

ペンは剣よりも強しと言うし試しに剣にして見よう、等と短絡思考で剣に成れと命じると、ペンは見る見るうちに剣へと姿を変えた。

これは、変化では無いな、完全に物質変換だ・・・

それもむちゃくちゃ出鱈目な性能の・・・

どうせだからとふざけて頭の中に思い浮かべた剣は聖大剣デュラルフォーンだったのだ。

おとぎ話の聖剣、しかも斬馬刀と言われるサイズの大剣の・・・

しかも材質もこの世界に存在しない物であるが故に明らかに有り得ない色の輝きを称えている。

青白くもあり黄金色でも有る、所謂鈍色(にびいろ)とでも言うのだろうか?

輝いているようであると言う言い回しも少々間違いであった、試しにカーテンは閉まったままであったので明かりを消して見ると、暗闇の中で明らかに光を称えて居たのだから。

「これは・・・やっちゃダメな奴だな、戻そう・・・」

思わず独り言を言って居る自分に気が付いた。

其れこそ世界の理をひっくり返しかねないので使えない、これは困った、この権能要らないんじゃ無いか? 流石にオリハルコンやアダマンタイトのようなそのものがオーパーツのような金属が生み出せるのやヤバすぎだろう。

後は、素戔嗚と言うと、闘神でも有る、恐らく今の僕の身体能力はこの年齢にして前世のそれを大きく上回って行くのでは無いかとは思って居る、今は筋肉量も格段に少ないのでその限りでは無いが。

後は神通力とか、海神でも有った筈なので、津波を発生させるとかそんな事は出来るかも知れない。

その辺はどちらもこんな狭い室内でやる訳にはいかないので止めておくことにした。

そんな事よりも、単純な計算ミスで数値が間違っている設計図を見つけてしまった以上、金庫内の設計図面を見直しが必要なのでは無いだろうか、という思いに駆られて全てを見直す事にしたのだった。

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-修輔視点-

僕の母は、父が戦死してから少し気を病んでしまい、幾度と無く自殺を繰り返したり、僕も何度か首を絞められたことも有るけど、僕が支えてあげないと駄目なのだろうと思って頑張って来た、最近は少し容体も落ち着いて来て居るみたいだ、以前よりも笑うようになったと思う。

姉さんは、父の戦死の原因は自分だと言う、そして自分は汚れてしまった、近付かないでくれと言い、部屋に籠って滅多に出てこようとはしない。

母同様、姉さんも気を病んでしまっている。

理由は判らないが、姉さんの言う通りなのだとしても、僕は姉さんも支えてあげたいのに、それを許してはくれない。

妹美樹は、昨日木から落ちて、それから少しおかしい。

それ以前は自分の事を”あたし”と言って居たと思うんだけど、木から落ちて目を覚ました後は、”僕”になって居た。

話し方も男の子っぽくなって居ると思う。

妹の筈が弟みたいで僕は少しうれしい気もするけど、家族で男は僕だけなんだから皆を支えなきゃと思って居た気持ちが少し痛む、美樹を守り切れなかったからだ。

今日は、父の後、父の起こした会社全部を任された父の弟、太郎おじさんが様子を見に来る日だ。

おじさんは僕の父を、本当に凄い人だったと言うけど、母や姉さんの気を病んだ姿を見てきた僕にはそうは思えない、そんなに凄い人なら何とかしてくれたはずと思って居た。

おじさんも父の使って居た書斎の鍵を持って居なかったので、父の書斎に行けば判ると言われて居たが実際そんなに広範囲で研究を出来る人なんか居るものだろうか。

おじさんの話も眉唾だと思ってちゃんと聞いた事は無い、こう見えても僕だって入学したての小学校では学年主席を張って居た。

夏休みを明けてからは飛び級で高等小学校へと進学する事に成っているので、今学期は既に学校には行って居ない程だ。

あ、そうそう、一つだけ父を尊敬する所は有る、全ての子供に平等に教育を施せるよう、各自治体へ小学校を設立し、教育の義務化を果たした事だ。

お陰で僕の通っていた小学校にも恥ずかしい事に父の銅像が立って居た。

コレラやスペイン風邪への対処法や、感受性のある薬も作ったと言う事に成っているけど、昨日の美樹落下事件で飛んで来てくれた北里先生辺りと一緒に開発したのだろうと思うのだ。

