一目惚れ
2月も中旬で山田聖那の高校1年が終わり目前へと迫った。
2年になろうと多少学校の単位が変わるだけからして別に学校はなんの違いもない。
もしわかりやすく変わることが周りにあるなら俺はバイトではないかと思う。
バイトは高校3年の短期バイトがチラホラ入ってくる。
そういう意味では出会いの季節にもなり得るだけでなく辛い別れを育ててしまう時期だ。
「・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
バイト前の気だるさは異常だ。
腰が重く、息が深く飛び出す。
これからバイトを控えた身としては死ねと言われてるのではないかと思う。
ガチャ
オートロックの扉が開いた。
どうやら短期バイト2人目が面接に来たらしい。
「ここ座ってもらっていい?」
店長が狭くて3つしか用意されていない椅子に腰掛けるように促す。
そのせいで俺は座る場所を失い肩身が狭くなる。
だが、どうやら必要書類を渡しに来ただけらしい。
「はい!」
謎に心惹かれてつい顔を彼女に向けてしまう。
静かだがしっかりした笑顔で肩甲骨の下まで伸び少しカールした髪を揺らしていた。
ドキッと胸が鳴いた。
座っているほんの2、3分程度の間が長く定期的に目線がそっちに引き寄せられる。
「えーと、ゆいさん。はいこれ」
茶封筒を渡したのを見るともう出ていってしまうらしい。
ゆいさん、ね。
綺麗・・・だったな・・・
バイトで被るのが楽しみだ。。。
さて、
バイト頑張るか!