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吟遊詩人と三百年後の異界伝説  作者: 喜多 旭
第一章 再びの邂逅
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第一話  プロローグ

              


 永遠なんていうモノは存在しない。どんなことにも終わりは来るものだ。

 時間はこの世に存在する全てのものに平等に流れていく。

 それがどれだけ大切なものであっても、いつか終わりを迎える。

 彼にとってのこの世界のように。


◇◇◇◇◇


 西洋風の街の広場。

 その中心に位置する噴水の縁に、一人の青年が腰掛けていた。

 白い衣装を身に纏い、純白の鷲を肩に乗せ、天を仰ぐ。

 どうしたことか、彼を取り巻く街のあらゆる建物や草木からは微細な光の粒子が放出されている。

 まるで世界を構成する全てが分解されているような光景。

 何処か遠くから、大勢の人々の歓声と拍手が聞こえてくる。


 ――――この世界だけが例外だなんて、都合の良い思い込みだと、分かっていた。

 ――――分かっていたけれど、いざその時が来るとなると、やっぱり辛いな。


 彼はそんな感傷に浸りながら、肩に停まる白鷲、セイルの背を撫でた。


 今まで共に歩んできたセイルとの旅も、この世界と共に終わる。

 そう思うと、胸が張り裂けそうになった。


 ――――――ピィッ、ピィーッ


 白鷲が鳴く。

 思えばこいつと出会ってからもう5年が経つ。

 このまま別れるというのも味気ない話だ。


 ――――最後に何かしてあげようかな。

 ――――こいつの好きな歌でも歌ってあげようか。

 ――――うん、それが良いな。


 彼は目を閉じて薄く微笑みながら、そっと、肩の上の白鷲に聞かせるように歌を口ずさむ。


 この世界の始まりの時から謳われていたと謂われる、その歌を。



 お読みいただき、ありがとうございます。

 本作品が初執筆ですのでお見苦しい点があるかもしれませんが、生暖かい目で見守っていただけると幸いです。

 誤字・脱字、不適切な言い回しその他のご指摘は随時お受けしております。

 感想欄の一言でお伝えくださると大変助かります。

 願わくば、この先末永いお付き合いを。 

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