どうせ今更基本の勉強なんかしても秋から通うのは高等小学校なのだ、もっと予習的な勉強ならばやり甲斐もあるのだけど、今の書生さんに教わる勉強では物足りない、だからサボってこの屋敷の中を探検して居る。

すると、美樹が中庭の方から現れたのだった・・・

美樹は、お父様の書斎や金庫の鍵を見つけたと言うので、一緒に言って見る事にした。

そして本当に書斎の扉は開いたのだ。

中には、僕がお父様の事を見直すに十二分の、父を目指す事に決めるだけの凄い物が沢山あった。

特に、お父様の日記が見つかった、これの最後には、お父様が普通の人では無くなって居た事や、それでも姉さんを助ける事が出来ないと葛藤する日々の苦悩が書き記されていた。

僕は書斎より、この日記を持ち出す事にしたのだった。

基本の勉学をお浚いして、新たなものを見出す完成を身に付けて、父の背中を追って見たい、そう思う様になったのが今日で良かったと思う、おじさんが来たら、父の話をいつもよりも真剣に聞いて見ようと思った、僕、修輔7歳の夏でした。

勉強も頑張ろう。

--------------------------------

「義姉さん、今晩は、お邪魔します。」

「いらっしゃい、新婚さんなんだからそんなにうちの子達の心配しないでも良いのに。」

「そうは行かない、兄上に頼まれて居るからね、しかし美樹ちゃん、北里先生から連絡頂いたけど大事に成らなくてよかったよ。」

「本当、その節はご迷惑おかけしました。」

「あ、おじさんいらっしゃい。」

「おお、修輔か、ちゃんと勉強してるかね?」

「はい、今しがたまで算術の基礎を復習しておりました。」

「そうか、秋からは横浜の屋敷から高等小学校へ通うのだったね、今のうちにみっちり基礎をやっておくと後々楽になる、頑張りなさい。」

「はい、ところでおじさん、父の話をして欲しいのですが。」

「そうか、では後で話してあげよう、一知花と美樹にも声を掛けて置きたいからね。」

「判りました、夕食の後にでもお願いします。」

「うん、そうしようか、義姉さん、一知花は未だ?」

「ええ、私はこの修輔が支えてくれたおかげで大分最近ではマシになったのだけど、あの子はお父さん子だったから・・・」

「そうだねぇ、せめて部屋から出て来てくれると良いのだけれどね、どうしたものだろう。」

「あ、おじさま、いらっしゃい。」

「おお、美樹、こんばんは。」

「あの、おじさまにちょっとお話があるの、後でお父様の書斎の前で。」

「それは又珍しい場所だね、まあ良いとも、夕食まで時間が少しあるね、今から行こうか。」

うまく太郎を連れ出せた僕は、先導して書斎へと向かう。

「おじさま、実はね、戸が開いたの。」

「何だって? 何処から鍵が出て来たんだ? この部屋の鍵は兄さんの考えた特別製だから鍵が無いと開かない筈だからね。」

「これだよ、カギ。」

戸を開けて太郎を中へ(いざな)った。

「当時のままのようだね、やっと兄さんの真意が判るかも知れないな・・・」

「実はね、僕はあの事件より少し前から、白血病に侵されていて、長くは無かったんだ、そこにあの事件が起こったんだ。」

「美樹?何を言ってるんだ?」

「僕だよ、いや、吾輩だよ、太郎、自分でも不本意ながら、娘に転生してしまった。」

「そんなこと・・・信じられん。」

「しかし事実なのだ、信じて貰わねばこれからお願いしたい事が伝わらん。」

「一体何が起こって居るんだ?」

「まぁそうなるよな、普通、ではこれはどうだ? 見て居るのだろう?ベル殿。」

何処から入って来たのかは虫が集まって来て人型を構成して行く。

「ふふふ、面白い姿になったものですね、見ていて飽きません、ですが、すでに私は貴方のお陰でベルでは無く、恵比寿ですよ。」

「な・・・誰だコイツ。」

「おっと、驚かせてしまい申し訳ありません、私は此方の、元修一殿のお陰で神格化する事が叶った元悪魔です、元の名をベルゼブブと申します、ちなみに今は、宝船神宮に祀られ、恵比寿天と同一化致しまして、さらなる力と信仰の力を得て進化致しましたが。」

「ナ・・・神様・・・と思って良いのですか?」

「ええ、その認識で間違って居りません、ですが貴方と天皇のお陰で、美樹殿、もとい、元修一殿は我々と一緒に祀られた為に今では素戔嗚尊殿と同一化されて居ります、つまりは神になって居りますよ。」

