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吾輩は神によって殺され悪魔の手によって過去に蘇った  作者: 赤い獅子舞のチャァ(実際の人物及び団体とは一切関係在りません)
明治技術革新編
11/90

番外編 パンデモニウム

 本編とはあまり関係のない番外編です、まぁ要らないっちゃ要らないのですが、面白いかなぁってやってみちゃいました。

パンデモニウム

「ベルゼブブは居るか。」

「は、こちらに控えております。」

 ハエが集まって来て姿を成す。

「例の人間の様子を報告せよ。」

「は、畏まりました。」

 ベルゼブブは、懐から水晶玉を取り出すと魔力を流し込む。

 すると空中にモニターの様に映像が映し出される。

「12年以上に渡って使い魔に例の人間を観察させてまいりました。どうぞご覧下さい。」

「おお、サタン様、私にも拝見させて頂けませぬか? かの人間をスカウトしようとしたのは私ですので、気になっております故。」

「おお、アザゼルか、良い、楽しむが良いぞ。」

 意外かも知れないが、パンデモニウムはかなり21世紀化が進んでおり、サタンのリビングルームみたいになった部屋で、ソファーに横になったサタンがポテチ食いながら映像を楽しんでいる。

 ちょっとした引き籠り状態である。

 序章であんなかっこ良さげな事を言って居たが、ただの娯楽で助けて見たりしたのだった。

「ほほう、流石に知恵のある人間だ、意外な方向に歴史が変化しそうであるな。」

 サタンは関心とばかりに相槌を打つ。

「しかしオッチョコチョイと言いますか、何処か抜けた所が有るようですな、割と失敗も多くて見ごたえが有りますぞ。」

 一人掛けソファーでコークハイをストローで飲みながらアザゼルが楽しそうにしている。

「ベルゼブブよ、なかなか愉快な映像であった、引き続きこやつの様子を観察せよ。なかなか良い娯楽であった。」

 最近では悪魔と契約をしようとする輩も激減していて悪魔はする事が無いのだった、そして悪魔を信じる人間も減って居るので信仰と同義の恐怖心が集まらなくなって衰退して居たのだ。

 天魔大戦を起こす? そんなのもウソだった。

 勝手に代表に決めた人間との契約が成立して居るので食糧事情だけは解消されたので、何もしないでも悪魔は生活に困る事は無くなって居たのだ。

「私もこの人間は見ていて楽しく思います、この後何をしてどう歴史を改変するか楽しみです、間もなく戦争も起きますし、私にこの観察任務をお与えくださり大変有難く思います。」

 ベルゼブブも楽しそうである、そりゃそうだろう、使い魔とはいえベルゼブブのハエは本人の一部でも有るのだから、まさに目の前で見ているのと同義なのだ。

「それではまた、御用の際は何時でもお呼び下さい。」

 ブワッと言う感じに分裂してハエの大群と化して飛び去るベルゼブブ。

「それではサタン様、私も失礼いたします、楽しい余興になりました。」

「うむ、また何時でも訪ねてこい。」

 アザゼルは翼を広げて飛び去る。

「あ! サタン様、ずっる~い! 何で私呼んでくれなかったのよぉっ!」

 突然入って来たのはリリスだ、むっちゃくちゃ勢い良くソファーで横になるサタンに飛びつこうとするが、サタンは慌てて飛びのく。

「く、貴様どうやって入ってきた! 貴様に入り込まれない様な結界を張ってあったのに!」

「え、決まってんじゃん、私とサタン様の仲じゃない、ちゃんと持ってるわよぉ、あ・い・か・ぎ。」

「んな訳ねぇだろ、お前に合鍵なんか渡したこたぁねぇっつーの。」

 サタンは頭を抱えて嫌そうにしている。

 全くどうやって合鍵なんか手に入れたのやら、とサタンは頭を悩ませる。

 実は今ではリリスは今ではサタンのストーカーと化しているのだった。

「おい、誰か居らんのか? アスタロト! サルガタナス! マモンでも誰でも良いからこのビッチを放り出せ!」

「あらぁ、もう、イケズね、照れちゃって私をビッチ呼ばわりだなんて。」

 何を言われてもめげないとはこの事だった。

 サタンとしてはこれ程迷惑なサイコパスは他に居ないだろう。

「ええい! 誰も来んとはどう言うこった!」

「うふ、皆眠って貰ってるわよ?」

「いぃっ!?」

 サタンの側近になって居たアスタロトすら眠らせるなんて一体どれだけの強力な術を使ったのか、むしろどれだけ魔力を高めていたのだろう。

 ビビったサタンが慌てて逃げ出す。

「あ、あれはなんじゃ!」

「え? なになに?」

 サタンにしか興味のないリリスではあるがサタンに指を刺されるとついそっちの方向を見てしまう。

 リリスが振り向くと既にそこにはサタンの姿は無かった。

「もう、恥ずかしがり屋さんなんだから。」

 誰も居なくなった部屋を後にするリリスであった。

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 ベルゼブブの使い魔は、今日も一太郎の見張りと言うか観察をしている。

 又しても何か、想定外の事なのか、もしくは計算ミスが起きているのではないか?

「あーもう、これでもダメかっ!」

 何やら苦悩している一太郎を見つめてクスクスと笑わずに居れないベルゼブブであった。

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