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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自死

作者: 業野一生

 これは近いかもしれないし、遠いかもしれない近未来の話。国民の三人に一人が自殺するといわれる位に自殺率が半端なくなった国でのお話だ。


 俺もそんな国に生まれた自殺願望持ちの一人だった。あらゆる事に負けた。仕事も学問も何もできない。かといって努力しきったわけでも無い。人並みこなしてても人並み以上にこなせなかった奴・・・それが俺だ。その事実を淡々と認識できる脳みそはある。正直それが一番悔しい。その卑屈な部分を底意地の悪い勝利者たちが突いてはなじる。それを割り切った奴は自殺を選ぶ、そんな社会だ。しかしあいつらにも言いたい事はある。負けたやつがいるから勝ったやつがいるんじゃないかと?


無論底に沈んでうめく男の声などそんな連中に届くわけもないのだが。


 自殺とは簡単な事じゃない。基本的に自殺まで行えた奴は一種の人生の勝利者である。入院したころに知り合ったやつはよくこう高らかに言っていた。


「リストカットは個人の一生ものの勲章!自殺者は人類史の語られることのない英雄!」


  その言葉の意味を俺は考えたくも無かったし、知りたくもなかった。今尚、死にたいと思っていてもだ。少なくとも大きな意味は無いのだろう。最早尊厳という価値観が全て破壊された末に出てきた負け惜しみだと俺は捉えていたい。


そんな俺だが、今マンションのベランダに出ている。9階の為、飛び降りれば死ねる可能性は極めて高い。一番不安なのは中途半端に半身不随とかになることだ。


「・・・」


言葉も無く無言で飛び降りようと思った時だった。突然ズボンのポケットに入れていたスマホが鳴り出す。


「ん?」


俺は無意識に電話を取る。電話の相手は・・・


「っすみませんっ・・・間違えました」


可愛い女の子の声の間違え電話だった。


すぐ切れたが、その電話のお陰で俺はその日、自殺するのを止めた。誰か知らないが女の子の声が可愛かったのが良かったのかもしれない。はぁたまんね。


その出来事から三日後に俺は自殺した。



                           ~ Fin~

一日大体これくらいの文作って、少しずつ能力アップ目指そうと思う。

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