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一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート)

一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート) 賢木

作者: 一 茜


久しぶりに57577を投稿した気がする……



小鷺(こさぎ)たつ

()えたる秋の

()まり場は

夕日の手繰(たぐ)

宵闇(よいやみ)(はし)



《私の真面目訳》

小鷺が飛んでいる冷えた秋の行き着く先は夕日が引っ張っている宵闇の端なのだなぁ


《一応の解説》

小鷺

最も小さい鷺。その大きさから茜は「小鷺ちゃん」と一時期言われた。自分を例える時に、猫とカタツムリの次に使ってます。(ただしこれはあくまで裏話。知らなくて結構です。)


冴えたる=冴ゆ➕たり(助動詞)


冴ゆ

辞書で調べた時の最初の意味は「冷える」という動詞。


手繰る=引っ張る


宵闇

夕闇。日が落ちて月が昇るまでの暗さ。



(にのまえ)解説》


参考にした和歌を紹介します。



心なき

身にもあはれは

知られけり

鴫立つ沢の

秋の夕暮れ

(出家した趣を理解しない身の私にもも、しみじみとした趣は感じられるものだなあ。しぎが飛び立つ沢の夕暮れよ。 )

全体的に影響を受けています。最初に干潟に住む鳥を入れているのはこのためです。



年ごとに

もみじ()流す

竜田川

(みなと)や秋の

泊まりなるらむ


(毎年紅葉の葉を流す竜田川のその河口は、秋の停泊所なのだろうか。)


花は根に

鳥は古巣に

帰るなり

春の泊まりを

知る人ぞ無き


(春が終わると、花は根に鳥は古巣に帰るという。しかし、春の行き着くところを知っているひとはいない。)


和歌における「季節の湊(停泊場)」問題は昔からあり、多くの和歌で詠まれています。今回はその一部を紹介させていただきました。


ということで、今回はそのような流れを汲んで詠んだものです。そして、実はこれ茜が高校生の時の和歌を少し推敲したものです。


高校生の時って帰る時間が一定ですよね。だから夏はまだ日が暮れぬ内に帰り、冬は暗い時に帰ります。よって春と秋は夕焼けの中帰っていました。


そんな秋のある日、「秋は夕暮れ……」と呟きながら帰っていた時に季節の湊シリーズの和歌を思い出しました。


「何かあるかな?」と思いながら見ていると、空の半分ほど沈んだ夕日の反対側に群青色の夜を薄めたような空を見つけた時に、「ここだ!」と思いました。


真夜中になると真っ黒になって何も見えなくなってしまいます。なので、日の沈みかけの時間の『街の色➕夜の色』みたいに感じる時間の方がかえって夜らしさを感じて好きです。夜らしいと寂しさを感じます。ということで秋のが溜まっているように感じたので、小鷺という茜の象徴の飛んでいる秋の泊まり場としました。


少し理系的に話すと、朝にも同じ角度で日光が届く時間あるよねって思う人居ると思います。でも、暗いところから明るくなっていくのと明るいところから暗くなっていくのでは結構雰囲気違うと思っています。


さて、このシリーズでもっとも和歌の内容だけで長文になっていることに気がつきました。ここまで読んでいただきありがとうございました。


挿絵(By みてみん)


上の御写真の上の部分の空の色がまさに夕日の手繰る宵闇の端です。


Twitterでhikosuke6652さんからいただきました!私が使用することを願い出たところ、快く許可してくださいました。とても写真を撮るのが上手いお方です。是非Twitterで検索してみてください。



よくTwitterで写真が好きな人のアカウントをうろうろしている茜です。詩や和歌を勝手に作っています。


上手い人がカメラを使うと、自分で見ている世界より写真で撮ったほうが綺麗ですね。私が撮影しても現実の劣化にしかならないんですけどこれは……。


そんなこと考えながら、私が文字で表現している世界は現実よりも綺麗に見えているのか気になっている茜です。

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