ウホウホ言うからゴリラだとは限らねーウホ
清坂正吾様主催『ゴリラパーティー』参加作品ウホ。
「ウホウホ言うからゴリラだとは限らねーウホ」
「いや、お前はゴリラだろ」
バナナをむしゃむしゃ食べるゴリラに対し、俺は冷静にツッコむ。だがゴリラもそれで黙らなかった。
「確かに俺はゴリラだし、ウホウホ言うウホ。だけど、全てのゴリラがウホウホ言うわけじゃねーウホ」
「いや、ほとんどのゴリラはウホウホ言うだろ」
早くも二本目のバナナを食べ始めるゴリラは、俺に「そんなことねーウホ」と言い返してくる。
「関西弁を喋る奴がみんな関西出身ってわけじゃないのと同じだウホ。芸人や舞妓は稽古の過程で自然と関西弁が身についてくるし、創作だとお笑いキャラや腹黒キャラはなんか関西弁を話す奴が多い印象だウホ。特に京都弁喋るキャラの笑顔の下に何か隠してることある感は異常だウホ」
京都弁に対する偏見が強すぎない?
そう思うが、個人的に「根からの悪人ではないが、何か後ろ暗い事情があって悪事に手を染めている」ぐらいの京都弁キャラが好きなのでそこは沈黙を貫くことにする。
美味そうにバナナを頬張るゴリラ、それを黙って見ていたら「っていうかお前もゴリラだウホ」ととんでもないことを言われた。
「は……? いや、そんなわけねーだろ!」
「現実から目を逸らさず、自分で自分をよく見てみるのウホ。俺もお前も同じゴリラ、そもそもゴリラと会話が通じていることに疑問を持てウホ。ゴリラを覗く時ゴリラもまたこちらを覗いているのだウホ」
まさか、そんなわけ……と思ったが自分の手足を見て絶句する。毛むくじゃらのそれは、間違いなく「ゴリラ」と呼ばれる生き物のもので……三本目のバナナを食べようとするゴリラは、さらに畳みかける。
「だから言ったウホ。『ウホウホ言うからゴリラだ』とは限らねーウホ。対偶にすればわかるウホ」
ゴリラは新しいバナナを、口に放り込む。
「ゴリラじゃないからウホウホ言わないわけじゃねーウホ」




