鏡を見て
髪型を整える時、歯磨きをするとき、きになるあの子に会う前、私はあなたを見なきゃいけない。
鏡、あなたにはきっと呪いがかかってる。
私がこんなに可愛くないわけない。
私がこんなに太ってるわけない。
私の容姿がこんなんじゃなければ、こんなに苦しむことはないのに。
好きな洋服を着て
あの子に素直にアプローチして
好きなことをたくさんするはずの私の未来が
鏡、あなたのせいで台無しだ。
早く呪いを解いてよ、私だって好きでこの見た目に生まれたんじゃない。
だからからかわないでよ、変わろうと努力はしてる。
ごめんね鏡さん、私きっとわかってた。
これはあなたに呪いがかかってるんじゃなくて、私にかかってる。
私の鏡の根底にからかう言葉が、蔑む視線が潜んでて、私を攻撃してくるの。
だから鏡さん、あなただけは本当の私をいつか見せて。