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キモオタの俺が無人島でクラスのリーダーとなる。

俺の名はキモ田ブス男。身長170センチ、体重60キロ。17歳の高校2年生。一重・豚鼻のブスメンで女とまともに喋ったこともない。スポーツなんてやったことない。頭も大したことはなく、科学や物理では学年10位には入るも、国語や英語が学年最下位レベルの馬鹿で総合すれば平均レベルだ。適当に学校終わらしてさっさと家に帰ってマンガ読む毎日。特に焦りはない。ほとんど世の中の高校生こんなもんだろ。適当に大学言って適当に就職して適当に生きるさ。どうせ結婚とかできねぇし。そんなこと考えて生きている。


いつもの普通の朝。どこにでもある普通の高校、普通のクラス。1限目が始まる前の小休憩。

俺はカバンからスマホを取り出し、机の陰に隠して弄っていた。特に代わり映えしない日常。のはずだった。



(何が起きた?)


事は一瞬だった。


浜辺にいる。

青い空、白い砂、青々と茂る木々。波の音、鳥の声…


(は?なんだ?南の島?)


あたりと見渡すとクラスメイト30人全員いるようだ。



「は?」「えっ」「??」「なにこれ」「えええ」


静寂から徐徐にみんなの声が広がっていく。

「おい…どこだよこれ…」

「ちょっと!なに?どうなってるの!!??」

「なになになに!?意味わかんない!」


10秒も経たずに大混乱となった。

悲鳴・絶叫が静かな島に響き渡る。俺ももちろん死ぬほど驚いているが、しゃべったところでどうにもならないので思考は頭の中に留めておいた。

(あー…クラスで無人島に漂流…? なんの漫画だよ…)

俺の回りにいる根暗オタク仲間達も同様に黙っていた。それぞれフィクションには日ごろから慣れすぎているのだろう。クラスの大半のように狂乱する様子はない

リア充どもの狂乱はもう10分ほど続き、うるさいなと感じ始めた。


「お…おい!とりあえず誰か人がいないか辺りをまわってみようぜ…!」

いつもクラスの中心の野球部が言い出した。さすがリーダー。

「そ…そうね」

「おい!みんないくぞ!」

「俺も俺も…!」


クラスの4分の3が野球部の提案に乗り辺りを散策に出かけた。

残ったのはクラスの日陰、オタク達だけだ。

俺はどうぜ無人島だろうと確信しているが、みんなも同じ理由で残っているのだろうか。


騒いでた人間がいなくなり、島に静寂が戻った。



化川学(バケカワマナブ)「なあ…キモ田… 意味わかるか。」

オタク仲間の一人が話しかける。

「わかるわけねーよ」

「だよなぁ」

「じゃーん」

「おっスマホもってるじゃん」

「当然圏外だがな。ワープしたときに手に持ってたからこのまま持ち込めたみたいだ。」

「っても電池きれるまでの間だもんな~」

俺達がしゃべったのを皮切りにいつものオタク仲間達が集まってきた。


物部理(モノベサトル)「現実だよなwwww。感覚的にwwwww」

生田命(イクタメイ)「今日のプリキュア見れねえのかよおおおお」

化川「どうせ録画してんだろ」

生田「あっそうじゃん! なーんだ!じゃあ泳ごうぜw」


流石のオタク仲間達もテンションがあがってきたようだ。それにしても冷静で呆れるが。さて、リア充達は探検にいった。俺達はどうするか。


「とりあえずさー漫画的には日帰りとか1泊じゃ帰してくれないよなぁ」

物部「それwww何日か滞在は確定的wwwwやばすぎwww」

化川「仮に何かの人間観察的ないたずらだとしても、みんなのために長期滞在の準備をするのは悪い評価ではないはず。」

生田「つーか生き残れないだろ~人数大杉。女も多いし3日ももたないね。」

物部「おいwww生物学年トップの生田が言うと妙な説得力あるからやめてくれwww」

物部「マイクラ的には気を手でえぐり取って、斧をつくる!」

「とりあえず、日が暮れる前に火を起こさないとなあ」


やや建設的な話を始めると、残った他の非リア達も集まってきた。

「私もそう思う。協力する。」

「燃やすもの集めてこようか」

眼鏡オタク腐女コンビ、責上(セメウエ)受下(ウケシタ)


「でもどうやって火をおこす。手で木を擦ったとこでまず無理だぞ。」

学年トップ秀才一匹狼の東台(トウダイ)くん。


「…」

黙ったままの根倉(ネクラ)くん。こいつの声はいまだ聴いたことがない。


今浜辺に残っているのはこの4人にオレ達4人を加えた8人。

俺は少しワクワクしてきていた。こんな気持ちになっているのは恥ずかしいので押し殺したいが。俺達はクラスの日陰だが、知識量は間違いなくある。オレ隊が力を合わせれば何でもできる!そんな気分になってきていた。


「食料はどうする」

「つーか火を…」

「寝床は…」

こっちも混乱してきたな。話が進まない。

「まてまて、話が進まない。定石どおり司会進行というかリーダーが必要だ。決めよう。

俺は秀才の東台くんを推す。」

物部「そうだな 俺も賛成。」化川「異議なし」「右同」「上同」

俺の意見に皆が賛同した。しかし

東台「いや、皆がぼくを一番頭良いと思っているなら辞める。ぼくがリーダーになると反論するものがいなくなりそうだ。独裁っぽくなると危険だよ。」

わお。ごもっともな意見。てかそんな話も漫画にあったな。

東台「ぼくは言い出しっぺのキモ田くんをリーダーに推薦して、みんなでサポートするようにすることを提案する。」

物部「そうだな 俺も賛成。」化川「異議なし」「右同」「上同」


マジかよ。


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