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15.強すぎる味方

「あのっ、ベニさん。サイさんもそうなのですけど、どうしてそんなに強くいれるんですか?」


「んー?」


「わたし、強くなりたいんです!」


「それって男相手に? それとも筋肉とかそっち系の話?」


「お、男の子のほうです」


「恋がしたいから……かな? 苦手のままだと恋どころか、好きにもなれそうにないもんね。そっか、ルナちゃんはそれが目的かー」


 目的が恋愛だから文芸部に入ったってわけじゃないんだけれど、本が好きだから(特にマンガ)、近道になればいいなと思っているだけで、目的とか言われちゃうと何も言えないよ。


「えと……そ、そんなことないです」


「いや、違わないでしょ! でも偉いじゃん。男としては微妙だけどカエデが近くなのに、話が出来てるよね。それってルナちゃん的に前進してる感じがするよ」


「微妙ってお前、失礼過ぎんだろ! 本人いるんだぞ!」


「顔だけ良くても、あんた微妙だし。イマイチ頼りにならない。これはウチの学校にいる女子からの総意だから。少しは自覚しろっての」


「な……!? そ、そんなの初めて知った。心が痛すぎる……」


「あ、あの、そ、そんなことないです……槭センパイは頼りになってますから」


 文芸部にいきなり連れられた時は怖い感じがしたけれど、でも、きっかけをくれた人だから今は少しだけ、ほんの少しずつだけど最初の怖さは消えている気がする。


「月渚さんはいい子だね。それに引き換え、さいもそうだが、アオイもきつ過ぎるだろ。とても月渚さんと同じ性別とは思えないな。それでも1年の頃は少しは可愛げがあったはずなんだが……げっ!?」


 ベラベラと調子よく話す槭センパイの横で、指をボキボキと鳴らしながら楽しそうに微笑んでいるベニさんがいた。あー……何か可哀相。でも、いいなぁ。同じ女子でも格好良くて強くて、はっきりと物事が言えて、男子相手にも物怖じとかしなくて。わたし、なれるのかな? ううん、ここまでじゃなくてもいいの。


 だけど、まずは友達を作りたい。もっと、わたしよりも強い人たちとお話したい。それがきっとわたしの恋への近道になるはずだから。

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