3.兄たちとの再会
パーティが終わってから、ご令嬢方の追及の手を逃れたわたし。オンナの嫉妬はこわいものがあるので、まだ12歳であることを強調し、シャルル殿下の気が変わらないとは限らない、といっておいたのだ。早々にお母様をつかまえて自宅にもどり、お兄様方と会うことはかなわなかった。しばらくぶりに、再会できるはずだったんだけどなあ。わたしはいつもの元気がなく、やや落ち込んでいた。
「どうしたの、フィオナちゃん。今日はサーディとシヴィルが帰ってくるって連絡がはいったのに」
「本当ですか、お母様!嬉しいです、すぐにお出迎えの用意をいたしましょう。お兄様たちはいつまで滞在してくださるのでしょうか?」
「まだ聞いてなくてね。あの二人ならすぐよ、・・・ね?」
魔力が部屋の中に集中していくのを感じみていたら、シュンっ!と音がしてお兄様方が姿をみせた。すぐに、そばによって抱きつく。お兄様方は嬉しそうに微笑み、だきとめてくれた。
「おかえりなさいませ!ずっと、お会いしたかったです。今回はいつまで屋敷におられますか?」
「しばらく、一緒だよ。嬉しいな、僕たちもだよ、フィオナ。可愛い僕らの天使。しばらくぶりだね。元気にしてたかい?」
「はい、フィオナは毎日元気にしておりました!お兄様方に追いつけるよう、日々努力しております」
離れながらそういうと、お兄様方とお母様とテーブルにつく。ルチルに紅茶をいれてもらった。暖かな、カシュカシュの紅茶。香りがたちのぼり、味わいながら飲む。日本でもあった紅茶がル―ディニアにもあるのは、嬉しいことだった。考えながら飲んでいたら、かるく肩をつかまれた。
「―――――フィオナ、聞いてるの?」
「!すみません、お兄様方。考え事をしておりました。もう一度、おっしゃっていただけますか?」
「だから、シャルル殿下の想い人になったって本当?僕達、王宮で聞いたときびっくりしちゃったよ、・・・ってフィオナ?なんでむせてるの?」
「ごほっごほっ、だ、誰がそんなことを・・・」
「え?シャルル殿下ご自身がだよ。いつも、貴族の若い女性にきかれては、フィオナが唯一想う女性だとお答えされているよ。幸せ者だね、フィオナは」
本当に嬉しそうにお兄様方は微笑むが、そのむこうにご令嬢方のこわーい顔がみえた気がして、若干引いてしまう私だった。