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吾輩は神によって殺され悪魔の手によって過去に蘇った  作者: 赤い獅子舞のチャァ(実際の人物及び団体とは一切関係在りません)
明治技術革新編
18/90

番外編 吾輩は過去に転生し海軍大将へと出世した

海軍大将殿の物語、番外編です。

   番外編 吾輩は過去に転生し海軍大将へと出世した

デウスは頭を抱えていた。 人の信仰、畏怖は時を重ねる毎に薄れて行き、信仰を力としてきた神々も、悪魔同様衰退の一途を辿って居たのだ。

そして自分を含め殆どの柱は人間を侮って居たと思う様になって居る。

もっと下等で、常に戦争をし、殺し合い、神の救いを求めて信仰心が生まれる、そんな構図が脆くも打ち砕かれ始めているのが現状であった。

信仰心を生み出すのは容易ではない。其の為には鞭だけで無く、飴を用意する必要が有る。

聖遺物だ、聖遺物が人間を信仰へと駆り立てるのだ。

しかし聖遺物とはおいそれと生み出せるものでは無かった。

そして、神の御子として立った人の子、キリストの大頭からおよそ2000年、政教分離の原則が生まれ始めてからと言う物、宗教を政治と分けて考え出した人は、逆に勝手な新しい神を生み出して宗教の多様化を始めてしまう。

一部の神は新興宗教とやらでも柱として信仰を受けるものの、その規模は小さく、力を完全に取り戻せる物では無かったのだ。

困った事が有る時にだけ神よ、等と心にもない信仰をされても力には結びつかない。

最近では無神論者などと言う大それた罰当たりまで増え始めた。

そもそも宗教の多様化は元々宗教を分ける事でその解釈の違いからなる対立から宗教戦争を引き起こし、救いを求めて神を敬う事による一層の信仰を得ようとしたのは神の御業であった。

自分達のしたことで首を絞めてしまう羽目になって居たのだ。

「あれが悪かった、原子力爆弾、あの聖遺物は大量の人を殺し過ぎたのだな、あれで宗教への疑心が生まれ始めたのだろう。」

デウスが思わず声に出すと、セントルシア(キリスト教の聖歌にも謳われる光の女神、サンタルチア、仏教の廬舎那仏)が意見を述べる。

「あれを阻害するよう、過去を改ざんしてはどうだろう?」

「過去を改ざんするだと?クロノス様がどの時代へ行ってしまわれて居るか判らない以上、このデウスの力を持ってしても人一人過去に送るのがせいぜいだぞ。」

時の神クロノスはデウスの祖神に当たり、放浪癖が有る、時空を操る力を持って居る上に信仰心などを必要とせず無尽蔵の神通力を保有する、云わば絶対神、創造神にして、善悪の区別の最も薄い、最強の邪神でもある。

まぁ元より、神々にとって善悪の区別は曖昧、むしろ無いと言っても過言ではないのでは有るが・・・

余り神に近づき過ぎて機嫌を損ねると触りが有ると言うのは、所謂そう言う事なのだ、神が良かれと思ってした事でも人にとっては祟りと言って過言ではない行為であったりする。悪魔も似たような概念から逆に人が生み出した神の一種であるという考え方まである。

神は信仰心を受け力とし、その信仰心は人が神に対して居抱く心、信仰心には強大な力が有り、ときに新しい神をも生み出す程であるのだ。卵が先か鶏が先かのような論議に成り兼ねないのであまり深くは踏み込まないが・・・

「過去に送るのなら只の人間より我が眷属に人への生まれ変わりが居る、下手な只の人間よりも過去に飛ばすなら適任では無いか?」

天照大神が横から口を挟む。

「あまりにも暑苦しい性格なので世間を見て来いと落とした奴じゃ、もっとも本人に自覚は無いがの。」

「成程、適任やも知れぬな、ではそ奴にしよう、クロノス様が居らぬので我の力ではどの時代に転生できるかも判らん、普通の人間の精神では耐え切れんであろうしな。」

デウスはその意見に乗ってみる事にした。

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東京オリンピック、閉会式が終わり、レポーターの仕事も同時に終了した。

打ち上げの宴会の最中、俺は車だったので酒は飲まなかった。

久々に疲労感を覚えたので早めに切り上げて帰る事にした俺は、スタッフ達に早々に帰る事を告げ、二次会の足しにと5万程ポチ袋に入れて渡し、切り上げた。

「じゃあお先に! 皆あんま飲み過ぎて明日の仕事に支障出ないようにしろよー!」

それは突如起こった、近くの100Pに停めた車に向かう途中の事だった。

若いカップルがいちゃ付いているその場所に向かって、明らかに速度超過と思われるトラックが突っ込もうとしていた。

「君たち危ないっ!!!」

咄嗟に体が動いていた。 間に合わない! そう思い飛び込むようにして彼らを突き飛ばした次の瞬間、俺の体はトラックと激突し宙を舞う。

くそう! 俺は多分これで死ぬだろう、まぁ良いさ、最後に若者を助ける事が出来ただけでも良い人生だったんじゃ無いか?

