21.センパイたちとの関係に
「……知っちゃったの? そ、そっか、月渚ちゃんはどうしたい? 私らのことを知って、嫌だなって思わなかった?」
「思わないです! だって、わたし、文芸部に入れていなかったら、ずっと何も出来ずに終わっていたと思うんです。だから、あの……このままいてもいいですか? 活動のお邪魔はしないですから、だから……」
マキちゃんに聞いたことを、全てセンパイたちに打ち明けた。文芸部の他に、センパイたちは学生の為の裏活動、つまり嫌われ役のようなお仕事をしている凄い人たちだった。
「邪魔なんてしてないよ? 月渚ちゃんが自分から探しに来てくれたんだからね。そうでしょ?」
「彩さん! そ、そうです! わたし、カレシも素敵な本もここで探したいです」
「なら、いいじゃん? むしろいてくれないと後輩が入ってくれなくなるし、月渚ちゃんがいてくれないと槭が寂しがって泣くからね」
「えっ? カエデ先輩が泣くんですか?」
「泣く泣く! あいつ、女々しいしさー」
強そうで優しくて、わたしを引っ張ってくれたカエデセンパイにも弱い所があるんだ。そう思えたら、何だか嬉しくなってくる。
「ふふっ……」
「る、月渚さん、俺はそう簡単に涙は見せないからね? 彩に騙されたら駄目だよ……」
「え、あっ、カエデセンパイ!?」
「人がいない所で嘘を吹き込むとか、それでも会長かよ? 悪い女だな、お前」
文芸部のお部屋に来た時は、彩さんしかいなくて、それでもお話を聞いて欲しくて先に話してしまったけれど、遅れてカエデセンパイも来ていて、彩さんの話をすぐに否定していた。相変わらず仲がいいなぁなんて、凄く見ていて微笑ましい感じがする。
「そういう槭も月渚ちゃんに変なことを吹き込んでないよね? というか、月渚ちゃんはウチラのことをお友達から全て聞いたみたいだし、そういう意味でも槭は月渚ちゃんを守ってやれる?」
「当たり前だろ。責任は持つ!」
「ええっ!? せ、責任ですか?」
「そ、そういう意味じゃないからね? と、とにかく、月渚さんは文芸部の活動を継続してもらいつつ、克服出来るように頑張る……ってことでいいかな?」
「は、はい、これからもあの、お願いします」
センパイたちは優しいままだった。それじゃあ次は彼女たちとお話しないと、誤解を招いたままになったらそんなのはみんなが苦しくなってしまうよね。頑張らなきゃ。
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