プロローグ
私の名前は、フィオレンティーナ・セリス・レンディア。転生者だ。ル―ディニア王国の片隅に居をかまえている。家は貴族だ。しかも、公爵家。古くからある、由緒ある家なのだ。王家とも交流が深い。私の家は聖魔術士を代々、輩出している家でもある。兄様ふたりも、若くして出世コースにのる前途有望な若者だ。わたしは、今の家族がとっても大好きだ。
「フィオレンティーナ様。今日は、魔法の勉強の時間です。カレル先生がお越しですよ」
「ありがとう、ルチル。用意はできてます。先生は、どちらに?」
「もう間もなく、お越しですわ。それにしても、お嬢様の勉強は日に日に進んでいきますね。12歳でここまで教育が進んでいる、貴族の子女はお嬢様だけだと思いますよ」
鼻が高いですわ!と興奮するルチル。目を輝かせて嬉しそうに語られると、なんだか悪い気がしてしまう。本当は精神年齢20代後半だとは言いにくい。ありがとう、とわたしは彼女に無邪気な笑顔をうかべて笑いかけた。そうしているうちに、カレル先生が部屋にこられた。
「おはようございます、フィオレンティーナお嬢様。先日の復習はすみましたか?」
「はい、先生。高等魔法技術理論でしたね。やっておきました。今日は何をされますか?」
「そうですね、では複合魔術の実践にいたしましょうか。まずは、これをみてください」
そういうと、先生は≪凍りつく風≫の呪文を唱えた。すると、風とともに氷の矢がうまれ、部屋にあった花瓶が風をうけて、凍りついてしまった。わたしも、と思いおなじスペルで呪文を唱える。
≪風よ、すべてのものを我が意のもと、凍てつかせよ≫
狙いを受けたベッドが瞬時にして凍りついた。すぐに解かなくてはいけないため、解除魔法を唱える。
≪解除≫
先生も同時に唱えたので、部屋の被害はゼロだ。外でやりたいのだけど、今は冬なので中でやるものとなっている。暖かくなるまでの我慢だ。すぐに考えをやめ、先生にむきあう。このあとも、いくつかの狙いをさだめて凍りつかせ、解除するといった授業だった。高等魔法だと解除が完璧に行えるものになっている。初歩だと四代元素を覚えることから始まるから、わたしの腕は王宮でも十分通じるものだたりする。
「さすが、お嬢様ですね。これは将来が楽しみです。お兄様方に劣らぬ腕前ですよ」
「ありがとうございます、先生。これからも日々、頑張りますね」
「あらあら、フィオナちゃんは頑張りやさんね。ママたちをすぐに、追い越してしまいそうだわ」
「お母様!いらしてたのなら、いってくださったらよかったのに」
そういって近寄ると、頭をなでられた。なんだか、くすぐったい感じ。ふにゃ、と顔をやわらげるとカレル先生は頭をさげて、退出していった。ルチルにお茶の用意をしてもらって、お母様と二人きりになる。
大事な話でもあるんだろうか?顔に出たのだろうか、お母様はくすっ、と笑うと私に目線をあわせた。
「あのね、フィオナちゃん。今度、お城でパーティが開かれるの。お友達を作るのに、いいかと思って。ママといっしょにいきましょう」
「はい、お母様。一緒にいきます。お兄様方にはお会いできますか?もう二ヶ月もお帰りになってません。淋しいです」
「そうね、淋しいわね。その日はいいことがあると思うから、楽しみにしておいてね」
「?わかりました。楽しみにしておきます」
そして、その数日後。お城でパーティが開かれた。はじめてくるお城は広く、お母様とはぐれてしまった。どうしようか、とまわりをみわたしていたら、声をかけられた。
「はじめまして、レディ。お名前をうかがっても――?」
それが、すべての物語の幕開けの合図だった。
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