心残りは、俺のスクールの卒業生のアイツが世界ランク1位になる所を見られなかった事かな・・・

----------------------------------------------------------

「我が眷属よ、目を覚まさぬか。」

・・・・・・・・遠くで声が聞こえる。女性の様な高めの声だが力強く男性的にも聞こえる、中世的な声だ、そして何となく聞いた事が有る気がするが思い出せない。

「あなたは?」

「何じゃやはり覚えとらんのか、我は天照じゃ、まあ良い、今からお主を過去へ転生させる、それに当たって使命を与える。」

「天照・・・神様ですか。」

「うむ、今からお主に与える使命は、お主がこれまで生きて来た世界を、間違った道から修正する事じゃ、2つの大きな戦争に明け暮れ損耗して行く世界を出来る限りで良い、そうならぬ方向へと変えるのじゃ。」

「すると、俺は大正時代辺りに生まれ変わるって事ですか?」

「それが残念な事にな、時空の神が姿を晦ましておって何時の時代に飛ばされるかは運次第、其処で元我が眷属であったお主の魂の強さならば、かなりの過去まで飛ばされたとしても、自力で幾度か転生をしてなんとでも出来るという結論に至ったのだ。 我ら神々は人の世を間違った方向へと導いていた様だ、以前我が眷属であった頃にお主が我に意見した事が正しかったのだ、実際に今、人の信仰心はお主の懸念していた通り薄らいでしまったのだ、お主の思って居った通りに世界を変えて見せるのじゃ、頼んだぞ。」

「何かが思い出せそうですが、思い出せない・・・でも多分俺の思い通りに動けばいいって事ですね、判りました!」

「話は終わったか?それではこのデウスが転生を行うが良いか?」

ん?今まで話してた神さんは天照大神で、今度のこちらはデウス?神様ってどんな概念で存在してるんだ?何か思い出せそうだけどどうにも思い出せない、何だこのモヤモヤした気持は・・・でも考えても仕方が無い、思った通りに行動して行けばきっとうまく行く、今までも、これからも。

「はい、お願いします。」

----------------------------------------------------------

「気が付かれたぞ!坂本さぁ!大丈夫か!?」

ん?坂本?誰の事だ?

「俺は一体?」

「切られ掛けたんやないですか! 覚えとらんのですか?」

「ん?! 待て俺は誰だ?」

「冗談は辞めて下さい、坂本龍馬さんじゃろうに!」

何故か坂本龍馬に生まれ変わって居た、しかもこれは池田屋で死んだ筈の所から入れ替わったようだ。

一応記憶を確認しておこう、俺は元テニスプレイヤーで死ぬ直前、東京オリンピックの打ち上げパーティーをしていた、トラックが突っ込んで来てその被害を受けそうだった若いカップルを庇おうとして俺自身が跳ねられた。

ここ迄問題ないな・・・その後が問題だ、何故か夢に天照大神とデウス神が出て来て過去に転生して神がしくじった人間の歴史を変えろと言われて生き返る事に成った・・・迄は良いな、何故に坂本龍馬なんだ?

確かに、あまり人に言った事は無い、多分TVのインタビュー等でも余り言った記憶は無いが、尊敬する偉人の筆頭に坂本龍馬とは思って居たが・・・

俺がかよ!

待て待て・・・坂本龍馬はここで死んだ事になってる筈だな・・・

ならば名前を変えて、勝海舟にでも頼るとしよう・・・あの人なら助けてくれるだろう、判ってくれるだろう。

「俺は死んだ事にしてくれ、お前達も自分たちの好きに生きるんだ、良いな? それから、海援隊の連中にもよろしく頼む。」

こうして俺は坂本龍馬に転生して坂本龍馬では無い人生を生きる事に成った。

名前は、当面前世の名前をそのまま使用しても良いだろう。

前世では少し古臭い感じの名前だったが、幕末から明治なら丁度しっくり来そうだしな。

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こうして俺は、坂本龍馬として転生し、坂本龍馬である事を捨て幕末を生き抜き、勝海舟の側近として新政府海軍の幹部に取り立てられる。

勝海舟殿が海軍卿並びに海軍大臣、そして俺は海軍元帥に、その後、西南戦争を乗り越え、新設された海軍大将の座に就いたのだ。

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有る時、中々面白い情報を耳にする。

陸軍に、神童と呼ばれる子供が兵器開発の為に招聘され、准尉として活動中であるという。

もしかすると俺の様に未来から転生させられた者では無いかと思い、その子供の情報をありとあらゆる手を使って手に入れていた矢先、自動小銃を開発した、とか、新型装薬も開発した、流感の特効薬を作った等と明らかにおかしな情報が出て来る、挙句にスクリュー方式の船舶推進だ、こいつは間違いない、未来人だ、何としても吾輩に協力して貰いたいと思い、陸軍省に出向いた。

「益田大尉、参上いたしました。」

「入りたまえ。」

「は、失礼いたします。」

ついに会う事が出来た!これで俺は次に転生しても如何にか使命を果たせそうだ。

「おお!貴官が益田君か! 君が起こした設計図は凄いぞ! これまでの方式など問題にならん位の速度が出るでは無いか! 艦船の新時代が始まるそ!」

こうして彼との繋がりを持つ事となったのだ。

何だかブックマーク登録者数がぐんぐんと増え始めました、有り難い事です。

皆様の感想、ご意見、ご指摘、お待ちしております。

後、気が向いたら評価もお願いしますね。

これからもまだまだ長く掛かる物語なので頑張ってシナリオ考えながら書いて行きますのでよろしくお願いします。

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