「そ、そうなのか?」

「まぁ大方合って居ると思う、その上で我が弟たる益田太郎冠者に頼みがあるのだ。」

「な、何です?美樹、いや、ややこしいけど、兄上。」

「まず、さっき吾輩がこの部屋で描いたばかりのこの手紙を陛下に届けて欲しい、それともう一つ、吾輩がいつどんな経緯で宝船神宮に祀られる事になって何故素戔嗚と同一化する事となったのかの経緯が知りたい、横浜宝船神宮へ連れて行って貰いたいのとその説明をお願いしたい。」

「わ、判りました、しかし、神と会話をする事が出来るようになるとは思っても居ませんでした・・・。」

「貴重な体験であろう? 何なら他の神とも話せるぞ、宝船神宮に祀られて居る神達ならばな、全員顔見知りであるしな。」

狐につままれたような顔をして太郎が慌てふためく。

「そんな恐れ多い、一気に福の神に囲まれて私は何を話せと言うのです?」

「ははは、それもそうか、だが、益田グループを良く纏めてくれているようだな、感謝するぞ、太郎。」

「いえ、兄上には再三に渡って世話に成りましたからね、嫁迄見つけて下さったのですから兄上の為なら出来る限りの事はさせて貰うつもりですよ。」

「しかし、切り替え早いな、お主、もっと驚くのでは無いかとか、受け入れられないのでは無いかと思って居ったが、意外とすんなり腑に落ちたようで吾輩の方が驚いておるよ。」

「そりゃ驚きましたけどね、兄上の出鱈目さは私が一番良く知ってますし、目の前で虫が集まって人の姿になる所を見せつけられては信じざるを得ないでしょう? まぁ腰は抜けるかと思いましたけどね。」

「スマンスマン、急に驚かせた、しかしさすがは劇作家でもあるな、創作劇のネタにでもしてくれ給えよ。」

うん、やはりこの喋り方を今の声でやってもしっくりこない、と言うかある意味笑いのネタだ、以前のような威厳が・・・

「そうですね、そうさせて貰います、精々面白おかしいのを考えますよ。」

「って事で僕は今の僕らしい喋り方に戻すね。」

「気にしないで下さい、兄上。」

「おじさまが気にしなくても僕が納得出来ないんだよ、いまいちこの声にしっくりしない。」

「ははは、成程、確かにそれは言えてる。」

「でしょう、だからおじさまも僕が修一だと思わないように今迄のように接して欲しいんだ。」

「ああ、確かにオカシイですね、あ、いや、確かにオカシイね、じゃあ今までの様に話そう。」

「あ、そうそう、太郎おじさま、この設計図なんだけど、計算間違ってたので手直ししました、技術省に届けて下さい。」

「え、もしかして前世よりも更にすごくなってるんじゃ無い?」

「うん、智天使ケルビムとも同一化してるからね、試したらこの計算が2分で暗算だった。」

さっき試して居た計算式を解いた物を見せると、それは驚いた顔をして居た太郎だった。

「それじゃこの設計図面と手紙は預かった、今日は夕食頂いたら帰るけど、明日お休みだから迎えに来るよ、神宮へ連れて行ってあげよう。」

「うん、有難う、おじさま。」

自分でも妙な感覚だったが、太郎はもっと違和感を覚えただろう、不思議体験だったのだろうし・・・

-----------------------------------

翌日

僕は、一知花を連れ出したくて、引き籠って居る部屋の前に居た。

「お姉さま、おじさまがお父様の神宮に連れて行ってくれるから一緒に行きませんか?」

「行ってらっしゃいな、私は出ません。」

妹が誘ってもダメか・・・仕方が無い、一知花に向けて僕が書いた手紙をドアの僅かな隙間へと差し込んでおくとしよう。

「実は先日、お父様の書斎の鍵を見つけたの、お母様には未だ話してない、カギはもう開けて有るので一度行って見たらどうですか? それと、お父様の手紙を見つけたのでお姉さまの分をドアの隙間から入れて置きます。 じゃあ行って来ます。」

そう言うと、中から、ガタッと急に椅子から立ち上がった感じの音が聞こえて来た。

きっと手紙に反応してくれたのだろう。

だがこの場に留まるよりはもう少し一人にしておいてあげよう。

皆さんのご意見、ご感想お待ちしております。

後、気が向いたら評価もお願いします。

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