仲田、ついに『 WRSB』と直接対面!?
この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。
深夜の有明海。街明かりも届かない漆黒の干潟に、場違いな「金色の輝き」が揺れていた。
「……ううっ、寒い。それにこのタイツ、泥が入ると摩擦で胃が、いや全身が痛い……」
**仲田事務局長**は、第12話から着せられ続けている『黄金のワラスボ全身タイツ』のまま、震えながら泥の上を這いつくばっていた。アニマのマダムたちに「泥の中の微細な振動を肌で感じてこい」と命じられた彼は、もはや限界サラリーマンとしての矜持すら泥に溶けかかっていた。
その時、目の前の泥が盛り上がり、一人の男が音もなく姿を現した。
タクティカル・アイピースを妖しく光らせ、全身を泥と同色の迷彩で固めたその姿。
「……遅かったな、仲田!」
「ひっ! ……あ、あなたは……REDDAS WRSB……さん、ですか?」
仲田は、通信越しにしか聞いたことがなかった「伝説のエージェント」の威圧感に、思わず胃を抑えて跪いた。
「(通信音)……おいおい、ついにおっさん二人の『泥まみれ密会』が実現したぜ!」
堤防の影から、**山本マキ**が『ワラスボ・ポーチ』を操作しながらツッコミを入れた。
「画面越しに見ると、某・潜入アクションゲームのパクリ……もとい、オマージュの限界を突破して、ただの怪しい儀式に見えるんだぜ! 版権元の怒りに触れる前に、さっさと機密の受け渡しを済ませななぜ!」
「わぁぁ♪ 金ピカさんと泥んこさん、とっても仲良しだぉ!」
**鹿島幸来**は、バッグから取り出したばかりの温かい「ガタニウム配合お茶」をすすりながら、のんびりと見守っている。
「REDDASさん……もう、もう限界です……!」
仲田はWRSBの足元に縋り付いた。
「和歌さんのGA-TAL GEARはサブスク化され、私の給料は差し押さえられ、ついには全身金ピカで泥に沈められ……私の胃壁はもう、ボロボロの海苔みたいにスカスカなんです……っ!」
「……仲田。君の絶望は、鹿島の、そして世界の希望となる!」
REDDAS WRSBは一切の私情を排し、シリアスな声で告げた。
「君のタイツの隙間に付着した泥のサンプルから、アニマが極秘裏に開発している新型エネルギーの波形を抽出した。……これで、ガタルギアの起動コード『CICO』の真の正体に一歩近づける‼︎」
「そんなことより……正露丸を、正露丸をください……っ!」
「(通信音)……仲田、薬は自前で調達しろ。……マキ、幸来、撤収だ。アニマの監視ドローンが来る!」
WRSBは仲田を泥の中に放置したまま、再び煙のように消えた。
「……待って! 行かないで! せめて、このタイツのファスナーを上げるのを手伝って……っ!」
仲田の悲痛な叫びが、真夜中の干潟に虚しく響き渡った。
この度は、私の作品を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。読書のお一人でも、心に響いて頂けましたら幸いです。




