伝説の残響と、お嬢様の泥まみれ二重生活だぉ♪
この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。
有明海の干潟に、優雅な、しかしどこか苛立ちを孕んだ声が通信回線を駆け抜けた。
「……ちょっと、事務局長! この機体の関節、泥が詰まって動きが鈍いわ! 武雄で乗っていた05号機は、もっと私の意志に繊細に反応してくれたんだわ!!」
GA-TAL GEAR のコックピットで、七海 和歌 はゲーミング・デバイスを叩きつけながら絶叫した。彼女の背後には、叔母である マダム・グラツィア の「伝説の英雄である姪に、鹿島の泥遊びを教えたい」という、あまりにも一方的な親愛の情(無茶振り)が渦巻いている。
「おいおいおい、その『元・伝説のパイロット』設定を隠す気ゼロの愚痴……某・宇宙世紀の帰ってきた英雄のパクリそのままだぜ!」
堤防の上で、山本 マキ は 『ワラスボ・ポーチ』 を操作し、和歌の過去ログ(武雄ドメイン)をニヤニヤしながら閲覧していた。
「あたいの解析によれば、和歌さんは去年の今頃、武雄で正義の味方をやってた16歳の頃の方が、今よりずっと素直だったってデータが出てるんだぜ!叔母のマダムに無理やり連れてこられて、カニ型メカに乗らされてる今の屈辱……あたいのメタ発言力で、全世界にライブ配信してやるぜ!」
「わぁぁ! 和歌ちゃん、お姫様なのに泥んこでお外遊びだぉ! 幸来も一緒に、伝説のダンスを踊りたいぉ!!」
鹿島 幸来 がのんびりと 『ムツゴロウ・ショルダー』 から「武雄のレモングラス」を取り出すと、和歌の殺気が有明海を震わせた。
「……お黙りなさい! この泥の向こう側にある真実、私の『@WAKA_7th』としての誇りにかけて、必ず暴いてみせるんだわ!!」
「ひ、ひいいいいい……っ! 私の胃が……! マダムの姪御さんである和歌さんの『伝説級のプライド』と『現在の屈辱』が、私のバイオ・サーバー内で激突してメルトダウンしそうです……っ! 胃が……私の胃が、作品を跨いだ設定の整合性を守るための『物語維持費』という名の追加胃痛で、銀色からプラチナ・エディションに発光しているんです……っ!」
システム・ポッドの中で 黄金のワラスボ全身タイツ を銀色に共鳴させている 仲田 事務局長 の胃壁は、和歌という「伝説の継承者」を迎え入れたことで、かつてない情報密度の濁流に飲み込まれていた。
「チャンネル登録と各種SNSのフォロー、そしてお嬢様の泥沼リベンジへの見届け、よろしくお願いしますなんだぉ!!」
この度は、私の作品を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。読書のお一人でも、心に響いて頂けましたら幸いです。




