『小説家になろう』というサイト名への異議申し立て ~売れなければ小説家ではないという欺瞞~
## はじめに
『小説家になろう』というサイトの目的は、おそらく商業小説家になろうという意味でしょう。
では?小説を執筆している皆様は、商業作家ではないから『小説家ではない』という意味になりますが、これを漠然と受け入れていませんか?
この件について、論理的整合性の観点から見ていきたいと思います。
## 『売れてない小説家は果たして小説家なのか』
表題のような言葉を、とあるSNSで読みました。
まず、私は不快感を覚えました。
つまりこれは『売れてなければ○○という職を名乗ってはいけない』という論理構造をしています。
そうですよね?商業作家であろうとも『売れてなければ』その要件を満たしていないのではないか、という問いになるのです。
## ゴッホは画家ではない?基礎研究者は研究者ではない?
皆さんゴッホはご存知だと思いますが、生前は評価されなかった画家です。
ゴッホに限らず、芸術関連ではこのようなことがよくあります。
また、理系での基礎研究者という方もいらっしゃいます。
たとえば、数学の難解な研究をして、何かしら結果が出たとします。
しかし、それは『現時点、何に役立つのか本人でさえわからない』となります。
当然、そんな研究を企業に売り込むことは困難です。
あなたはゴッホは画家ではない、基礎研究者は研究者ではない、と言われて納得がいきますか?
## IT世界の大物でさえ、プログラマではない?
皆さんはGNU/LinuxというOSをご存知ですか?
インターネットのサーバー、例えばこの『小説家になろう』系列のサーバーもLinuxで動いているでしょう。
しかし、GNU/LinuxはGPLというライセンスで――事実上、無償の義務で配布されています。
あなたも望めば、自分のPCに無償で入れることが可能です。
GPLライセンスを作り、数多くのプログラムを作成したリチャード・ストールマン。
Linuxの中核部分を開発し続けているリーナス・トーバルス。
GNU/Linuxが無償である以上、彼らは『プログラムで稼いでいる』とは一概に呼べないわけです。
付加価値、すなわち『講演に出る』だったり『サポートを行う』だったりで、収益を上げるのがGPLの理念そのものですから。
そう、GNU/Linuxを支えるストールマン、リーナスといった大物でさえ『プログラマではない』ということが、論理的に導き出されます。
※当然ですが、IT界隈でそんな事を言えば袋叩きに遭います。
## 『小説家になろう』という名前の欺瞞
さて、それではあなたの視点に戻りましょう。
こんな場末のエッセイを読んでいる時点で、申し訳ないですが商業作家だとは思えません。
しかし、今までの論理を組み立てるならば……?
そもそもの『小説家になろう』運営たるヒナプロジェクトが、それを認めないというのならば……。
それは「うちのサーバーはプログラマじゃない人が作ったOSで運営しています」という主張になるからです。
そんな馬鹿な、とは思うでしょう?
GNU/Linuxに連なる多くのプログラマを『プログラマではない』とは、全く思えないでしょう?
※『GNU/』は省略されることが多いです。
それと同じ事が、あなたにも言えるのです。
小説を書き、発表している。
すなわち『小説家である』と規定しなければおかしいのです。
結論として『小説家であるあなたに対し、小説家になろうと言っている』それが欺瞞であると……論理的に決着がつきます。
## おわりに
みなさんも、何か違和感を抱いた時は、論理的に考える思考の癖をつけましょう。
それは、きっとあなたの作品を高める役に立ちますから。
『売れてない小説家は果たして小説家なのか』
このような言葉は、仮に自虐であろうとも、許してはなりません。
たとえば本来なら刑法に抵触する『いじめ』を『いじり』『ジョーク』と呼ぶような行為です。
当然おわかりですよね?ヒナプロジェクトは『有罪』です。




